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サッカー

【2020-2021シーズン展望】優勝争いはレアル・マドリードが有利か。例年以上に問われるのは育成力だ | ラ・リーガ

小澤一郎
【2020-2021シーズン展望】優勝争いはレアル・マドリードが有利か。例年以上に問われるのは育成力だ | ラ・リーガ(C)Getty Images
2020-21シーズンのラ・リーガがいよいよ開幕する。レアル・マドリードの連覇か、バルセロナやアトレティコの捲土重来か?リーグ全体では「例年以上に育成力が問われる」と見通すジャーナリスト・小澤一郎氏によるシーズン展望をお届けしよう。

スペインでも久保への注目度は高まる

レアル・マドリードの3シーズンぶり34回目の優勝で幕を閉じた昨シーズンから2ヶ月も経たない今週末、早くも2020-21シーズンのラ・リーガが開幕する。

8月にチャンピオンズリーグ(CL)もしくはヨーロッパリーグ(EL)に出場したレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード、セビージャ、ヘタフェに加え、日程が大幅に後ろ倒しとなったプレーオフの末に昇格したエルチェの計6チームは開幕節から登場しない。

それぞれ2節、3節に初陣を控えるが、日本のファンにとっては開幕から見逃せない「日本人対決」が続く。

昨年2部で優勝したウエスカの岡崎慎司が新たに1部参戦となり、今季のラ・リーガにはビジャレアルの久保建英、エイバルの乾貴士と3人の日本人選手が所属。9月7日開催のメディア向けキックオフ・イベントにおいて、ラ・リーガのアンバサダーを務めるフェルナンド・モリエンテス氏(元スペイン代表)が「今季期待の若手」を問われた際、ナチュラルに

「ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリード)と久保」

と答えたように、スペイン国内でもマジョルカからビジャレアルに活躍の場を移した久保への注目度は高まっている。

そのビジャレアルは開幕節でホームにウエスカを迎える。ELとの両立を図るため、今季は特に前線にタレントを多く抱えるチームにあって、久保はおそらく開幕から左サイドで起用されるだろう。

我々日本人にとっては先発か、レギュラー当確なのかは気になる問題だが、ウナイ・エメリ監督は試合毎に大幅にスタメンを入れ替えることでも有名な監督。ベンチスタートになっても大きな問題ではない。

昨季はチーム最多の12得点を決め、ファン投票により「シーズンMVP」に選ばれた岡崎は念願のスペイン1部挑戦権を手に入れた。「日本代表」、「プレミアリーグ優勝経験者」という看板を背負いながらも2部でのプレーを受け入れ、回り道をしたからこその34歳が見せるプレーに注目してもらいたい。

2節にはビジャレアルとエイバルのカードが。参戦6年目を迎え「ラ・リーガで初めて成功した日本人選手」としての実績とプライドがある乾貴士には、ファビアン・オレジャナ、ゴンサロ・エスカランテといった主力が抜けた新生エイバルの攻撃を支える中心選手としての活躍が期待される。

バルセロナに捲土重来のポテンシャルは…

優勝レースに関しては基本的には例年通り。二強の争いとなりそうだ。ただ、有利なのはレアル・マドリードか。コロナ禍の夏ということで若手選手の売却と余剰戦力の放出に力を注ぎ、ハメス・ロドリゲスのエバートン移籍で今夏約9600万ユーロもの売上を記録している。

逆に補強はレアル・ソシエダからレンタルバックしたマルティン・ウーデゴールのみだが、エデン・アザールが怪我なくコンスタントにプレーできれば、それが最大の補強となるだろう。

対するバルセロナはリオネル・メッシの残留は決まったものの、初陣の3節ビジャレアル戦までにロナルド・クーマン新監督の下でのチーム編成を固められるか。戦力外通告を受けたルイス・スアレス、アルトゥーロ・ビダル、サミュエル・ウンティティらの売却が決まらないかぎり、指揮官が望む選手を補強する資金を捻出できない。

とはいえ、2002年生まれのアンス・ファティや1997年生まれのフレンキー・デ・ヨングといった若手が新チームの中心に据えられることは確実で、メッシへの依存度を下げることができれば捲土重来のポテンシャル、可能性は十分にある。

二強を脅かしうる存在のアトレティコ・マドリードも、コロナ禍での経済的ダメージから今夏は今のところ目立った補強がない。現状維持のチーム編成になっている。しかし、移籍の噂があるMFトーマスの売却で資金を作り、急務となっている左サイドバックとFWの補強に動くかもしれない。

昨季は終盤にMFマルコス・ジョレンテを前線で起用するコンバートが当たったが、ディエゴ・シメオネ監督としてはやはりジョアン・フェリックスを中心に攻撃陣を編成したいところ。

昨季のEL王者で、今季はCLに挑むフレン・ロペテギ監督のセビージャも三番手争いに加わりそうだ。ELを最後まで戦った影響で移籍市場への参戦は遅れたが、そこはモンチSDのいるセビージャ。素早くオスカル・ロドリゲス(←レアル・マドリード)の獲得を決めた。

セルヒオ・レギロンのレンタル延長(レアル・マドリードから)が実現しなかった場合には左SBの補強が不可欠となるが、昨季でベースは出来ているだけに今季も戦術的に多彩なサッカーを披露してくれるだろう。

ビジャレアルとレアル・ソシエダは強い

リーグ全体で見ても今夏は予想通り、大金を投じた派手な補強も、ビッグネームの新規参戦も少ない。ただ、それだけにスペインサッカーの根幹を成す「カンテラ」、つまり育成力が例年以上に問われるシーズンとなりそうだ。

その視点で見れば、EL参戦組のビジャレアルとレアル・ソシエダは強い。両クラブは10年ほど前に降格や経済危機を経験し、近年は育成からチーム強化を着実に行っている模範的クラブだ。バスク純血主義を守り、コロナ禍だろうと例年通りの補強方針を貫くアスレティック・ビルバオのような育成型クラブの実力も改めて知ることになるだろう。

また、近年の昇格組は2部からの継続路線で1部に挑戦するクラブが多く、今季の昇格チーム(ウエスカ、カディス)もそれに該当する。昨季7位と大躍進したグラナダのような存在になれるか注目だ。

今季も当面は無観客での試合が続き、クリスマス休暇返上で行われる異例のシーズンとなる。久保という1人の選手を通してでもいいので、是非ラ・リーガというリーグを1年に渡り見続けてもらいたい。

そうすれば、「サッカーではない。ラ・リーガなのだ」というリーグスローガンの真意を理解してもらえるはずだ。

文・小澤一郎

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。社会人経験を経て2004年にスペインに移住。バレンシア在住歴5年、スペインでは育成年代の指導者経験もあり。現在は、DAZNでラ・リーガ中継の解説も務める。(株)アレナトーレ所属。

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