J1優勝争いはさらに白熱してきた。
前節を終えて首位のヴィッセル神戸と2位・横浜F・マリノスの勝ち点差は「4」。仮に神戸が勝利し、横浜FMが敗れた場合は、神戸が悲願に向けて王手をかけるという状況で今節を迎えた。
そんな神戸は、残留争いを強いられている湘南ベルマーレと敵地で対戦した。
試合は立ち上がりに動く。11分、中盤でこぼれ球を拾った湘南が縦に鋭いカウンターを仕掛けると、最後は3試合連続ゴールとなるFW大橋祐紀の先制点が生まれ、湘南がリードした。
その後もMF阿部浩之のシュートがポストを叩くなど、湘南に追加点のチャンスはあったが、その好機を仕留められずに終わると、少しずつ流れが神戸の方に傾いていく。
すると後半入ってすぐにDF岡本拓也のハンドによって神戸にPKが与えられると、53分にこのPKをFW大迫勇也がしっかりと沈め、神戸が同点とした。
ただ神戸が攻勢を強めていく中で、MFジェアン・パトリッキとの1対1をストップするなど、神戸の攻撃を止めてきたGK富居大樹が試合終盤に負傷。交代カードを使い切っていた湘南は、DF大岩一貴が急遽GKを務めるという異例の事態に見舞われたが、最後まで神戸の反撃を食い止めて、ドローで決着した。
この結果を受けて勝利すれば、勝ち点差を縮められる横浜FMは、敵地でアビスパ福岡と対戦した。
立ち上がりは福岡にペースを握られたが、19分、ゴールラインギリギリのところで折り返したFWエウベルのクロスをFWアンデルソン・ロペスが左足ボレーで沈めると、25分には再びアンデルソン・ロペスがFWヤン・マテウスからのスルーパスを足先で触ってゴールイン。立て続けのエースの2得点で横浜FMが試合の流れを変えた。
こうなれば横浜FMの勢いは止まらない。48分、DFラインからのフィードに抜け出したFW植中朝日が3点目を沈めると、後半アディショナルタイムには途中出場のFW宮市亮にもゴールが生まれ、2試合連続の4発で快勝を収め、神戸との差を「2」に迫った。
首位と勝ち点「8」差の3位浦和レッズは、神戸との直接対決も残していることで勝てば逆転優勝への風向きを強めることができたが、鹿島アントラーズの敵地へ乗り込んだ一戦をスコアレスドローで終え、その差を縮めることができず、J1優勝に向けてさらに厳しい状況となった。
また名古屋グランパスは、24年ぶりに『岐阜メモリアルセンター長良川競技場』でのホームゲームで、サガン鳥栖と対戦した。試合はハンドによってお互いのゴールがVARで一つずつ取り消され、スコアレスで迎えた後半序盤に鳥栖のDF山﨑浩介が一発退場。名古屋が数的優位に立ち、65分にはFWキャスパー・ユンカーのゴールでリードしたが、終盤にFW富樫敬真のゴールで一人少ない鳥栖に追いつかれ、ドローで決着。名古屋は逆転優勝の可能性が潰えている。
J1優勝争いは、神戸、横浜FM、浦和の3チームに絞られることになった。
一方で残留争いは、各チームが最高の結果は得られない週末となった。
湘南が神戸に引き分けたことで、勝利すれば最下位を抜け出せるチャンスが訪れた横浜FCだったが、前半のうちに北海道コンサドーレ札幌に2失点を喫し、苦しい展開を強いられ、後半は攻勢を強めていったが、最終的には後半アディショナルタイムにCKから生まれたDFンドカ・ボニフェイスの1点止まり。横浜FCは3試合ぶりの黒星に終わり、降格圏から抜け出せなかった。
また16位柏レイソルは、日曜日唯一のカードでホームにリーグ4連勝と好調の川崎フロンターレを迎えた。
試合は柏が相手の縦パスを奪ったところから素早いカウンターを仕掛け、最後はMF山田雄士のゴールで前半にリードし、後半開始からピッチに入った川崎FのFW遠野大弥が一発退場となって、数的優位にも立った。
しかし70分、川崎FがDF山根視来のクロスを流し込んだMF橘田健人のゴールで同点。数的優位を活かせず、一人少ない川崎Fに追いつかれた柏も勝ち点3を手にすることはできなかった。
勝てば残留を決められる状況だった14位のガンバ大阪と15位の京都サンガF.C.は、ぞれぞれ敗れ、お互いに連敗から抜け出せずに残留を決めることができなかった。一方で勝ち点を積み重ねた鳥栖と札幌の残留が決まった。
優勝争いと残留争いがさらに白熱してきたラスト3試合。J1はここから中断を挟んで、2週間後の11月11日から12日かけて第32節が行われる。運命のJ1最終盤に引き続き注目が集まる。
■J1リーグ第31節 結果
名古屋 1-1 鳥栖
札幌 2-1 横浜FC
鹿島 0-0 浦和
湘南 1-1 神戸
京都 0-1 新潟
C大阪 1-0 G大阪
福岡 0-4 横浜FM
FC東京 1-2 広島
柏 1-1 川崎F
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