今節は優勝争いに大きな動きがあった。
大一番となったのは1位・サンフレッチェ広島と2位・FC町田ゼルビアの首位攻防戦だ。
勝ち点で並ぶ両者の対決は、立ち上がり早々から大きく動くことになる。積極的な仕掛けを見せる広島は3分、中野就斗が右サイドから左足でクロスを供給すると、ニアサイドに飛び込んだゴンサロ・パシエンシアが見事な右足ボレーで合わせて先制に成功した。
これで勢いに乗った広島はさらに攻勢を強めていくと、23分、再び右サイドで受けた中野がドリブル突破からニアに鋭いクロスを入れる。これに今度は加藤陸次樹が左足で巧みに合わせ、リードを2点に広げて見せた。
後半、2点を追う町田がシステムを変更しながらゴールを襲っていく。ただ、広島も集中したディフェンスで対抗。相手の猛攻に最後まで耐え抜き、そのまま試合を終わらせた。これで広島は9年ぶりのリーグ制覇に向けて大きな勝ち点3をゲット。一方、町田は広島との勝ち点差が「3」となった。
町田が勝ち点を落とした中、上位浮上の可能性が回ってきたのはヴィッセル神戸だ。
浦和レッズと対戦した神戸は、立ち上がりから巧みにボールを保持。15分には大迫勇也のキープから宮代大聖が強烈なシュートを狙ったが、これはDFのブロックに阻まれた。ただ、このプレーで得たCK、初瀬亮が左足でインスイングのボールを供給すると、武藤嘉紀がニアに飛び込み、ヘディングシュートを突き刺して神戸が先制に成功した。
この得点で勢いに乗った神戸は、さらに攻勢を強めていく。28分には宮代大聖のクロスが関根貴大の手に当たったとしてオンフィールドレビューの結果、PKを獲得した。しかし、このPKは西川周作がビッグセーブ。神戸が押し気味に試合を進めるも追加点を奪えないまま前半を折り返した。
後半はより攻撃に圧力を浦和が強めたが、神戸は集中した守備で対抗。最後まで体を張ったディフェンスで失点を許さなかった神戸がそのまま逃げ切り、5連勝で2位に浮上している。
残留争いでは柏レイソルが引き分け、ジュビロ磐田が敗戦に終わった中、湘南ベルマーレが大きな勝ち点3を手にした。
鹿島アントラーズと対戦した湘南は序盤、苦しい展開を強いられる。22分、右CKからニアで関川郁万が頭で触られると、最後はファーの濃野公人に押し込まれて先制点を献上。さらにその5分後には濃野がボックス内の鈴木優磨に預けてPA内に侵入すると、クロスのリターンをゴール左下に決め切ってリードを2点に広げた。
だが、ここから湘南の反撃が始まることになる。前半アディショナルタイム、ハーフウェーライン近くでボールを奪うと、畑大雅のスルーパスを受けた鈴木章斗が落ち着いてネットを揺らし、湘南が1点を返して後半へと折り返した。
後半も湘南が攻勢を強める。すると65分、平岡大陽のラストパスを畑がゴール右下にグラウンダーのシュートを沈めて試合を振り出しに戻すことに。さらに67分、福田翔生が途中出場の根本凌との連係でゴールネットを揺らし、一気に逆転に成功した。このまま試合は終了。3-2で勝利し、18位の磐田との差を「3」に広げている。
そのほか、ジュビロ磐田に勝利した名古屋グランパス、横浜F・マリノスに勝利したFC東京が3連勝を記録している。
■J1リーグ第32節 結果
川崎F 5-1 新潟
札幌 2-0 京都
名古屋 2-0 磐田
横浜FM 1-3 FC東京
G大阪 1-1 東京V
C大阪 0-0 柏
湘南 3-2 鹿島
神戸 1-0 浦和
広島 2-0 町田
鳥栖 0-0 福岡
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