今月上旬にレギュラーシーズンを終えたNFLは、いよいよポストシーズンに突入する。まずは、”スーパー・ワイルドカード・ウィークエンド”と銘打たれたプレーオフ初戦が日本時間の1月10・11日に開催、スーパーボウル制覇へ向けて全14チームの戦いの幕が開ける。今シーズンから出場チームが2つ増え、第1シードのチームのみバイウィークが与えられる。
DAZNでは、プレーオフからスーパーボウルまでを全試合LIVEで配信。そこでスーパーワイルドカードラウンドの見どころを解説する。
1月10日(日) 開催
インディアナポリス・コルツ(第7シード) vs. バッファロー・ビルズ(第2シード)
日本時間3時5分 KO
QBジョシュ・アレンを中心に、NFL2位の1試合平均31.3点とトータルオフェンス396.4ヤードを誇るビルズ。中でもアレンはパス成功率(69.2%)、パスヤード(4544)、TD(37)、QBレーティング(107.2)と全ての項目でキャリアハイをマークし、1995年以来の地区優勝を果たしたチームの原動力となった。
そんなアレンと共にチームを支えたのは球団新記録127キャッチ、1535ヤードを記録したWRステフォン・ディッグズだ。この強烈なホットラインがパスディフェンス20位(241.6)に沈むコルツディフェンスに襲いかかる。
一方のコルツは、昨シーズンオフに獲得したベテランQBフィリップ・リバースが安定した活躍を披露した。ビルズ戦では過去6試合、13TD、1 INT、QBレーティング116.2と相性がいい。
さらに、ルーキーながらも1169ランヤード、11TDをマークしたRBジョナサン・テイラーも楽しみな存在だ。第17週では1年目として史上2位タイとなる250ランヤード以上(253)、2 TDと大暴れし、プレーオフ初戦へ向けて態勢は万全だ。
両チーム共に平均得点はトップ10に入るなど、オフェンスを得意としている。ハイスコアが予想される展開で、どちらが次のラウンドに駒を進めるのか。
ロサンゼルス・ラムズ(第6シード) vs. シアトル・シーホークス(第3シード)
日本時間6時40分 KO
シーズン「3度目」となる同地区対決の一戦。NFC西地区覇者のシーホークスは、QBラッセル・ウィルソンを中心としたパスオフェンスが最大の武器。レシーバーには、エースのタイラー・ロケット(100レシーブ、1054ヤード、10 TD)と怪物WRのD.K・メトキャフ(83レシーブ、1303ヤード、10 TD)の1000ヤード超え&10TD以上を達成した2枚看板がいる。
地上戦では、相手をなぎ倒すパワーなランニングスタイルが持ち味のRBクリス・カーソンも健在。司令塔のウィルソンが試合序盤からどのような戦術を組み立ててくるのか注目だ。
今シーズンのラムズはディフェンスが絶好調。トータルディフェンス(281.9ヤード)、パス喪失ヤード(190.7ヤード)、失点(18.5点)は全てNFLトップの成績だ。そんな鉄壁のディフェンスを支えるのが、リーグ最高との呼び声が高いDTアーロン・ドナルドとCBジェイレン・ラムジーの2人。
彼らに加えてこの試合ではLBレナード・フロイドにも注目したい。自己最高の10.5サックのうち、5サックはシーホークス戦の2試合で叩き出している。ウィルソンへプレッシャーを仕掛けることができれば、勝機は見えてくる。
一方でラムズにとって懸念されるのが、第15週のシーホークス戦で右手親指を骨折したQBジャレッド・ゴフの容体だ。プレーオフ初戦には出場できる見込みだが、本拠地のロサンゼルスよりもかなり冷え込むシアトルでの戦いは懸念材料。利き手である右手の負傷によって、パスにどれくらいの影響が出るか非常に気がかりだ。
タンパベイ・バッカニアーズ(第5シード) vs. ワシントン・フットボール・チーム(第4シード)
日本時間10時15分 KO
「生きる伝説」トム・ブレイディーが、再びプレーオフの舞台に帰ってくる。プレーオフ通算41回の先発、パス獲得ヤード(11,388)、TDパス (73)、ポストシーズン勝利数(30)は全て史上最多を誇る。21年目を新天地で迎えた今シーズンは4633パス獲得ヤード、40TD、QBレーティング102.2と衰え知らずの活躍を見せている。
チームもパスはNFL2位の1試合平均289.1で、得点は同3位の平均30.8点を誇る。また、20ヤード以上のパス成功数67回を記録するなどロングパスを得意としている。
この試合でターゲットになりそうなのがペイトリオッツ時代の相棒、TEロブ・グロンカウスキーだ。プレーオフ通算のTD数は史上2位タイの12回と無類の勝負強さを誇っており、試合の重要な局面になれば「グロンク」へのパスが多くになってくるに違いない。
出場チーム中、唯一の負け越し(7勝9敗)で最終週にNFC東地区を制覇したワシントン。オフェンスはリーグ下位を沈むなど低調だが、トータルディフェンス(304.6ヤード)、パス喪失ヤード(191.8)はリーグ2位、失点も同4位の20.6点とディフェンスが持ち味。DL陣4人が全て2017年以降でのドラフト1巡目指名と若い力でブレイディーにプレッシャーをかけることができれば番狂わせもある。
負け越しでのプレーオフ出場は今回のワシントンで3チーム目だが、過去の2010年シーホークス、2014年パンサーズはワイルドカードで勝利している。
1月11日(月) 開催
ボルティモア・レイブンズ(第5シード) vs. テネシー・タイタンズ(第4シード)
日本時間3時05分 KO
昨シーズンAFCディビジョナルラウンドの再戦となった。ランオフェンス1位を誇るレイブンズと2位のタイタンズによる地上戦を得意としている両チーム。どちらが攻撃の主導権を握れるかが勝負の分け目となるだろう。
タイタンズの持ち味は何と言っても「キング・ヘンリー」こと、RBデリック・ヘンリーのパワーラン。相手ディフェンスをねじ伏せて、要所でQBライアン・タネヒルのプレイアクションからのパス攻撃が主流となっている。
ヘンリーは今シーズン、徹底マークに遭いながらも191 cm、112kgの巨体を活かし、NFL史上5位の2027ランヤードを達成した。第11週の対戦でも133ランヤード、1TDをマークし、昨年のプレーオフも含め、2試合連続で100ヤード超えと得意にしている。
レイブンズも機動力QBラマー・ジャクソンを筆頭に、3人が700ランヤード以上とそれぞれ異なるランニングスタイルで相手ディフェンスをかき回していく。プレーオフ出場は3回目になるが、過去の2回はいずれも初戦で姿を消した。「プレーオフで勝てない」レッテルをここで返上したい。
またレイブンズはジャクソンが先発QBとして定着して以来、第1クォーターをリードで終えた時は24勝1敗と圧倒的な勝率を誇る。一方でリードされた場合は1勝6敗とかなり落ち込み、この6敗のうち2敗はプレーオフで喫している。レイブンズにとっては序盤からリードし、自分たちのペースに持ち込みたいところ。雪辱なるか、それとも返り討ちか。どちらが地上戦を制するのか。
シカゴ・ベアーズ(第7シード) vs. ニューオーリンズ・セインツ(第2シード)
日本時間6時40分 KO
シーズン序盤ではエースWRマイケル・トーマス、中盤ではQBドリュー・ブリーズが怪我で戦線を離脱するも圧倒的な選手層の厚さで第2シードを確保したセインツ。ブリーズは復帰3戦目となった最終週で3TDパスを通し、良い状態でプレーオフ初戦に乗り込む。
オフェンスではRBアルビン・カマーラがチームの命運を握るだろう。ランとパス両方でチームトップをマークしており、攻撃陣の中心を担っている。ディフェンスでは主要項目全てトップ5と堅実だ。
終盤の4試合を3勝1敗で乗り切り、プレーオフ最後の一枠に滑り込んだベアーズ。QBに悩まされたシーズンだったが、最終的にはミッチェル・トゥルビスキーが先発を務めることが濃厚。QBが安定しなかったことが影響してか、オフェンス部門はほとんど下位に沈んでいる。そのなかでも活躍を見せたWRアレン・ロビンソンがチームの希望だ。
彼を中心にパス攻撃を展開していき、着実に得点を重ねていきたい。ディフェンスでは、9サックをあげたLBカリル・マックを中心にブリーズへプレッシャーを仕掛けていきたいところ。
大方の予想ではセインツが圧倒的に有利とされているが、その結末はいかに。
クリーブランド・ブラウンズ(第6シード) vs. ピッツバーグ・スティーラーズ(第3シード)
日本時間10時15分 KO
2002年以来のプレーオフ進出を決めたブラウンズだが、指揮官のケビン・ステファンスキーHC(ヘッドコーチ)が新型コロナウィルスの陽性反応を受け、この試合を欠場することが決定している。プロボウルに選出されたGジョー・ビトニオも同じく陽性で欠場と、指揮官と主力選手を欠く苦しい布陣で臨む。
しかしNFL3位(148.4)のランオフェンスは健在。パワーで押すRBニック・チャッブとスピードを武器にするRBカリーム・ハントの2人がチームを牽引する。QBベイカー・メイフィールドの円熟味の増したプレーにも注目だ。
開幕から11連勝と絶好調でシーズンを突っ走っていたスティーラーズだが、その後は1勝4敗と失速し、プレーオフに向け不安が残る。カギを握るのが往年の"スティール・カーテン"を彷彿とさせる鉄壁のディフェンスだ。
インターセプト(18)、サック(56)、QBヒット(136回)はリーグトップ。また、トータルディフェンス(305.8)、パス喪失ヤード(194.4)、失点(19.5)も全体で3位と守備を起点に勝ち星を伸ばした。攻撃では、QBベン・ロスリスバーガーが昨年の肘の怪我から完全復活。プレーオフ通算11回目の出場となり経験は十分だ。800ヤードレシーブを3人以上要しており、どう攻撃を展開していくかが注目が集まる。
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