【プレビュー】シーズン最終戦の出場権をかけた最後の戦いが開幕 ｜ ドバイ世界選手権

シーズン最終戦の前哨戦として新設大会が開催

今週のヨーロピアンツアーは、ドバイと南アフリカでの2試合。12月3日（木）開幕の南アフリカオープン（12月3日～12月6日、南アフリカ／ゲーリー・プレーヤー・カントリークラブ）に先駆けて、12月2日（水）からドバイ世界選手権（12月2日～12月5日、アラブ首長国連邦／ジュメイラ・ゴルフ・エステーツ）が始まっている。

ゴルフトーナメントの大半は木曜日が初日で、日曜日が最終日の4日間競技となっているが、今大会が水曜日開幕なのは12月2日（水）がアラブ首長国連邦のナショナルデー（開国記念日）で祝日にあたるからだ。

この大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響によるスケジュール変更で、シーズン終盤になってから新設された。試合会場は翌週のシーズン最終戦DPワールドツアー選手権ドバイ（12月10日～12月13日、アラブ首長国連邦／ジュメイラ・ゴルフ・エステーツ）が行われるアースコースと隣接したファイヤーコースになる。

ファイヤーコースはグレッグ・ノーマン設計で、18ホール、7480ヤード、パー72。ヨーロピアンツアーの中でも距離が長い部類に入るが、選手たちによるとアースコースよりも好スコアが出やすいという。

その言葉どおり、すでに初日に臨んでいる午前組の中でアンディ・サリバン（イングランド）が11バーディ、ノーボギーの11アンダー61というビッグスコアをマークした。アントワン・ロズナー（フランス）とマット・ウォレス（イングランド）も9アンダー63をマークしており、2日目以降もバーディ合戦の様相になりそうだ。

翌週のシーズン最終戦DPワールドツアー選手権ドバイに出場するためには「レース・トゥ・ドバイ」のポイントランキング60位以内に入る必要があるため、ボーダーライン上の選手たちはランキングを上げるために攻撃的なゴルフを繰り広げることが予想される。

現時点で「レース・トゥ・ドバイ」のポイントランキング1位はパトリック・リード（米国）。2月のWGC-メキシコ選手権に勝利し、10月のBMW PGA選手権3位タイと11月のマスターズ10位タイでもポイントを加算。2427.7ポイントでリードしている。

2位はトミー・フリートウッド（イングランド）。今シーズンは優勝こそないものの、10試合に出場して2位2回、3位1回という安定した成績で1967.74ポイントを獲得している。

3位はコリン・モリカワ（米国）。8月の全米プロゴルフ選手権でメジャー初制覇を果たし、1881.7ポイントまで積み上げている。

4位はリー・ウエストウッド（イングランド）。ヨーロピアンツアーを主戦場にするベテランが1月のアブダビHSBC選手権でツアー25勝目を挙げ、1793.03ポイントを得ている。

5位はビクトル・ペレス（フランス）。1月のアブダビHSBC選手権と10月のBMW PGA選手権で2位に入り、1713.89ポイントを獲得している。

しかし、この上位5人はいずれも今大会に不参加。ランキング最上位の参加者は6位のアーロン・ライ（イングランド）となっている。

川村昌弘は最終戦に備えて出場を回避

日本人選手は川村昌弘がエントリーしていたが、直前になって出場を取りやめた。前週は南アフリカでアルフレッド・ダンヒル選手権に出場しており、水曜日開幕の今大会に出場するのはスケジュールがタイトだと判断したのかもしれない。

川村はアルフレッド・ダンヒル選手権を通算3アンダー23位タイでフィニッシュ。「レース・トゥ・ドバイ」のポイントランキングを35位に上げ、最終戦の出場権をすでに手にしている。今大会の出場は見送ったものの、すでに現地入りして隣接するアースコースで練習ラウンドを行っているかもしれない。

文・保井友秀

1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。

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