【プレビュー】ヨーロピアンツアーの舞台はスペインへ、川村昌弘に上位のチャンスあり？ | アンダルシア・バルデラママスターズ

英国での6連戦が終わり、戦いの舞台はスペインへ

ヨーロピアンツアーは7月第3週から「UKスイング」と称して英国での6連戦が組まれていたが、9月はスペインとポルトガルでイベリア半島3連戦が行われる。今週は初戦のアンダルシア・バルデラママスターズ（9月3日～9月6日、スペイン／レアル・クラブ・バルデラマ）が開催される。

この大会は4月30日～5月3日に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となり、この時期の開催となった。したがって、大会ホストであり2011年、2017年、2018年の優勝者でもあるセルヒオ・ガルシアは不在となる。

また、昨年の大会で2位タイに入ったジョン・ラームも、今年はPGAツアー（米国男子ツアー）最終戦のツアー選手権（9月4日～7日、米国ジョージア州／イーストレイクゴルフクラブ）で年間王者を争うため欠場する。

地元スペイン勢は、今年3月のコマーシャルバンク・カタールマスターズでツアー2勝目を挙げたホルヘ・カンピージョや、昨秋のアルフレッド・ダンヒル選手権で勝利を挙げたパブロ・ララサバルなどが注目選手となる。

それにしても2020年のゴルフツアーがこれほど大幅なスケジュール変更を余儀なくされるとは予想していなかった。本来であればツアー選手権は8月中に終了し、欧米のトップ選手たちは9月25日～9月27日に予定されていた欧州選抜と米国選抜の対抗戦ライダーカップに照準を合わせる時期のはずだった。ライダーカップは日本人にとってあまりなじみのない試合だが、欧米の選手は2年に1度行われるこの大会の代表選手に選ばれることが名誉であり、チームの勝利に貢献することが誇りである。

2018年に行われた前回大会は欧州選抜がフランス／ル・ゴルフ・ナショナルで勝利を挙げており、今年は敵地の米国ウィスコンシン州／ウィスリング・ストレイツで連勝を狙っていたが、新型コロナウイルスの流行により観客を入れて開催することが困難なため、2021年9月24日～9月26日に延期となった。

昨年好発進の川村昌弘にチャンスあり？

ライダーカップが来年に延期となった一方で、上半期に開催予定だった試合が下半期に順延されたケースも多く見られる。

今週のアンダルシア・バルデラママスターズもその一つだが、2週後のポルトガルオープンと同週には、6月18日～6月21日に開催予定だったメジャー大会の全米オープン（9月17日～9月20日、米国ニューヨーク州／ウイングドフットゴルフクラブ）行われることになった。さらに11月のケニアオープンと同週には、4月9日～4月12日に開催予定だったメジャー大会のマスターズ（11月12日～11月15日、米国ジョージア州／オーガスタナショナルゴルフクラブ）も行われる。

例年であればPGAツアーの最終戦が終わると、欧州出身選手はヨーロピアンツアーに主戦場を移し、年間王者を決めるポイントレース「レース・トゥ・ドバイ」に向けて本腰を入れるが、今年はメジャー大会の出場権を持っているかどうかによって、選手のスケジュールがまったく違ったものになるだろう。

そうなると、ヨーロピアンツアーに専念している選手にとっては後半戦も多くのチャンスが訪れるかもしれない。その一人が昨年のポイントランキング56位でツアーに参戦している川村昌弘だ。

川村は昨年、この大会で初日4アンダー67をマークし、7位タイ発進を果たした。2日目以降はスコアを伸ばすことができず、4日間通算5オーバー39位タイという成績だったが、印象は決して悪くないはずだ。

7月のツアー再開後は4試合連続で予選落ちが続いたが、直近2試合は決勝ラウンドに進出。ウェールズオープンは37位タイ、英国チャンピオンシップは47位タイでフィニッシュしている。上位争いに加われそうな雰囲気は漂っている。スタート時間は初日の9月3日（木）が現地時間8時15分（日本時間15時15分）、2日目の9月4日（金）が現地時間12時10分（日本時間19時10分）となっている。

文・保井友秀

1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。現在はゴルフ雑誌やウェブサイトなどで連載記事を執筆している。

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