JLPGAツアー第32戦の「富士通レディース」は16日（日）に千葉県千葉市の東急セブンハンドレッドクラブ（6689yd/パー72）で最終ラウンドを行なった。昨年覇者の古江彩佳が、最終ホールでバーディを奪い、1打差で逃げ切り。劇的な大会連覇を遂げた。
最難関ホールの最終18番。古江の2打目は、本人の想定よりも左に出た。打ち上げホールで残り174yd、ピンは左奥。過去2勝の大会で所属する富士通の主催大会、コースは熟知していた。”ここはパーセーブが最優先”――。そんなセオリーを無視するほど、クールな22歳のアドレナリンは全開だった。
6番ユーティリティで放たれた打球は、グリーンに着弾し、ピンに向かって転がる。約5mのバーディパットを残す。「もうちょっと安全に右側を狙っていたんですが、気持ち的には（攻めて）ピンに筋っていた。結果的にはすごく良いショットでしたね」。最終18番は、最終組を残してこの日バーディ1個の名物ホールだ。安全策が無難なのはわかっていたが、意識とは裏腹に身体は攻めのショットを選択。「気持ちが前に出ていたのかな」と笑顔で首を傾げた。
ルーキーながら2連勝を挙げた岩井千怜の双子の姉で、通算15アンダーの首位で並んだ岩井明愛が戦況を見つめる中、古江は自信満々に上りのラインを打ち切った。カップインを確信したタイミングで拳を握る。乾いたカップの音が鳴ると、拳を2度、3度と縦に振った。
3年前はアマチュアとして史上7人目になるツアー制覇を成し遂げ、最終ラウンドが雨で中止になった昨年は勝みなみと異例の3ホールのストロークによるプレーオフを制した。今季からは米ツアーメンバーとして海を渡り活躍。ルーキーシーズンで挙げた初優勝後、初めてとなる”国内凱旋”でタイトルを手にした。
先週まで米国カリフォルニア州で開催された大会に出場しており、帰国後にすぐに参戦した大会だった。「自分でもびっくりしていて、嬉しい気持ちでいっぱい。日本で試合するのは少なくなるもしれませんが、テレビで応援してくれているファンの皆様、応援お願いします」と笑顔で呼びかけた。
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