新型コロナウイルスに感染していた日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が2日に退院。JFAが伝える声明の中で、同会長は医療従事者の方々の献身と奮闘を称えている。
田嶋会長は2月末から海外出張し、帰国後の3月17日に新型コロナウイルスに感染していることが判明。その後、都内の病院に入院していたが、この度退院することとなった。
退院に際する声明の中で、田嶋会長は「多くの方がお亡くなりになり、また、現在も闘病中の方が多くいらっしゃる中で、本日退院することができ、医師、看護師、病院関係者の皆様、ご心配、応援いただいた皆様に心より御礼申し上げます」と治療にあたった医療従事者の方々への感謝を示す。
さらに、入院中の対応に感銘を受けたことを伝え、関係各所への批判が聞こえる現状に警笛を鳴らした。
「入院中、医師や看護師をはじめとする全ての医療関係者の献身的で科学的根拠に基づいたプロフェッショナルな仕事に感銘を受けました。頭の下がる思いです。ところが、その一方で、医療従事者やその関係者に対する偏見が起こっていることも耳にします。防護服や医療機器の供給についても多くの人々が懸命に取り組んでいると聞いています」
「新型コロナウイルス感染症の治療と拡大防止に全力を注いでいる多くの関係者の皆様を疲弊させたり、偏見や差別につながる言動、医療崩壊につながる行為をなくさなければいけないと思います。また、私も経験しましたが、組織を守ること、批判を気にするあまり、情報発信の際、患者、そしてその関係者のことを忘れてしまうことが起こりがちです。それが偏見や差別に繋がるということも忘れてはなりません。サッカー界も人々に優しい組織でありたいと、あらためて強く感じています」
また、田嶋会長は困難な状況に立ち向かう日本政府にも寄り添っている。
「いろいろな意見や批判がある中で、これまで医療崩壊を防ぎながらさまざまな対策を実行してきた多くの関係者、政府の皆様、医療関係者の皆様にあらためて感謝を申し上げます。海外の政府の事例を見ても分かる通り、このような前例のない状況下では、揺るぎない信念を持ち、その時々で前例にとらわれない決断や多くの困難が伴う決定をしていかなければなりません」
また、海外出張をした際、「3月上旬に訪れたイギリスやオランダ、アメリカは、現在とは全く異なる感染防止対策」を行っていたと説明。続けて「オーストラリア/ニュージーランドやコロンビア、ブラジルなども(2023年女子ワールドカップの)招致活動を行っていましたが、わずか1カ月で全く違う街になっています」とコメントし、「多くの方々の協力で感染拡大を抑止し、医療崩壊を防いでいる日本という国の底力をあらためて感じています」と、自国の対応を誇っている。
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