試合の概要
新型コロナウイルス感染拡大により延期となった昨季のコパ・デル・レイ決勝戦、アスレティック・ビルバオ対レアル・ソシエダが1年遅れで開催される。両クラブともバスク地方に本拠置き、歴史的に大きな意味を持つダービーマッチだ。
アスレティック・ビルバオ（9位 勝点35 ｜ 9勝8分11敗 ｜ 38得点32失点）
2020-21シーズンのコパ・デル・レイでも決勝に進んだため、1カ月で2度のファイナルを戦うという異例事態となったビルバオ。直近3試合は勝利から見放されているが（2分け1敗）、“純血主義”を貫く彼らにとってこの1カ月は歴史上最も重要な1カ月になるかもしれない。偉業達成に向け、モチベーションはあふれ出ているだろう。
スペイン代表招集組はやや疲労感が心配されるが、幸い主力に目立ったケガ人もなく、ベストメンバーで臨むことが予想される。今季はややポゼッションに比重を置くビルバオだが、局面での激しさやダイナミックな攻撃・守備は健在だ。この歴史的なファイナルが延期となったため、戦う前に引退を決断した英雄、アリツ・アドゥリスへ伝統の運搬船による祝勝パレードを見せるためにも、絶対に負けられないファイナルへ挑むことになる。
注目選手：イニャキ・ウィリアムス
ビルバオの公式戦で初めてゴールを奪った黒人選手であるI・ウィリアムス。これまで数々のビッグクラブ移籍が騒がれたが、2019年には「アドゥリスのようになりたいんだ」と9年間の契約延長にサイン。愛するビルバオでタイトルを夢見てきた彼だが、そのチャンスは目の前まで来ている。今回の決勝に向けても「ライオン（ビルバオの愛称）は死んだからといって見逃してはいけない。希望を与えられれば何度だって立ち上がる」と並々ならぬ思いを語っていた。今季は公式戦7ゴールとやや物足りない結果だが、歴史的な一戦でゴールを奪えるだろうか。
予想スタメン（4-4-2）
GK：シモン
DF：デ・マルコス、ヌニェス、I・マルティネス、ユーリ
MF：ベレンゲル、ベスガ、ロペス、ムニアイン
FW：R・ガルシア、I・ウィリアムス
レアル・ソシエダ（5位 勝点45 ｜ 12勝9分7敗 ｜ 44得点28失点）
コロナ禍によって1年遅れでの決勝戦に臨むレアル・ソシエダ。しかし、ラ・リーガ前節ではバルセロナに本拠地で1-6とまさかの大敗。ヨーロッパリーグも敗退し、直近公式戦7試合は2勝2分け3敗と調子を落としている。リーグ戦トップ4フィニッシュは数字上厳しくはなっているが、終盤戦へ向けたラストスパートを切るためにも今回の決勝戦は非常に重要な試合となる。
イマノル・アルグアシル監督体制3シーズン目で、機能的なプレッシングと丁寧で緻密なビルドアップは成熟し、完成度はスペインでも屈指のソシエダ。しかし直近数試合ではチャンスの割にゴールが遠く、アレクサンデル・イサクやミケル・オヤルサバルも沈黙が続いている。今回の一戦ではボールを握る展開が予想されるが、カップ戦決勝では先制点が試合を決するケースが多々あるため、ビルバオの激しい守備を早々に打開できるかが重要となる。その点に関しては、復帰が予想されるスペインのレジェンド、ダビド・シルバのプレーもカギを握りそうだ。
注目選手：ミケル・オヤルサバル
ソシエダの下部組織出身であり、2015年のトップチームデビューから公式戦220試合以上に出場してきたオヤルサバル。23歳にして現ソシエダの象徴となっているが、現在公式戦8試合ゴールから遠ざかっている。とはいえ、今回のファイナルにかける思いは人一倍強いはずだ。D・シルバらとの連携により、狭いファイナルサードをこじ開けることができるのだろうか。
予想スタメン（4-3-3）
GK：レミロ
DF：ゴロサベル、スベルディア、ル・ノルマン、ムニョス
MF：D・シルバ、スビメンディ、メリノ
FW：ポルトゥ、イサク、オヤルサバル
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2021年4月4日（日）日本時間4:30
- 解説：小澤一郎 実況：倉敷保雄
- 会場：エスタディオ・オリンピコ・セビージャ
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