【スペイン代表】多様性のある戦術に若手の台頭…強化は順調だ ｜ キーマン・選手一覧・試合日程 ｜ カタール・ワールドカップ欧州予選

チーム情報

EURO2020予選終了後にルイス・エンリケ監督が電撃復帰を果たしたスペイン代表は、順調な強化を進めている。昨年11月のUEFAネーションズリーグ最終節ではドイツ相手に6－0の大勝を収め、1位通過でのファイナルズ進出を決めた。

2008年から2012年までEURO連覇とW杯を制覇した黄金世代の高齢化、現役引退によってボール保持のコンセプトは残しながら、ルイス・エンリケ監督は特に攻撃面での高速化を新たなコンセプトに掲げながらチーム作りと選手選考を行っている。

4－3－3システムを土台にしながらも、ウイングはアダマ・トラオレ（ウォルヴァーハンプトン）に象徴されるようにスピードが特長の選手を多く選出し、センターフォワードにもフェラン・トーレス（マンチェスター・シティ）のようなウイングを抜擢した。

近年の懸案となっているポジションはGKとFWだ。ダビド・デ・ヘア（マンチェスター・ユナイテッド）とケパ（チェルシー）が所属クラブでの出場機会を減らし、パフォーマンスレベルが低下していることから、今回はケパを呼ばずにロベルト・サンチェス（ブライトン）を初招集。

Fダビド・ビジャやフェルナンド・トーレスの引退以降、点取り屋不在の状況が長く続いていたFWは今季、ジェラール・モレーノ（ビジャレアル）とアルバロ・モラタ（ユベントス）がコンスタントに活躍。今回のW杯予選ではウイングではなく彼らが最前線に配置されることになりそう。

また、スカウティングに定評のあるルイス・エンリケ監督らしく、継続的にU－21代表の主力をA代表に引き上げている。今回の初招集はペドロ・ポロ（スポルティング）、ペドリ（バルセロナ）、ブライアン・ヒル（エイバル）の3名で、なかでも今季のバルサで完全にレギュラーを掴んだペドリには大きな期待がかかる。

ボールポゼッションのゲームモデルに加えて、縦への推進力、戦術的な多様性、そして若手の台頭が目立つスペインにW杯予選での死角は見当たらない。

大黒柱：セルヒオ・ラモス

黄金世代の生き残りは今やセルヒオ・ブスケツ（バルセロナ）と彼の二人のみだが、いまだラ・ロハの絶対的な存在だ。

レアル・マドリードとの契約延長問題、年明けから抱える膝の故障など不安材料はあるが、先日「2026年のW杯までプレーしたい」と語った通り、今月35歳となるベテランとは思えないハイパフォーマンスを披露している。

期待の若手：ペドリ

バルサのみならずスペイン代表でも今後10年以上主力となる逸材。18歳という年齢を感じさせない落ち着きと閃きをピッチ上で見せることからイニエスタと比較されることが多く、イニエスタ本人からも「後継者」に指名されている。

2021年3月W杯予選の招集メンバー

スペインの試合日程

スペイン vs ギリシャの見どころ

1982年から12大会連続での本大会出場を目指し、前回大会16位のスペイン代表の欧州予選がスタートする。今回のメンバーには、レアル・マドリードからセルヒオ・ラモスのみ、バルセロナからはペドリ、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケツの3名のみが招集。国内外複数のクラブからスター選手たちを集結させた“無敵艦隊”は、伝統的に屈強なDFを誇るギリシャの壁を乗り越えるためにベストな戦いを披露するはずだ。