チーム情報
フットボールの母国として知られるイングランドだが、ワールドカップ(W杯)優勝は地元開催した1966年だけであり、しかもテクノロジー全盛の現在なら、ジェフ・ハーストが決めたゴールは取り消されていた。
その後、90年イタリア大会、2018年ロシア大会で4位に入ったものの、国民が満足するような成績は皆無である。また、ヨーロッパ選手権も68年大会の3位が最高だ。フットボール大国ではない。
しかし、ロシア・ワールドカップの4位は大きな自信につながったようだ。世界のレベルを痛感した若手、中堅の成長により、イングランドのパフォーマンスは劇的に向上した。しかも多くのポジションで、綺羅星のごときタレントが定位置争いを繰り広げている。
例えば左サイドバックは、ルーク・ショー(マンチェスター・ユナイテッド)とベン・チルウェル(チェルシー)の闘いだ。ともにボールコントロール、ポジショニングにすぐれ、近代サイドバックに求められるビルドアップ能力も申し分ない。
さらに中盤はメイソン・マウント(チェルシー)、フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、ジェイムズ・マディソン(レスター)、ジャック・グリーリッシュ(アストンヴィラ)、ジェイムズ・ウォード=プラウズ(サウサンプトン)など、異なるタイプのクリエイターが揃っている。
これほどの人材が揃うのは史上初であり、なかでも22歳のマウントと20歳のフォーデンは、柔軟、かつ大胆なアレンジが高く評価されるスーパースター候補生だ。
「イングランドはロングボールとセットプレーだけ」との論調は、情報がアップデートされていないのだろう。ロングボールからのカウンターとセットプレーも貴重な武器だが、マウントとフォーデンを軽視していると時代に取り残される。
冒頭で述べたように、ビッグトーナメントの成績で説得力に欠けるイングランドだが、若手の成長と主将ハリー・ケインの充実で上昇傾向にあることだけは確かだ。母国から大国へ、いま、グレードアップのときを迎えつつある。
大黒柱:ハリー・ケイン
タレント豊富なチームの大黒柱がハリー・ケイン(トッテナム)だ。これといった欠点のないストライカーであり、キャプテンも任されている。
流れの中でもセットプレーでも左右の両足とヘディングでゴールを量産し、スペースメイクや第一守備者としての仕事も疎かにしない。ギャレス・サウスゲイト監督も、「ストライカーとして、キャプテンとして申し分ない男」と全幅の信頼を寄せている。
2021年3月W杯予選の招集メンバー
Pos | 名前 | 生年月日 | 所属クラブ |
---|---|---|---|
GK | ディーン・ヘンダーソン | 1997/3/12 | マンチェスター・U |
サム・ジョンストン | 1993/3/25 | ウェストブロム | |
ニック・ポープ | 1992/4/19 | バーンリー | |
DF | ベン・チルウェル | 1996/12/21 | チェルシー |
コナー・コーディー | 1993/2/25 | ウォルヴァーハンプトン | |
エリック・ダイアー | 1994/1/15 | トッテナム | |
リース・ジェイムズ | 1999/12/8 | チェルシー | |
ハリー・マグァイア | 1993/3/5 | マンチェスター・U | |
タイロン・ミングス | 1993/3/13 | アストンヴィラ | |
ルーク・ショー | 1995/7/12 | マンチェスター・U | |
ジョン・ストーンズ | 1994/5/28 | マンチェスター・C | |
キーラン・トリッピアー | 1990/9/19 | アトレティコ | |
カイル・ウォーカー | 1990/5/28 | マンチェスター・C | |
MF | ジュード・ベリンガム | 2003/6/29 | ドルトムント |
フィル・フォーデン | 2000/5/28 | マンチェスター・C | |
ジェシー・リンガード | 1992/12/15 | ウェストハム | |
メイソン・マウント | 1999/1/10 | チェルシー | |
カルヴィン・フィリップス | 1995/12/2 | リーズ | |
デクラン・ライス | 1999/1/14 | ウェストハム | |
ジェイムズ・ウォード=プラウズ | 1994/11/1 | サウサンプトン | |
FW | ドミニック・カルヴァート=ルーウィン | 1997/3/16 | エヴァートン |
ハリー・ケイン | 1993/7/28 | トッテナム | |
マーカス・ラッシュフォード | 1997/10/31 | マンチェスター・U | |
ブカヨ・サカ | 2001/9/5 | アーセナル | |
ラヒーム・スターリング | 1994/12/8 | マンチェスター・C | |
オリー・ワトキンズ | 1995/12/30 | アストンヴィラ | |
監督 | ギャレス・サウスゲイト | 1970/9/3 | 国籍:イングランド |
イングランドの試合日程
イングランドvsサンマリノの見どころ
2018年ロシアW杯を4位で終えたFIFAランキング4位のイングランドと、FIFAランキング210位(最下位)のサンマリノによる対戦は、今回の代表ウィークで最も差のあるチーム同士の試合だろう。しかし、求めるものはあくまでW杯本大会の切符。出場権をストレートで獲得できるグループ首位をポーランドと争うと目されているが、最終的に得失点差が影響する可能性も低くない。ラヒーム・スターリングやマーカス・ラッシュフォードら盤石の戦力を揃えるホームチームは、大量得点したうえでの勝利が求められる。
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