試合の概要
いよいよ2020-21シーズンも大詰め。コッパ・イタリア決勝戦では、アタランタとユヴェントスが激突する。
アタランタ（2位 勝点78 ｜ 23勝9分5敗 ｜ 90得点45失点）
無事に3季連続でチャンピオンズリーグ出場権を決めたアタランタ。今シーズンの大きな目標を達成した後、1962-63シーズン以来となる2度目の優勝を目指してコッパ・イタリア決勝の舞台に立つ。数年前まではイタリア北部の静かな町ベルガモに本拠を置く“プロビンチャーレ”（中小地方クラブ）の1つだったが、直近数シーズンでジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の下大きな躍進を遂げ、もはやビッグクラブと肩を並べるだけの成績と内容を見せてきた。それだけに、ここで1つタイトルを手にしておきたいところだろう。
15日のジェノア戦（4-3）ではラファエル・トロイやハンス・ハテブールといった主力組が復帰を果たし、目立った負傷者も存在しない。ガスペリーニ監督は、自身の望む11人を送り込むことができそうだ。
“ゾーン型マンツーマン”とも形容される激しく特殊な守備戦術に、次々と選手がボールホルダーを追い越す迫力ある攻撃でイタリアを席巻してきたアタランタ。冬には長年の功労者であり主将だったアレハンドロ・ゴメスが退団したが、以降は「良い意味」で選手に依存しないソリッドで組織だったチームへと進化してきた。決勝戦という大舞台でも委縮することはなく、イタリアダントツの得点数を誇る自慢の攻撃陣の躍動に期待したい。今季は1勝1分けと勝ち越しているユヴェントス相手に、悲願のタイトルを掲げることはできるだろうか。
注目選手：ドゥバン・サパタ
圧倒的なフィジカルと得点力を武器とし、直近3シーズン連続で二桁得点以上を記録してきたサパタ。今シーズンも15ゴールを決めてきたが、それだけでなくサイドに流れてのチャンスメイクなどアシスト能力も向上。自身最多の10アシストを残している。対ユヴェントス戦は14試合で7ゴールと相性も抜群だ。驚異的なフィジカルで相手DFラインにプレッシャーを与えつつ、決勝の舞台でもエースの力を見せたい。
予想スタメン（3-4-1-2）
GK：ゴッリーニ
DF：トロイ、ロメロ、ジムシティ
MF：ハテブール、デ・ローン、ペッシーナ、フロイラー、ゴセンス
FW：ムリエル、サパタ
ユヴェントス（5位 勝点75 ｜ 22勝9分6敗 ｜ 73得点37失点）
シーズン前に急遽就任したアンドレア・ピルロ監督の下で良い時期もあったが、不安定なままシーズン終盤まで来てしまったユヴェントス。セリエA10連覇を逃しただけでなく、現時点では来季のチャンピオンズリーグ出場権も手にできない状況だ。イタリアの覇権を握ってきた名門クラブにとって、それだけは避けなければならない。そして毎シーズンタイトル獲得が義務付けられる彼らにとって、今回のコッパ・イタリアの優勝は“ノルマ”と言っていいだろう。負けは許されない。
幸いなことにトップチームでの離脱者はなし。イタリア屈指の選手層の中から、ピルロ監督は臨んだメンバーを起用することができるだろう。またゴールマウスには、今シーズン限りでユヴェントスを離れることを発表したレジェンド、ジャンルイジ・ブッフォンの起用が予想される。
直前に行われたセリエA第37節では、今季の王者インテル相手に3-2と競り勝ったユヴェントス。疑惑の判定が大きな話題になったが、退場者を出しながらも、試合終了間際の決勝弾で勝利するところには「王者の風格」を感じさせた。前々節サッスオーロ戦（3-1）と合わせて連勝で大一番を迎えられるのは朗報だ。ここで“ノルマ”をクリアし、23日に控えるセリエA最終節を迎えたい。アタランタ戦ではどのエリアでも躊躇する時間は許されないため、テンポの速い攻撃で各エリアでの一対一に勝利できるかがカギとなる。
注目選手：クリスティアーノ・ロナウド
強烈な批判にさらされる時期もあったとはいえ、今季もセリエA33試合で29ゴールを奪って得点ランクトップに。36歳となった今でも、その能力と意欲は全く衰えることはない。追い込まれたピルロ・ユヴェントスを救えるのは、やはり彼しかいないだろう。何度も大一番で輝きを放ってタイトルを掲げてきた男は、決勝戦でのどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。
予想スタメン（4-4-2）
GK：ブッフォン
DF：クアドラード、デ・リフト、キエッリーニ、ダニーロ
MF：クルゼフスキ、ベンタンクール、ラビオ、キエーザ
FW：モラタ、C・ロナウド
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2021年5月20日（木）日本時間4:00
- 解説：細江克弥 実況：北川義隆
- 会場：チッタ・デル・トリコローレ
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