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【コラム】規律問題を抱えるアーセナルと厳格に管理されたトッテナムの“縄張り争い”| ノースロンドン・ダービー | プレミアリーグ

【コラム】規律問題を抱えるアーセナルと厳格に管理されたトッテナムの“縄張り争い”| ノースロンドン・ダービー | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】プレミアリーグ第22節のトッテナム対アーセナル(日本時間17日1:30~)。注目のノースロンドン・ダービーに臨む両チームの最新事情に迫る。

数分間のカオスで王者撃破ならず

予定通り開催されるなら、公式戦通算205回目のノースロンドンダービーは両クラブの未来を占う“トップ4争い”の直接対決になる。前節を終えた時点で6位につけるスパーズ(トッテナム)が、5位アーセナルを本拠地に迎える注目の大一番だ。

マンチェスター・シティ、チェルシー、リヴァプールに水をあけられた両チームが目指すのは、チャンピオンズリーグ(CL)出場圏内。スパーズは3シーズンぶり、アーセナルに至っては6シーズンぶりのトップ4返り咲きが目標のため、ここ数年で最も注目を集めるノースロンドンの「ご近所トラブル」と呼べるだろう。

無論、この試合にかかっているのはCL出場権だけではない。意地やプライド、さらにはクラブの未来までかかっているのだ。

両チームとも一度はトップ4の座を諦めた。開幕3連敗を喫したアーセナルも、一時は9位まで順位を下げて監督交代に踏み切ったトッテナムも苦しいシーズンが予想されたのだ。しかし、どちらも見事にV字回復し、4位の座を狙える位置で今回のダービーを迎える。

それでも上位3チームとの差は歴然だ。先日のリーグカップ準決勝でチェルシーに2戦合計0-3で敗れたスパーズのアントニオ・コンテ監督は「チェルシーとは比較できない。比較するのはフェアじゃない」と欧州王者との実力差を認めた。

一朝一夕では埋まらない選手層やチーム成熟度の差が見えたが、それはアーセナルについても言えること。彼らは元日に行われたシティ戦で、王者をぎりぎりまで追い込みながらも最終的には「規律問題」という悪癖を露呈して敗れた。

これでアーセナルはプレミアでのシティ戦10連敗を喫したわけだが、途中までは完全なる“勝ちゲーム”だった。中2日でコンディションの上がらない相手に対し、中5日のアーセナルはブカヨ・サカの3戦連続ゴールで先制してゲームを支配したが、数分間のカオスで勝利を逃すことになった。

試合後半、MFグラニト・ジャカがPKを献上して同点に追い付かれると、その2分後にはDFガブリエウが退場となって自滅したのである。

「審判の判定に泣かされた……」

そう激怒するファンも多かったことだろう。ジャカがPKを与えたシーンは、たしかにユニフォームを引っ張っていたが、事が起きる前に相手選手が倒れようとしていたのも事実。主審も一度はプレーを流した。

だが、VARから提供された「最もPKに見える角度の映像」のみの確認で判定を覆したのだ。前半に敵陣ボックス内でMFマルティン・ウーデゴールが倒されたときはVARの介入がなかっただけに、審判のジャッジに不満を覚えたはずだ。

さらにその数分後、シティがあわやオウンゴールの危機を防いだクリアボールに反応したFWガブリエウ・マルティネッリが千載一遇のチャンスを逃してしまった。一見すると、無人のゴールへのシュートを外す凡ミスだが、リプレーを見るとスチュアート・アットウェル主審がわずかだがマルティネッリの進路を妨害していた。

その直後、DFガブリエウが相手を倒して2枚目のイエローで退場になったわけで、怒りの矛先を審判に向けたくなる気持ちは十分に理解できる。

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スパーズにとって未来を占う一戦

だが、何度目のことだろうか? アーセナルは、これがプレミア史上初となる通算100枚目のレッドカードだ。降格未経験ゆえに多くなるのは当然だが、同じく降格のないリヴァプール(60枚)と比べても1.67倍だ。ミケル・アルテタ政権発足以降は11枚もらっており、同期間でリーグ最多になっている。さらにPK献上数も、2006-07シーズンから数えてリーグ最多の86回。チェルシー(47回)の1.8倍という数字だ。

恐れていたことはミッドウィークに行われたリーグカップ準決勝のリヴァプール戦でも起きた。ジャカが前半のうちに一発退場となり、今回のノースロンドン・ダービーにサスペンションで出場できなくなったのだ。

そう考えると、アーセン・ヴェンゲル時代から続く「規律問題」は深刻で、リーダーシップの欠如やプレースタイル、補強方針など様々な要因が考えられるなかで「審判のせい」にしてきたことも一因と考えられる。プレミアリーグ史において、ノースロンドン・ダービー(14枚)はマージーサイドダービー(22枚)の次にレッドカードが多いだけにアーセナルの不安要素が気になる。

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一方、そういった規律問題を許さないのがトッテナムを蘇らせたコンテ監督である。

セスク・ファブレガス曰く、そのイタリア人指揮官には「自由が存在しない」そうだ。アーセナルやバルセロナで活躍した後、コンテ率いるチェルシーでプレーした元スペイン代表MFは「ペップ(グアルディオラ)も緻密なポジショナルプレーを要求したが、その中には自由があった。でもコンテには自由が存在しない。どこにパスを出すかまで指示された」と米『CBSスポーツ』のインタビューで振り返っている。

窮屈そうにも聞こえるが、わずかな誤作動も許さないコンテの厳格さこそ今のスパーズの強みだ。昨年11月の監督交代以降、スパーズはリーグ戦無敗を誇る。就任8試合負けなし(5勝3分)は同クラブの監督としては初の快挙。そんな有能な指揮官を手放さないため、そしてあわよくば、退団が囁かれるエースのFWハリー・ケインまでクラブに留まらせるために結果が必要なのだ。

だから今回のノースロンドン・ダービーは、スパーズにとって未来を占う一戦とも呼べるのだ。

そんな互いに一歩も譲れない大一番だが、アーセナルはMFのトーマス、モハメド・エルネニー、FWのニコラ・ペペ、ピエール=エメリク・オーバメヤンがアフリカ・ネイションズカップで不在のほか、いずれもMFのマルティン・ウーデゴール(コロナ陽性)、エミール・スミス・ロウ(怪我)、ジャカ(出場停止)といった戦力を欠いており、プレミアリーグに試合の延期を要請している。

現地15日に決定が下される予定だが、無事に開催となれば、近年で最も注目すべきノースロンドンの“縄張り争い”となる!!

文・田島 大

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まった『フットメディア』所属。英国在住歴を持つプレミアリーグのエキスパート。

試合情報

プレミアリーグ第22節
トッテナム対アーセナル

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:1月17日(月)1:30
  • 解説:水沼貴史 実況:下田恒幸
  • 会場:トッテナム・ホットスパー・スタジアム
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