18日からDAZN(ダゾーン)上で、プレミアリーグとUEFAチャンピオンズリーグのレジェンドマッチ(ロングハイライト)が、日替わりで配信される。初日に配信されたのはプレミアリーグ初年度(1992-93シーズン)の名勝負、1993年5月8日にアンフィールドで開催されたリヴァプール対トッテナムだ。
リヴァプール対トッテナム 1992-93シーズン最終節
既にマンチェスター・ユナイテッドの優勝が決定しており、さらに両チームとも中位でのフィニッシュが決定的という状況で迎えたこの試合。
試合前からグレアム・スーネス監督が姿を見せず、指揮官の解任が噂されたリヴァプールは、FWイアン・ラッシュやMFジョン・バーンズ、若かりしMFジェイミー・レドナップ(ハリー・レドナップの息子でフランク・ランパードの従兄弟)らが先発。控えにはまだデビュー前のFWロビー・ファウラーがベンチに座った。
一方のトッテナムは、後のフランス・ワールドカップにも出場するMFダレン・アンダートン(写真)や、ノッティンガム・フォレストから移籍してきたFWテディ・シェリンガムらが先発メンバーに名を連ねている。なお、シェリンガムはこの試合前までに21得点をあげ、得点ランキング首位に立っていた。
両チームのスターティングメンバー
リヴァプール:グロベラー、ライト、ハークネス、ニコル、バロウズ、ジョーンズ、ウォルターズ、レドナップ、バーンズ、ハッチソン、ラッシュ
トッテナム:ウォーカー、ラドック、マバット、セッジリー、マクドナルド、ワトソン、ヒル、アンダートン、ファン・デル・ハウヴェ、アレン、シェリンガム
1992-93シーズンのプレミアリーグ
プレミアリーグ初年度となった1992-93シーズンは、イングランドサッカーにとって激動の一年。前シーズンにイングランド・フットボールリーグの1部に所属していたクラブ全てが、1992年の5月に脱退して新たに有限会社を設立し、「FAプレミアリーグ」が新たに設立するという、今では考えられないような状況だった。
その背景には当時の放映権獲得競争が激化したことにより、クラブ間で放映権料の配分に不満が生じたこと。かつてはBBCが独占していたリーグ戦だが、1988年から新たにITVがリーグの放送に参戦したことで放映権料が高騰。だが、その一方で主要クラブの間では、少ない分配金に関する不満が高まり続けた。そのため最終的には、翌年の放映権更新に伴う入札を控えた1990年に、22クラブによるプレミアリーグ構想がイングランドサッカー協会によってお披露目された。
当時スカイとBBCが共同で提示した放映権料は5年間で、3億4百万ポンド。イギリスのスポーツ放映権料最高額での契約がまとまり、クラブには最低100万ポンドの放映権料が分配された。さらに優勝クラブにはその倍額の収入が入ることに。
この資金を元手に、当時のプレミアリーグでは移籍市場が活発化。ブラックバーンは当時の移籍金最高額となる340万ポンド前後で、まだ21歳だったFWアラン・シアラーをサウサンプトンから獲得。シアラーはその期待に応え、クリスマスまでに21試合で16得点を決めるなど、驚異的な得点力を見せつけたが、その年末に前十字靭帯を故障しシーズンを終えた。
また、その他にもノッティンガム・フォレストからトッテナムへ、同年の得点王となるテディ・シェリンガムが加入。またディーン・ソーンダースがリヴァプールからアストン・ヴィラに移籍している。
このシーズンの王者は、26年ぶりのタイトル獲得となったマンチェスター・ユナイテッド。サー・アレックス・ファーガソン監督のもと、当時まだ19歳だったライアン・ギグスが躍動し、同年にPFA年間最優秀若手選手賞に輝いている。さらにこのシーズン、まるで世代交代の時が来たかのように、70年代後半に栄華を極めたノッティンガム・フォレストが降格。シェリンガムやデス・ウォーカーら主力の放出が響いた。前年度王者のリーズも良いところがなく、アウェーで一勝もすることができず降格の憂き目にあっている。
DAZN特集「CLASSIC MATCHES(クラシックマッチズ)」プレミアリーグ名勝負
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- 2部の弱小チームから、イングランドの頂点へ。ブラックバーンの儚くも眩い夢
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