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【マンチェスター・ダービー展望】強すぎるシティ…それでもユナイテッドは何が何でも勝たなければならない | プレミアリーグ

【マンチェスター・ダービー展望】強すぎるシティ…それでもユナイテッドは何が何でも勝たなければならない | プレミアリーグ(C)Getty Images
【コラム】DAZN解説者の粕谷秀樹氏によるマンチェスター・ダービー展望だ。3月8日1:30キックオフのプレミアリーグ第27節で、ユナイテッドはなにがなんでも勝たなければならない。首位シティが強すぎるとはいえ、2020-21シーズンはまだ終わっていないのだ。

マンチェスター・ダービーを前に、14ポイントもの開きがある。残り11試合で逆転できるとは考えにくい。

トップ6との直接対決を紐解くと、5分2敗。一度も勝っていない。5つの引分けはすべてゴールレスで、1-6の惨敗を喫したトッテナム戦を除くと、ライバルを相手にした場合は1点も取っていない。

さらに、3月3日のクリスタルパレス戦も0-0の引き分けに終わり、直近5試合は1勝4分。降格圏で苦しむウェストブロムに勝てず、2点を先行したエヴァートン戦も、後半の追加タイムに追いつかれた。

マンチェスター・ユナイテッドが勢いを失った。ポール・ポグバの負傷、ブルーノ・フェルナンデスの疲労、アントニー・マルシャルの不振など、原因はいくつかある。

しかし、こうした事態に備え、いくつかの代替プランを用意しておくのが、監督の務めだ。一昨年12月の就任以降、オーレ・グンナー・スールシャール監督が依存と信頼を履き違えてきた悪い流れが、現在の停滞を招いたといって差し支えない。

前述した直近5試合も、ポグバはエヴァートン戦の39分で退き、B・フェルナンデスのパフォーマンスは安定せず、マルシャルはノーゴールに終わっている。

さて、クリスタルパレス戦から中3日で迎える7日(日本時間8日1時30分キックオフ)のマンチェスター・シティ戦にも、右大腿部を痛めているポグバは間に合いそうもない。膝に違和感を訴えたマルシャルの出場も微妙で、近ごろのB・フェルナンデスは試合ごとの波が激しい。

本稿執筆時点ではダビド・デ・ヘアも、個人的な理由で欠場すると伝えられている。

勝利のためのゲームプランはただひとつ

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対するシティはウォルヴァーハンプトン戦から中4日。この一戦はセルヒオ・アグエロ、ジョン・ストーンズ、フィル・フォーデンをベンチに温存しながら、4-1の快勝を収めている。

嗚呼、なんてこったい!

それでもユナイテッドは優勝争いの興味を一週間でも先延ばしするために、奇跡の大逆転優勝にほんのわずかな小さすぎる希望をつなぐために、プライドをかなぐり捨て、何が何でも勝たなければならない。

勝利のためのゲームプランはただひとつ、籠城からのカウンターだ。

シティはポゼッションを高めてくる。前から圧力をかける。ボールの出どころを狙って数的優位を作る。ときにはGKエデルソンのロングフィードが、寸分の狂いもなく前線に配球される。手の施しようがない。

目下、公式戦21連勝中。この間のデータは55得点・8失点。クリーンシート13試合。つつつ、強ぇっ!

ユナイテッドは守備に追われる。自陣でプレーする時間が長くなり、ボールを持つケースも限られてくる。だが、カウンター型のチームだ。後方からのビルドアップはギクシャクしており、ダイレクトにゴールを狙う攻撃の方が迫力にあふれている。

よくよく考えてみると、1998-99シーズンにトレブルを獲得した当時も、2006-07シーズンから3連覇したチームも、基本的なゲームプランはカウンターだった。

今回もシティに追い詰められるだろう。ユナイテッドはロープ際に追い込まれたボクサーのように、ひたすらガードを固めるだけの苦戦を覚悟しなければならない。ただ、最も有効な手段がカウンターなのだから、このプランの細部を詰めていくべきだ。

勝負は下駄を履くまで分からない

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自陣のプレーを余儀なくされても全員が下がり過ぎず、マーカス・ラッシュフォード、もしくはダニエル・ジェイムズのようなスピードに長けたアタッカーが、シティの浅い最終ラインの裏を突く。

マイボールになった瞬間、怖がらずに数人がロングスプリントを仕掛ける。要するにカウンターに徹することが、シティから3ポイントを奪う唯一の手段と考えられる。

17-18シーズン33節、前半を0-2で終えながら、後半は “ポグバ無双” で3得点。大逆転勝利に、世界中のユナイテッド・サポーターは溜飲を下げた。

今回、おそらくポグバはベンチにも入れない。直近のパフォーマンスも比べものにならない。スールシャール、ペップ・グアルディオラ両監督の間には大きすぎる力量差があり、チームの完成度も改めていうまでもない。

とはいえ、勝負は下駄を履くまで分からない、との言い伝えもある。

1974年、「勝てるはずがない」といわれたモハメド・アリは伸び盛りのジョージ・フォアマンを倒し、世界ヘビー級王座を奪還した。世にいう「キンシャサの奇跡」である。

98-99シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、後半の追加タイムに2ゴールを奪って逆転優勝を成し遂げたのは、なにを隠そうユナイテッドだった。永遠に語り継がれる「カンプノウの奇跡」だ。

ユナイテッドは奇跡の扉をたたけるだろうか。2020-21シーズンは、まだ終わっていない。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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