日本でも大きな話題となったシーンだ。
アーセナルのDF冨安健洋がタッチライン際でボールを受けてドリブルで持ち運び、相手に囲まれて倒れながらもMFブカヨ・サカにボールをつなぐ。その後にエヴァートンのDFベン・ゴッドフレイと衝突した冨安は、倒れ際に相手の足が顔面に直撃。この一連のプレーにVARチェックが介入したものの、マイク・ディーン主審はオンフィールドレビューを行わず、ノーファウルのまま試合を続行した。
スペシャルゲストの京都サンガF.C.の曺貴裁監督は、「アシスタントレフェリーや第4審判が見ていても明らかに踏みつけていることがわかるので、なぜそれが見られなかったのか逆に理由を教えて欲しい」と疑問を呈し、「僕はVARチェックを入れるまでもない気はしている」と見解を示す。
反対に原博実氏は、冨安を踏んだゴッドフレイの動きに着目し、「味方の方を見ていて冨安に引っかかって足をついたときには(冨安の)顔のところで慌てて足を引っ込めているような仕草にもちょっと見える。僕は故意に踏みつけたようには見えなかった」と対照的な意見を述べる。
元国際審判員の深野悦子氏は、「両方の可能性があると思う」と前置きした上で「お腹や顔に足が入る行為は非常に危険」として一発退場の可能性を示唆。しかしオンフィールドレビューが行われなかったところに視点を向けると、「意図的かどうかはどっち(の可能性)もある。ただ(ゴッドフレイが)ちょっと避ける仕草もあったので最悪のところを回避したと思えば、レッドカードじゃないという意見も支持できる」と述べる。
このシーンで焦点となるのは、意図的かどうかではなく、「接触部位とスピードや強さ」だと深野氏は強調。「意図的かどうかは意見が分かれるので、そこまで汲んでなかなか判断はできない」とこのジャッジの難しさを語る。
ただこの意見に納得できない曺監督は、「結果的に顔に入ったらレッドではないの?」という投げかけをすると、深野氏は、「完全に力が入っていれば膝が伸びていたりするけど、それはなかった」と強調。ビデオ・アシスタント・レフェリーも力の入り具合までを加味した上での決断だと推測する。
それでも曺監督は、「ベンチにいたら納得できないと思います。相手の監督も結果的に(顔に)入ったら故意、故意じゃなくてもレッドカードを出されても仕方ないかなという事象な気はします」と現場目線での意見を述べたが、番組内では、ノーファウルになった「このジャッジ自体はサポートできる」という結論が下された。
Jリーグオフシーズンの特別編として配信されている『ワールドサッカージャッジリプレイ』に今後も注目だ。
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