昨夏に行われたコパ・アメリカを圧倒的強さで制し、新たな黄金期を築きつつあるブラジル代表。そんな“セレソン”の未来を担うハイブリットなアタッカーが、マンチェスター・シティFWガブリエウ・ジェズスだ。
サンパウロで生まれ、8歳からアマチュアクラブでプレーを始めたジェズス。15歳で名門パルメイラスのユースチームに加わると、2年後にはトップチームデビューを飾った。デビューシーズンでブラジルサッカー連盟のゴールデンボーイ賞を受賞するなど大きな注目を集めると、2016年にマンチェスター・Cへ3000万ユーロの移籍金で移籍が決定。それでもチームを優勝に導くため、シーズン終了まで残留することを熱望する。そしてブラジル・セリエAで27試合13ゴールを挙げる活躍を見せ、22年ぶりの優勝に導く大活躍を見せた。
優勝を飾った直後、移籍が決定していたマンチェスター・Cに合流。2016-17シーズンの第22節、トッテナムとのビッグマッチで途中出場を果たし、いきなりネットを揺らす（オフサイドの判定で無効に）など鮮烈なデビューを飾った。ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームに適応するまで時間は全く必要なく、初年度の10試合で7ゴールを奪い、強烈なインパクトを残す。
期待が高まった翌シーズンも、プレミアリーグ29試合で13ゴールとコンスタントに得点を記録し、長年エースに君臨していたセルヒオ・アグエロを脅かす存在に。すでにマンチェスター・Cでは139試合に出場し、63ゴール25アシストをマーク。23歳の若さでプレミアリーグ連覇やリーグ杯3連覇を経験している。
またブラジル代表としては、2016年夏のリオ・オリンピックで金メダルを獲得。フル代表でもチッチ監督の寵愛を受け、すでに39試合で18ゴールとエース級の活躍を披露している。昨夏のコパ・アメリカでも全試合に出場し、優勝に大きく貢献。今や“セレソン”に欠かせぬ重要なアタッカーへと成長した。すでに世界屈指のアタッカーとしての評価を受けているが、まだ23歳と伸びしろは十分。それでいて経験は豊富であり、今後の成長がさらに楽しみな選手だ。
プレースタイル
南米選手らしい技術にスピード、高い決定力も兼ね備えているが、最大の武器は「頭の良さ」。常に自身がチームの中でどのように動けばいいかを熟知しており、ポジショニングで相手守備陣を破壊できる知的な選手だ。徹底的に組織化されたペップ・シティへすんなりと適応できたことが、彼の戦術理解度の高さを示している。
小柄ながら「偽9番」として前線に位置し、動き回りながら極力シンプルなプレーを心掛ける。ストライカーとしての嗅覚も優れ、相手の視覚から消える動きも絶品だ。献身性に溢れるプレースタイルで、守備時にもピッチを奔走。時にはサイドバックの位置にまで戻ってくるなど、世界屈指のチームプレイヤーだ。元日本代表監督ヴァイッド・ハリルホジッチは「世界で一番上手いアタッカー。常に動き回り、ハイレベルなクオリティを持っている」と絶賛している。
動画：プレー＆ゴール集
プロフィール・経歴
ガブリエウ・ジェズス／Gabriel Jesus
1997年4月3日生まれ 175cm 利き足：右
| シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
|---|---|---|
| 2015 | パルメイラス | 20試合・4得点 |
| 2016 | パルメイラス | 27試合・13得点 |
| 2016-17 | マンチェスター・シティ | 10試合・7得点 |
| 2017-18 | マンチェスター・シティ | 29試合・13得点 |
| 2018-19 | マンチェスター・シティ | 29試合・7得点 |
| 2019-20 | マンチェスター・シティ | 34試合・14得点 |
| 2020-21 | マンチェスター・シティ | 14試合・4得点 |
※成績は国内リーグ（2021年2月9日現在）
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