近年のサッカー界における最高のワンダーボーイと言えば、ボルシア・ドルトムントに所属するイングランド代表FWジェイドン・サンチョだろう。
ユース時代はマンチェスター・シティに在籍していたが、同クラブでデビューできていないところを見逃さなかったドルトムントが、800万ポンドを投じて2017年夏に獲得。トップデビュー前の選手に対する異例の高額投資だったが、ドイツのレジェンドであるローター・マテウスが「宝くじに当たった」と称したように、その移籍金はバーゲン価格となった。
加入初年度こそ負傷で苦しんだが、17年のU-17欧州選手権で最優秀選手賞を受賞したサンチョの才能に疑いの余地はなかった。2年目の18-19シーズンに才能が開花。リーグ戦全34試合に出場しただけでなく、12ゴール17アシストという素晴らしい成績を残したのだ。
そして19年は飛躍の年に。早々にサッカーメディア『Goal』が選ぶ世界最高の若手『NxGn』でFWヴィニシウス・ジュニオールを退けて1位の栄冠を手にすると、イングランドのA代表にも定着した。
ライジングスターの勢いはとどまるところをしらず、19-20シーズンはここまでの14ゴール16アシストと、昨季以上のハイペースでゴールを演出。いまや数々のビッグクラブから狙われる存在で、マンチェスター・ユナイテッド移籍が近づいているとも。移籍金1億ユーロ超えは確実で、その市場価値はマンCから獲得した際の10倍以上に跳ね上がっている。
プレースタイル
ドリブル、パス、シュートのすべてがハイレベルなアタッカーで、ウイングを主戦場としつつもセカンドストライカーとしても機能。ゴール前での落ち着きは20歳の若者であることを忘れさせるほどで、高いシュート技術でネットを揺らす。
戦術理解度の高さも特徴だ。狡猾にスペースを突くランニングと巧みなポジショニング、アタッキングサードでの的確な判断力は高く評価される。まさに現代サッカー界最高の若手選手の一人と言えるだろう。
動画:プレー&ゴール集
エピソード
若手とは思えない堂々としたプレーをピッチ上で見せる一方、ピッチ外ではやや素行面に難があるとも言われている。以前から遅刻の常習犯として何度も現地メディアで取りざたされており、実際に指揮官ルシアン・ファーヴル監督の怒りを買って先発外になったことも。
同じロンドンのストリートフットボール出身であるFWラヒーム・スターリングが「以前、彼にちょっとだけアドバイスしたんだ。僕がやってしまったことで、やるべきじゃないことについてね。それは寝坊だよ」と明かしていたが、サンチョの唯一の懸念点は“朝に弱い”ということのようだ…。
奇抜なファッションは個性だが、規律をしっかり守ることはさらなるビッグスターに成長し、活躍し続けていくために必要なことだろう。
プロフィール・経歴
ジェイドン・サンチョ/Jadon Sancho
2000年3月25日生まれ 180cm・76kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2017-18 | ドルトムント | 12試合・1得点 |
2018-19 | ドルトムント | 34試合・12得点 |
2019-20 | ドルトムント | 32試合・17得点 |
2020-21 | ドルトムント | 21試合・6得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月28日現在)
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