失意の2018年ワールドカップ予選敗退から数年、昨年行われたUEFAネーションズリーグでは強豪を次々に撃破し、準優勝を達成したオランダ代表。そんな新生“オランイェ”を最前線で支えているのが、リヨンに所属するFWメンフィス・デパイだ。
母国の強豪PSV下部組織出身で、17歳にしてトップチームデビューを果たしたデパイ。順調に成長を続けると、2013年にオランダ代表デビュー。翌年のワールドカップにも召集され、4試合で2ゴール1アシストを収めて世界的な注目を集めると、続く2014-15シーズンにリーグ戦30試合で22ゴールを挙げ、得点王を獲得する。パリ・サンジェルマンやリヴァプールらも関心を示す中、当時恩師ルイ・ファン・ハールが指揮していたマンチェスター・ユナイテッド移籍を果たす。
指揮官の肝いりで加入し、自ら希望して伝統の「背番号7」を選択。世界屈指の名門のサポーターから大きな期待を背負ったデパイ。しかし、プレミアリーグへの適応や重圧からオランダ時代とは程遠い姿に。初年度で公式戦45試合に起用されるも、7ゴールに終わり、さらに失点につながるミスも頻発。翌シーズンにジョゼ・モウリーニョ監督が就任すると、ベンチ外が定位置となった。失意のまま、2017年冬にフランスのリヨンへと去ることになった。
イギリスで挫折を味わったデパイだったが、新天地で完全復活を見せる。加入後すぐさまフィットすると、ハーフシーズンでリーグ・アン5ゴール8アシストを記録。フランスで水を得た魚のようにプレーし、2017-18シーズンはリーグ戦36試合で19ゴール13アシスト。ウイングだけでなく、センターフォワードやトップ下など様々なポジションで起用され、目覚ましい活躍を見せている。
オランダ代表としては、2018年W杯予選ではベンチに座ることが多く、デパイは不完全燃焼のまま失望を味わうことに。しかしロナウルド・クーマン監督の就任を機に覚醒。UEFAネーションズリーグでは2ゴール2アシストで準優勝に貢献すると、EURO2020予選でも出場6試合で6ゴール7アシストとチームをけん引。本戦出場の立役者となった。苦しい時期も経験した26歳だが、今や強豪“オランイェ”のエースに君臨している。
プレースタイル
デビューからしばらくの間は、左サイドを主戦場に切れ味鋭いドリブルと強靭なフィジカル、カットインからの強烈なシュートが持ち味だった。サイドに張って足元でボールを受け、自己完結したがる傾向からやや利己的だと批判もされていたが、PSVでは124試合で50ゴールと立派な数字を残している。
その後フランスという理想郷で多くを学び、ピッチ中央でも試合に絡む方法を学んだデパイ。今では相手DFラインの背後を突く動きの他、狭い場所でも視野を確保しラストパスの精度も向上。またオランダ時代から長けていたFKの精度も確実に向上し、リヨンでの134試合で53ゴール43アシスト。名門のエースに君臨している。
動画:プレー&ゴール集
エピソード
ピッチ上の活躍とは裏腹に、気性の荒いことでも知られるデパイ。また自由奔放な発言を繰り返し、昨年には「俺にあった街、クラブ、本当にプレーしたいチームへ行きたい」と傲慢ともとれる口調で語り、リヨン会長からたしなめられている。
また音楽業界にも進出しており、2017年にはオランダ代表のチームメイトであるクインシー・プロメスと共にラッパーとしてデビューしている。
プロフィール・経歴
メンフィス・デパイ/Memphis Depay
1994年2月13日生まれ 176cm 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2011-12 | PSV | 8試合・3得点 |
2012-13 | PSV | 20試合・2得点 |
2013-14 | PSV | 32試合・12得点 |
2014-15 | PSV | 20試合・22得点 |
2015-16 | マンチェスター・U | 29試合・2得点 |
2016-17 | マンチェスター・U | 4試合・0得点 |
2016-17 | リヨン | 17試合・5得点 |
2017-18 | リヨン | 36試合・19得点 |
2018-19 | リヨン | 36試合・10得点 |
2019-20 | リヨン | 13試合・9得点 |
2020-21 | リヨン | 25試合・13得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月22日現在)
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