2019-20シーズンのブンデスリーガで残留を争っているブレーメンにおいて、その価値を高めている数少ない選手の1人がコソボ代表のMFミロト・ラシツァだ。
母国コソボのヴュシュトリアでキャリアをスタートさせたラシツァはトライアルを経て、2015年7月にオランダのフィテッセに移籍。加入1年目に8ゴールを挙げると、翌16-17シーズンは12アシストと躍動し、エールディヴィジのトッププレーヤーとなった。
18年1月に加入したブレーメンでも時を経ずして、主力の座へと上り詰める。最初の半年で“慣らし運転”を終え、18-19シーズンに本格ブレイク。左右のウイング、あるいは2トップの一角として機能し、公式戦でチーム最多タイの12ゴールを記録したのだ。
迎えた19-20シーズンは退団したマックス・クルーゼに代わるエースに君臨。ドルトムント、レヴァークーゼン、バイエルンといった格上のゴールを揺らすなど、「勝負を決める存在」(ブレーメンのフロリアン・コーフェルト監督)として存在感を放っている。
同僚のDFテオドール・ゲブレ・セラシエから「ブンデスリーガ最高の選手の1人」と絶賛されるラシツァは当然、移籍市場でも大きな注目を集める存在だ。すでにライプツィヒの幹部は「興味深い選手」と発言しており、リヴァプールなど国外のビッグクラブ行きの可能性もしきりに取り沙汰されている。
『ビルト』によれば、チームが2部に降格した場合、3800万ユーロと目される移籍金が1500万ユーロまで下がるという。また、ブレーメン情報に強い『deichstube』も「クラブは2000万ユーロで満足」と報じている。コロナ禍で資金繰りに苦しむビッグクラブにとって、このドリブラーが“お買い得”な選手の目玉になるかもしれない。
プレースタイル
チリ代表のアレクシス・サンチェスを彷彿とさせる小柄なアタッカー。小回りが利かない守備者をきりきり舞いにさせる高速ドリブルに加え、右足の強烈なシュートで決定的な仕事をやってのける。プレースキックの精度も上々だ。
ブレーメンのコーフェルト監督は『ターゲスシュピーゲル』で「信じがたいスキル、スピード、ゴールセンス、パス能力を持っている。そのスピードはプレミアリーグ向きだし、プレースタイル的にはスペインにもフィットするだろう」と教え子を称している。
動画:スーパーゴール
エピソード
ユース時代はアルバニア代表としてプレー。A代表で2キャップを刻んだものの、16年8月にコソボ代表への変更が正式に承認された。同月のフィンランド戦でデビューし、ここまで25試合出場4得点(2020年5月現在)。20年5月19日に待望の第一子が誕生した。
プロフィール・経歴
ミロト・ラシツァ/Milot Rashica
1996年6月28日生まれ 177cm・73kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2013-14 | ヴュシュトリア | 5試合・2得点 |
2014-15 | ヴュシュトリア | 16試合・7得点 |
2015-16 | フィテッセ | 31試合・8得点 |
2016-17 | フィテッセ | 33試合・2得点 |
2017-18 | フィテッセ | 19試合・3得点 |
ブレーメン | 9試合・1得点 | |
2018-19 | ブレーメン | 26試合・9得点 |
2019-20 | ブレーメン | 28試合・8得点 |
2020-21 | ブレーメン | 15試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年3月18日現在)
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。