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ヘタフェ

【コラム】久保建英に求められる"ボルダラスの軍隊"への適応| ラ・リーガ 

【コラム】久保建英に求められる"ボルダラスの軍隊"への適応| ラ・リーガ DAZN
【コラム】ヘタフェに移籍して以降、4試合でインパクトを残している久保建英。ここから先、チームに適応していくことで、攻撃面でのさらなる貢献に期待がかかっている。『アス』でヘタフェを担当するホセ・アントニオ・デ・ラ・ロサ氏は、今後、久保がさらに活躍するために必要なことを解説する。

久保建英がヘタフェに加入してから、まだ2週間しか経過していないが、すでに熱狂も迷いも生じさせている。

14日間で戦った4試合で、彼が与える印象は移り変わっていった。途中出場から2ゴールの起点となったデビュー戦、エルチェとの試合が最も盛り上がり、それから一番最後のアラべス戦までには、次々と課題が見えていった。

求められるチームスタイルへの適応

ヘタフェとビジャレアルの違うところは、監督から寄せられている信頼だ。ウナイ・エメリ監督とは違って、ホセ・ボルダラス監督には久保のことをレギュラーとして使い続ける意思がある。ただ、ここからヘタフェのスタイルに適応していくのは、やはり必要不可欠なことだろう。

久保の成熟した立ち振る舞いはここスペインでも話題となっているが、基本的には愛想が良い若者で、チームメートたちは両手を広げて彼のことを歓迎している。チーム内の人付き合いに関しては、まったく問題ないだろう。だが、ボルダラスの志向するプレースタイルへの適応は、また別の話となる。ヨハン・クライフの信奉者であるヘタフェ指揮官だが、信奉者の中では最も遠い位置にいる。

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ボルダラスにとってトータル・フットボールは、決定機を生み出すために各選手がプレーエリアを変えていくことではなく、すベてを、何よりも守備面を統制することを意味している。久保はその個人技によって相手のラインを突破していく役割を受け持つが、守備が免除されることはない。ボルダラスの軍隊では、誰も、それを免除されることはないのだ。ここのストライカーたちは、「私が最初のディフェンダーであります!」と胸を張って叫ぶことができる。

最近の練習で、ボルダラスは久保に対して非ボール保持時に行うべきことを説明している。その説明をしっかり飲み込み、ピッチ上で実現できるかどうかが、久保がヘタフェで成功をつかむ鍵となるだろう。彼が攻撃時に見せるプレーは、もはや誰にも説明する必要がない。明確な意図を持ったトラップ、精度の高いフリーキック、1対1で勇敢に勝負を仕掛ける姿は、ヘタフェサポーターの心を鷲づかみにした。

だが、そんな簡単に事が運ぶならば、クオリティーの高い選手は誰もがFWレオ・メッシ(バルセロナ)やFWクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)になれる。まずはヘタフェのスタイルを理解して、チームメートたちをしっかりと助け、その後にフットボーラーとしての長所を発揮すればいい。

トップ・オブ・トップの選手となるために

久保は歩みを止めることが許されていない存在だ。結局のところ、彼はヘタフェではなく、レアル・マドリードの選手なのだから。

ヘタフェのスタジアム、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでは継続的に出場することが約束されており、ボルダラスは厳しい統制の中でも、彼の攻撃的長所をすべて削ごうとは思っていない。例えばボランチのMFネマニャ・マクシモビッチは、久保の背後のスペースに配慮するようにプレーすることを義務付けられている。

では、久保の最大の長所である攻撃について、彼自身は一体どんな攻撃的選手になることを望んでいるのだろうか。私たちは左利きの若い才能が出現する度に、愚かにもすでに第一線にいる選手たちとどうしても比較してしまう。メッシやMF(ダビド・)シルバ(レアル・ソシエダ)、それかマルセロ(レアル・マドリード/久保のアウトサイドのボールコントロールから、私は彼を連想する)。

また右利きではあるが、バレンシア時代にエメリから出場機会を与えられず、決別したMFイスコ(レアル・マドリード)と重なるところもある。現状で言える久保の最大の長所は、その勇敢さ、縦への突破力だろう。ヘタフェでの4試合ではサイド、中央で動き回りながら、チームメートからボールを受けていた。ただ、ボールをうまい形で受けても、その後の連係が不足しているのも、また確かだった。

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ヘタフェは久保と、彼と同じくバルセロナの下部組織で育ったMFカルラス・アレニャーの加入で攻撃方法が変化した。空中戦やセカンドボール狙いから、より足元のプレーを重視。フィジカルよりもクオリティー、といった具合である。

だが、それはまだゴールに結実していない。結局はどうゴールを決めるかより、ゴールを決められるかどうか、だ。久保はその美しいプレーを効果的にもしなければならない。ペナルティーエリア近くで継続的に存在感を示して、相手を脅かすことができれば、トップ・オブ・トップとなるための決定的な一歩を踏むことができるだろう。

ヘタフェは今週末から3日間の内にセビージャ、レアル・マドリードと対戦する。久保にとっては、自分という選手の価値を知らしめる上で、絶好の2試合になるはずだ。

文/ホセ・アントニオ・デ・ラ・ロサ、スペイン『アス』紙ヘタフェ番

翻訳= 江間慎一郎

1983年生まれ。東京出身。携帯サッカーサイトの編集職を務めた後にフリーのサッカージャーナリスト・翻訳家となり、スペインのマドリードを拠点に活動する。 寄稿する媒体は「GOAL」「フットボール批評」「フットボールチャンネル」「スポニチ」「Number」など。文学的アプローチを特徴とする独創性が際立つ記事を執筆、翻訳している。

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