試合の概要
いよいよ迎えるUEFAネーションズリーグ・ファイナルの決勝戦。スペイン代表とフランス代表が、2代目王者の座をかけて激突する。
スペイン（リーグAグループ4・1位 勝点11 ｜ 3勝2分け1敗 ｜ 13得点3失点）
同国史上最年少記録を更新したガビや18歳ジェレミ・ピノら若手を積極的に起用し、見事に欧州王者イタリアに38試合ぶりに土をつけたスペイン。新世代が台頭し、若返りを図る彼らにとって、タイトルという結果は非常に重要になる。そのため、ルイス・エンリケ監督は喉から手が出るほど今回のトロフィーを欲しているだろう。
しかし、イタリア戦で2ゴールを奪ったフェラン・トーレスは負傷交代を強いられており、会見で指揮官も「絶対にリスクは冒さない」と明言。欠場の可能性もある。仮に新体制でエース級の活躍を見せていたアタッカーが不在となれば、大きな痛手となりそうだ。
相手が退場者を出したこともあってイタリア戦では70％を超えるポゼッションを記録したスペインだが、フランス戦でも同じくボール保持から主導権を握る事を試みるだろう。ケガのペドリが不在でも、ガビ、セルヒオ・ブスケツ、コケの中盤は十二分に機能していた。問題となりそうなのは、フランスの世界屈指の高速カウンター。最終ラインのアイメリク・ラポルテらは、難しい仕事を強いられそうだ。まずは不用意なロストをなくすため、どんな状況でもプレーを完結させることが必要となる。
注目選手：ガビ
17歳と62日でスペイン代表デビューを果たし、同国史上最年少記録を85年ぶりに更新したガビ。今季バルセロナのトップチームデビューを果たしばかりだが、堂々としたプレーぶりでイタリア戦では94％のパス成功率を記録。またたく間に世界の注目を集めることになった。エンリケ監督も「スペイン代表の未来であり、現在」と話すなど、期待は大きい。決勝戦の舞台でも、落ち着いたボールさばきでチームに安定をもたらしたい。
予想スタメン(4-3-3)
GK：シモン
DF：アスピリクエタ、ラポルト、P・トーレス、アロンソ
MF：ガビ、ブスケツ、コケ
FW：ピノ、サラビア、オヤルサバル
フランス（リーグAグループ3・1位 勝点16 ｜ 5勝1分け0敗 ｜ 12得点5失点）
世界ランク1位のベルギーに対し、前半だけで2失点と追い込まれたフランス。非常に苦しい試合を強いられたが、90分の逆転弾で世界王者たる所以を見せつけた。直近6試合では1勝のみ（5分け）と停滞感が漂っていた中、嫌な空気を吹き飛ばす大きな勝利を挙げている。
しかしこちらも離脱者が発生しており、アドリアン・ラビオが新型コロナウイルス感染で離脱。エンゴロ・カンテを招集できなたかった中で、中盤の万能選手の不在は少なからず影響がありそうだ。
試合に先立ち会見に臨んだディディエ・デシャン監督は、「スペインからボールを奪うことは不可能だ。プレスをかけることはできるが、ただプレスに行くだけではダメ」と言及。積極的に前線からボールを奪いに行くよりも、ある程度自陣に引いた中で速攻を発動し、アタッカーをシンプルに活かす指揮官得意の形を狙いに行くことが予想される。そのためには、まずは失点しないことが何よりも重要だ。
注目選手：キリアン・エンバペ
ベルギー戦で2点目を奪ったエンバペ。EURO2020で失敗して厳しい批判にさらされたPKを成功させ、その強靭なメンタリティを再び示した。周囲の雑音を黙らせるには十分インパクトのあるゴールだっただろう。デシャン監督が想定する堅守速攻スタイルのためには、絶対に欠かせない選手であることは疑いようがない。2018年ワールドカップ同様、決勝戦でネットを揺らし、母国に歓喜をもたらせるだろうか。
予想スタメン(3-5-2)
GK：ロリス
DF：クンデ、ヴァラン、L・エルナンデス
MF：パヴァール、ポグバ、チュアメニ、T・エルナンデス、グリーズマン
FW：ベンゼマ、エンバペ
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2021年10月11日（月）日本時間3:45
- 解説：戸田和幸 実況：安井成行
- 会場：サン・シーロ
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