試合の概要
インターナショナルマッチウィークが明け、ラ・リーガは2週間ぶりに再開。再開明けの第10節では、アトレティコ・マドリードとバルセロナというスペインを代表する2クラブの直接対決が行われる。
アトレティコ・マドリード（3位 勝点17 ｜ 5勝2分0敗 ｜ 17得点2失点）
ディエゴ・シメオネ監督体制節目の10シーズン目、今季のアトレティコは生まれ変わったような戦いを見せている。ここまで5勝2分け無敗、2試合未消化ながら首位レアル・ソシエダと3ポイント差の3位につけている。
これまで堅守速攻を基本に戦ってきたシメオネ・アトレティコだが、昨季から攻撃的な戦術に徐々にシフトしていった。そして今季、基本システムは4-4-2から変わりないが、神童ジョアン・フェリックスやコケらが相手のDF-MF間に自由に侵入して起点を作り、サイドバックのオーバーラップや新加入ルイス・スアレスの飛び出しを活かしながら、攻撃に多く人数をかけるスタイルへと変貌を遂げた。それは結果にも表れており、ここまでソシエダに次ぐリーグ2位のゴール数（17）を記録している。攻撃に人数を欠ける分リスクも増えるが、守備面でも失点数は「2」とリーグ最少だ。
ここまでの見事な戦いを受け、2013-14シーズン以来のラ・リーガ制覇も囁かれ始めたアイン製アトレティコ。バルセロナとの大一番は、今季を占う試金石となりそうだ。これまでの対バルセロナ戦では、自陣深い位置に引いて速攻を狙ってきたシメオネ監督だが、今回の対戦ではどのようなプランを示すのか、注目だ。
注目選手：ジョアン・フェリックス
残念ながらスアレスは新型コロナウイルス感染により古巣戦を欠場となるが、ついに偉大な才能のすべてを発揮し始めた21歳の神童がいる。今季はより自由を与えられ、ライン間でパスを受けながら巧みなタッチ、正確なパスで何度もチャンスを演出すると、自身も精度の高いフィニッシュでゴールを量産している。ラ・リーガ7試合で5ゴール3アシストと、アトレティコの中心的な存在となった。間違いなく、今季は彼の年となるだろう。バルセロナとの大一番で、その実力を改めて世界に証明したいところだ。
予想スタメン（4-4-2）
GK：オブラク
DF：トリッピアー、ヒメネス、フェリペ、ロディ
MF：ジョレンテ、コケ、コンドグビア、サウール
FW：コレア、フェリックス
バルセロナ（8位 勝点11 ｜ 3勝2分2敗 ｜ 15得点8失点）
前節レアル・ベティスに5発快勝（5-2）したとはいえ、それまではリーグ戦4試合勝利から見放されるなど（2分け2敗）不安定な戦いが続くバルセロナ。さらに先日には、アントワーヌ・グリーズマンの叔父がリオネル・メッシを痛烈に批判し、それに対して主将が「いつもみんなの問題になることに疲れた」とうんざりしたような発言を残すなど、取り巻く雰囲気はポジティブと言えない状況だ。
さらに、今季中心となっていた18歳FWアンス・ファティが4カ月の長期離脱を強いられ、セルヒオ・ブスケツもケガを抱えており、アトレティコ戦には間に合わない模様。絶対エースのメッシが無傷で代表戦から戻ってきたことは幸いだが、ロナルド・クーマン監督は人選に頭を悩ませることになりそうだ。
クーマン監督の下、現代の流行に合わせて縦に速い攻撃を実践するようになったバルセロナだが、その分選手間の距離が広がり、ポゼッションが不安定に。さらに速く攻める分、被カウンター時に広大なスペースを突かれて失点するシーンが散見される。そして、対戦相手は速攻の盟主アトレティコだ。万全の警戒が必要となる。時間とスペースを管理しながら、フレンキー・デ・ヨングやブスケツの代役となるであろうミラレム・ピャニッチを中心に、中盤を支配したい。
注目選手：アントワーヌ・グリーズマン
今季は公式戦9試合で未だ2ゴール。さらに先日の叔父の発言によって批判を浴びるなど、バルセロナでの苦境が続くグリーズマン。以前には「今の自分はシュートを決められない。そんなことはなかったのに」と自信を失っていることを明かしていた。それでも、最も得意とする中央で起用されるフランス代表では、好パフォーマンスを披露してクラブへ戻って来た。コンディション自体は悪くないため、古巣との大一番で自信につながる結果を残したい。
予想スタメン（4-2-3-1）
GK：テア・シュテーゲン
DF：S.ロベルト、ピケ、ラングレ、アルバ
MF：ピャニッチ、デ・ヨング、ペドリ、グリーズマン、デンベレ
FW：メッシ
放送・配信予定
- 配信：DAZN
- キックオフ：2020年11月22日（日）日本時間5:00
- 解説：福田正博 実況：倉敷保雄
- 会場：エスタディオ・ワンダ・メトロポリターノ
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