ここ数週間にわたり、批判にさらされてきたハカン・チャルハノール。だが今シーズンのインテルにとって最大級に重要な試合において、決定力を示すことに成功した。印象的なパフォーマンスでインテルをけん引し、貴重なゴールを記録したことで、ミラノダービーの歴史に仲間入りした。
ハカンのパフォーマンス
今夏、まさにライバルクラブのミランからインテルへ移籍したチャルハノールは、8日(日本時間)のダービーにおいて圧倒的な主役となり、インテルのMVPに輝いた。
トルコ代表のトレクァルティスタ(トップ下の選手)は、PKを沈めてゴールをマークしただけでなく、数多くのチャンスも演出した。また、攻撃面だけでなく、守備面においてもインテルに貢献し、古巣ミランにとって極めて厄介な存在となった。ダービーにおけるパフォーマンスは、まさに並外れたものだった。シモーネ・インザーギ監督は、ここ数週間にわたって自分自身を見失いかけていた選手を信頼し、完璧な一手を打ったと言える。
ミラン戦におけるチャルハノールのスタッツ | |
得点 | 1 |
シュート | 5 |
パス | 48 |
ボール奪取 | 12 |
ボールタッチ | 75 |
元ミランMFのゴールセレブレーション
チャルハノールはPKを獲得すると、ラウタロ・マルティネスの許可を得たうえで、自らペナルティマークに立った。チプリアン・タタルシャヌの守るゴールへボールを突き刺すと、解き放たれたように両手を耳に当て、数カ月前に別れを告げたばかりのミランサポーターの目の前で歓喜した。
抗議の口笛がどっと押し寄せたが、チャルハノールは「聞こえないよ…」と答え、パーソナリティも示して見せた。これは、古巣のサポーターや元同僚たちだけでなく、ミラン新加入のアレッサンドロ・フロレンツィをも怒らせた。
だが、過去を遡れば前例が尽きないことも確かだ。反対のクルヴァでは、ズラタン・イブラヒモヴィッチがジュリオ・セーザルとのあの有名なPKの一騎打ちを制した際に歓喜したほか、元ブラジル代表の怪物ロナウドもゴールセレブレーションを披露し、ネラッズーリのファンの心を砕いた。
ミラノダービーにおいて古巣から奪った得点
古巣のクルヴァの目の前で、冷静さと勇気、才能を見せつけたトルコ人MFは、このゴールによりミラノダービーの歴史の一部となった。なぜなら極めて難しいダービーにおいて、古巣相手の初戦で得点を挙げることができた者はごくわずかしかいないからだ。
勝ち点3ポイント制が導入された1994-95シーズン以降、すでにミラノダービー出場経験があり、ライバルチームへの移籍後、初めてのダービーで得点を決めた選手は過去に3人(エルナン・クレスポ、ロナウド、イブラヒモヴィッチ)。ハカン・チャルハノールは4人目となる。
クレスポ | 2006 |
ロナウド | 2007 |
イブラヒモヴィッチ | 2010 |
チャルハノール | 2021 |
この“魔法の瞬間”は、実に11年ぶりに訪れたのだった。
文・ルカ・フェオレ
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