立ち上がりから主導権を握った日本は26分、植木理子の得点で先制。巧みなパスワークから、左サイドの宮澤ひなたがクロスを送り、ニアへ走り込んだ植木がヘディングでネットを揺らす。この得点で日本は勢いに乗ると思われたが、逆に中国に追いつかれてしまう。後半開始直後、中国が日本の右サイドを攻略すると、最後はウー・チェンシューが飛び込んで同点に追いつく。
その後、追加点を奪いたい日本は、その後も攻勢を強めるもネットを揺らすことができず、同点のまま試合は延長戦へなだれ込む。
先にリードを奪ったのは日本。103分、敵陣中央で得たFKを長谷川唯がスナップの効いた浮き球を送り込むと、植木がダイビングヘッドでネットを揺らし日本が再びリードを奪う。だが、中国も執念で食い下がる。延長戦終了間際の119分、中国はワン・シャンシャンの得点で追いつき、PK戦に持ち込むとそのまま日本を下した。大会3連覇を目標に掲げていた日本だが、無念にも準決勝で大会を去ることとなった。
この試合では日本はシュートを22本も放ち、終始ボールを支配。2度リードを奪うも、最後は追いつかれている。
「DAZN」で解説を務めた元日本代表の福西崇史氏は「(集中力)だと思いますよね。前半も点が取れなくて、中だるみの時間帯もあったなかで、最終的に集中もしていて、決定的なところを打たせないというところまで行っていたのでね。それをやり続ける…難しいアジアの戦いはある」と試合を振り返った。
一方で、今大会は池田太監督になって初めての大会でもあった。試合後に指揮官は「選手は色々なトライをしてくれた。この敗戦はチームにとって悔しい思いですが、これを成長につなげるしか無いと思っています。ここからです」と振り返った。
「色々な制限のあるなかで、トレーニングし、またその大会のなかで色々な組み合わせを試すことができた。コンビネーションも含め、成果もあった部分もあるのでしっかり整理したい」と、敗戦の一方で、チームの成長に手応えも見せた。福西氏も「チームとしてやりたいことがスムーズになってきている。勝負の分かれ目は今回勉強となったはず。若い選手も経験したので、忘れずに次の飛躍の糧にしてもらいたい」とエールを送った。
また、同じく解説を務めた元女子日本代表の丸山桂里奈も「いろいろな環境の中で、選手たちはすごい頑張っていた。負けはすごい悔しいが、若い選手たちはすごい技術を持っている。あとは経験だと思う」と、チームのさらなる成長に期待を寄せた。
3連覇はならなかったが、新しい可能性を見せた新生なでしこジャパン。この悔しさをバネに成長できるか。その答えは、来年のワールドカップできっと見られるはずだ。
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