バルセロナの元強化担当であるラモン・プラネス氏が、MFペドリ・ゴンサレスの獲得秘話を語った。
プラネス氏は2018年6月、スポーツディレクターを務めていたヘタフェを離れてバルセロナに加入。まずエリック・アビダル氏の強化担当補佐となり、2020年8月にクラブを去った同氏の代わりに強化担当を務めた。2021年11月のチャビ・エルナンデス監督就任をきっかけにしてプラネス氏もクラブを退団することになったが、ペドリやDFロナルド・アラウホら、バルセロナの次代を担うである選手を獲得する功績を残している。
バルセロナ退団から3カ月後、スペイン『ラディオ・マルカ』とのインタビューに応じたプラネス氏は、ペドリの獲得をいかにして実現したのかを説明。バルセロナは2019年9月、当時ラス・パルマスに在籍していたペドリの獲得を内定させ、その1年後にクラブに引き入れたが、プラネスはこのカナリア諸島出身MFからバルセロナのDNAを感じていたという。
「ペドリ獲得は、私の率いていたチームで決めたことだった。私たちは2部でデビューしたばかりの若者に賭けるという決断を下した。すべてがスピーディーに運んでいったが、確かに若さと金額面のリスクは存在していた。だが私たちはペドリにバルサのDNAを感じていたんだ」
「いつペドリの存在に気づいたのか? 私ラモン・プラネスがペドリを発見したというわけではない。今、私たちは濃密な情報社会に生きており、私たち以外もあの子のことを知っていたんだ。私にはかつてミランの強化部門で働いていた友人ロッコから情報が届いたが、(バルセロナのスカウト部門)ホセ・マリ・バケーロも同じ情報を手にしていたね」
「情報を持っていたのは私たちだけではない。(当時のラス・パルマス監督)ペペ・メルはレアル・マドリー出身者で、だからマドリーも把握していたし、(ペペ・メル監督が過去に指揮した経験がある)ベティスも獲得にかなり近づいていた。私たちとその他のクラブとの間に違いがあるとすれば、私たちの方が選手を信じるスピードが速かった、ということになるだろう。私たちはプレシーズン、まずマルベジャで彼のことを見て、(ベティス本拠地)ベニト・ビジャマリンの試合で絶対に獲得すると決断したんだ」
バルセロナは移籍金500万ユーロ+インセンティブという条件で、ラス・パルマスからペドリを獲得した。
「クラブ内で反対意見はなかったか? 獲得について非難されることはなかった。確かに、あれだけ若い選手にそれだけの金(500万ユーロ)を支払うことを快く思っていなかった人もいたがね。インセンティブ含めペドリ獲得のために支払った総額? 詳細な金額は言いたくないが、しかしすべての条件が揃っても2000万ユーロにも届かないと思うよ」
「ラス・パルマスの会長とは良い関係を築いている。難しいオペレーションだったことは事実だがね。インセンティブを含め、ラス・パルマスにとっては素晴らしい売却となったね。またペドリはバルサへの愛情から、私たちの提案を受け入れるようラス・パルマスに言ってくれたんだ」
ペドリはバルセロナ加入後、当時のロナルド・クーマン監督が率いていたトップチームで、すぐさま出場機会を得ることになった。
「クーマンとペドリについて話はしていたんだ。レンタルのオファーは多く届いていたし、トップチームに残せるとは考えていなかったのだが……クーマンは2回ほどペドリが練習する様子を見て、絶対にチームに残すべきだと決断したよ」
プラネス氏によれば、バイエルンもペドリの獲得に動いていたという。
「バイエルンはペドリのほとんどプレーを見ていなかったが、それでも本当に興味を持っていた。彼らのスカウティング部門の仕事ぶりは素晴らしい。あの2-8の試合が行われる2日前、私たちは彼らの興味を知ることになったんだが、しかしもう可能性はないと言わせてもらったのさ」
チャビ監督は先に、現在19歳のペドリについて「彼のポジションでは世界最高の才能を有している」と絶賛していた。
「同意させてもらう。チャビとイニエスタも凄まじくレベルの高い選手だったが、ペドリはまだ若いのに信じられない成果を収めている。彼には途方もない未来が待ち受けているはずだ。わずかな選手しか持ち得ないインテリジェンスを持つ選手、それがペドリなんだよ」
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