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サッカー

【コラム】レアル・マドリードとバルセロナの攻撃はそれぞれベンゼマとメッシ抜きには成立しなかった | 2019-2020ベストイレブン | ラ・リーガ編

【コラム】レアル・マドリードとバルセロナの攻撃はそれぞれベンゼマとメッシ抜きには成立しなかった | 2019-2020ベストイレブン | ラ・リーガ編(C)Getty Images
バルセロナ在住の豊福晋氏が2019-2020シーズンのラ・リーガで輝いたベストイレブンを選出。リーグ制覇に導いたカリム・ベンゼマと得点王のリオネル・メッシは、それぞれレアル・マドリードとバルサの彼らに対する依存が不安になるほどの存在感を放った。

バルサはメッシ以外に迷った選手すら…

豊福氏選出「ラ・リーガ ベスト11」

レアル・マドリードの優勝で終わった2019-2020シーズンのラ・リーガ。個人的なシーズンベスト11は優勝チームと4位セビージャから3人ずつ、3位アトレティコ・マドリードから2人、バルサビジャレアルレアル・ソシエダから1人ずつを選出した。

2位のバルサから1人というのは、順位的なバランスを考えると少ないかもしれない。しかし、いかんせん終盤の印象が悪すぎ、入れようかどうか迷った選手すらいない。リオネル・メッシ以外の選出が皆無なのは、つまりベスト11の選考におけるチーム成績はあまり意味をなさないということ。順位や数字よりもシーズン中に見せてくれたインパクトを重視した。

ジエゴ・カルロスは最大の掘り出し物

GKは二択だ。アトレティコのヤン・オブラクかマドリーのティボー・クルトワ。最も評価を上げたのはウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)だが、まだこの2強の域にはない。

結果だけならクルトワだ。オブラクのサモラ賞(リーグ最少失点率のGK)5連覇を阻止した。出場34試合で20失点。1試合平均失点0.59は称賛に値する。ただ、ゴールマウスでの存在感やチームメイトからの信頼、彼が止めるのではないかという雰囲気をスタジアム全体に波及させられる影響力ではオブラクが上。リーガベストGKの座はタイトルと数字を突きつけられても揺るがない。

右SBは34歳にして全38試合出場、信じられないほどの運動量と攻撃面での貢献をみせたセビージャのヘスス・ナバス。チームメイトのルーカス・オカンポスと組む右サイドはこのチームでも機能するだろう。

CBは変則だが3人を選んだ。最も価値を上げたのはジエゴ・カルロス。屈強な肉体でとにかく相手のボールを跳ね返した。クリア本数、ヘディングによるクリアでリーグ最高の数字を出している。セビージャのモンチSDは今季もさすがの仕事ぶりを見せつけたが、ジエゴ・カルロスはその中でも最大の掘り出し物だろう。

守備におけるインパクトがジエゴ・カルロスだとすれば、リーグ王者の主将S・ラモスは攻撃面でも脅威の結果を出した。DFの得点としては今世紀最多の11得点を記録。CKやFKに合わせるだけでなく自らPKやFKも蹴り、これほど結果を残せるのは世界でもこの男が唯一。守備でトップクラスのパフォーマンスを見せながら攻撃でも貢献する彼を見ていれば、レアル・マドリードのFWは下手な言い訳ができないだろう。

左SBに置かざるを得なかったのはフェリペだ。 出場は25試合とやや少ないが、秋口からコロナ中断前までのプレーは圧巻。落ち着き払った姿勢、ミスの少なさで守備に安定感をもたらすなど、アトレティコの新加入選手の中では最高の働きを見せた。左SBには本職のセルヒオ・レギロン(セビージャ)を置くのが定石だろうが、フェリペを外すことはできなかった。

今季の最優秀選手はベンゼマでも

MFは3人で構成。まずは王者の中盤で「肉屋の番犬」みたいに相手を追い、タックルしつづけたカゼミーロだ。リーグ最多のボール奪取数を誇る彼がいるだけで、マドリーのピッチ中央は不思議と狭く見えた。説明のつかない威圧感があるアンカーは彼しかいない。また、あれほど豪華な布陣のレアル・マドリードでも純粋な替えがおらず、チーム内の重要性においてはカリム・ベンゼマ、S・ラモスと並ぶ。

レアル・ソシエダのミケル・メリーノは今季一番伸びたMFではないか。派手なマルティン・ウーデゴールばかりに注目が集まるも、その陰で24歳のスペイン人が見せた攻守両面での運動量は圧巻。いま最も代表に推されるべき選手だ。

もう1人は歳を重ねても錆び付かない技巧を誇り、チームをヨーロッパリーグ出場圏に導いたサンティ・カソルラ。純粋なサッカーセンスの塊である彼のビジャレアル退団(新天地は未定)は残念だ。

前線には迷わずに次の3人を。右サイドのオカンポスは単独突破や大胆な仕掛けが冴えただけでなく、14得点&3アシストときっちりと数字も残した。来季のチャンピオンズリーグでどれだけ暴れてくれるか、大きな期待を抱かせるパフォーマンスだった。

ピチーチ(得点王)のメッシと、今季に関してはリーガ最優秀選手としても文句は出ないだろうベンゼマは誰もがベスト11に選ぶはず。それぞれ2強の攻撃陣の鍵を握る存在で、彼ら抜きにはバルサとマドリーの攻撃はまるで成り立たない。依存が不安になるほどの存在感だった。

文・豊福 晋

ライター、翻訳家。1979年福岡県生まれ。01年よりイタリア、スコットランド、スペインと移り住み、現在はバルセロナ在住。5ヶ国語を駆使しながら欧州を周り、サッカーとその周辺を取材する。近著『欧州 旅するフットボール』(双葉社)がサッカー本大賞2020を受賞。

2019-2020 ラ・リーガ最終順位

順位
1 レアル・マドリード 872693+45
2 バルセロナ 822576+48
3 アトレティコ・マドリード 7018164+24
4 セビージャ 7019136+20
5 ビジャレアル 6018614+14
6 レアル・ソシエダ 5616814+8
7 グラナダ5616814+7
8 ヘタフェ 54141212+6
9 バレンシア 53141113-7
10 オサスナ52131312-8
11 アスレティック・ビルバオ 51131213+3
12 レバンテ4914717-6
13 バジャドリード4291514-11
14 エイバル4211918-17
15 ベティス41101117-12
16 アラベス3910919-25
17 セルタ3771615-12
18 レガネス3681218-21
19 マジョルカ 339623-25
20 エスパニョール2551023-31

※1~4位がチャンピオンズリーグ出場権、5~7位がヨーロッパリーグ出場権を獲得。18~20位は自動降格。

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