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ラ・リーガ

【マドリード・ダービー展望】"弱気”の戦いを避けたいアトレティコと"最終列車"を逃せないマドリー | ラ・リーガ第26節

小澤一郎
【マドリード・ダービー展望】"弱気”の戦いを避けたいアトレティコと"最終列車"を逃せないマドリー | ラ・リーガ第26節(C)Getty Images
【プレビュー】日本時間8日0時15分キックオフのラ・リーガ第26節、マドリード・ダービーの展望だ。アトレティコは"弱気”の守備的な戦いを避けられるか。マドリーにとってはこの大一番がタイトルへのいわば"最終列車"となる。

2つの欠かせないピースが復帰

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1月まで16勝2分1敗と圧倒的な強さを発揮し、ラ・リーガの首位を独走してきたアトレティコ・マドリード。だが、2月以降の5戦で2勝2分1敗と調子を落としている。

その間にバルセロナとレアル・マドリードが勝点5差まで接近。タイトルレースは三つ巴の様相を呈しつつあるが、いまだアトレティコはライバル2チームよりも消化試合が1つ少ない状況だ(来週10日に延期分の18節アスレティック・ビルバオ戦が控える)。

今季のアトレティコの強さは何と言ってもルイス・スアレス加入による決定力の向上で、彼はここまでリーグ戦で16得点を挙げている。チーム総得点は24試合で47と、バルセロナの55に次ぐ2位の数字。昨季までは得点力不足で勝ちきれなかった試合を、決定力の差でモノにできるようになってきた。

前節ビジャレアル戦はそれを象徴するような試合で、相手にボールを保持され、押し込まれた展開が続くものの、耐え忍んでの攻撃で2点を奪いアウェーで2-0の勝利を収めた。

失点数も堅守のアトレティコらしくラ・リーガ首位の16失点だが、1月から失点を重ねる悪い兆候は出ていて、CL(チャンピオンズリーグ)チェルシー戦までは8試合連続で失点していた。

年明け以降は特に新型コロナウイルスの陽性者が続出し、怪我人も重なり選手層の薄い中での連戦を強いられてきたが、3月に入り徐々に離脱者が戻りつつある。なにより3月1日からFAの制裁処分が解けたキーラン・トリッピアーが復帰し、負傷していたヤニック・カラスコもこのダービーには間に合う予定だ。

今季のベースである3バックシステムにおいて、左右のウイングバックを務めるその2選手は、ディエゴ・シメオネ監督にとって欠かせないピースであり、年明け以降の失点続きと2月の不調は彼らの不在による5バックの低重心の戦いに拠るところが大きかった。

戦術的なポイントを挙げれば、シメオネ監督がCLチェルシー戦で見せたような弱気の守備的な戦いを払拭できるかどうか。

前線にスアレスがいることでハイプレス、ハイラインのアグレッシブな守備はさほどないが、5バックではなく3バックのシステムと時間を長く維持できるようなら、ジョアン・フェリックスやマルコス・ジョレンテなどのシャドーストライカーの走力やドリブルが活きる展開となるだろう。

負けたらタイトルレースから脱落

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対するレアル・マドリードにとって、このダービーは「Ultimo Tren(最終列車)」だ。試合数がアトレティコよりも1つ多い現段階で勝ち点差は5。この直接対決で敗れた場合の勝点差は8に広がり、数字的に何かが決まるわけではないがタイトルレースからの事実上の脱落となる。

レアル・マドリードにとってはまさに“終電”に乗り遅れないための戦いと勝利以外に意味のないダービーになる。

だが、ジネディーヌ・ジダン監督の頭を相変わらず悩ませるのが多発している怪我人だ。この大一番に向けてもセルヒオ・ラモス、ダニエル・カルバハル、エデル・ミリトン、マルセロ、エデン・アザール、マリアーノの欠場が決まっていて、DFラインはルーカス・バスケス、ラファエル・ヴァラン、ナチョ、フェルラン・メンディ以外の人員がいない。戦力事情は厳しい。

ただ、中盤より前の怪我人は徐々に戻りつつある。前節レアル・ソシエダ戦(1-1)ではフェデリコ・バルベルデとロドリゴが途中出場ながら復帰した。

ここ3試合欠場中のカリム・ベンゼマもチーム練習には合流しており、おそらく先発スタートできる予定だ。ベンゼマ不在の中でのCLアタランタ戦ではイスコのゼロトップ・システムを採用し、そのスペイン人が見事輝いたようにジダン監督も満身創痍のチームの中で何とか上手くやりくりしている。

故障者がこれだけ多い状況下でもここ最近のレアル・マドリードは中盤のカゼミーロ、ルカ・モドリッチ、トニ・クロースの3人が好調で、間違いなくこのダービーでもアトレティコ相手に中盤の構成力では上回ることができるだろう。

敵陣に押し込む展開を作りながら、上手くサイドのマルコ・アセンシオ、ヴィニシウス、そしてサイドバックのL・バスケス、メンディの攻撃参加を生かしたサイドアタックからアトレティコの堅守を崩していきたい。

互いに早いタイミングでコパ・デル・レイから敗退したため、今週のミッドウィークに試合がなく、どちらも良いコンディションで臨めるダービーとなる。

序盤からハイレベルかつインテンシティの高い展開が期待できそうだ。前半戦の同ダービーは“クライシス”(危機)発動のレアル・マドリードがアトレティコの良さ、強さを封印して2-0と快勝した。

今季のラ・リーガのタイトル争いに向けて非常に大きな意味を持つ後半戦のマドリード・ダービーを見逃してはいけない。

文・小澤一郎

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。社会人経験を経て2004年にスペインに移住。バレンシア在住歴5年、スペインでは育成年代の指導者経験もあり。現在は、DAZNでラ・リーガ中継の解説も務める。(株)アレナトーレ所属。

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