【フランス代表】3人の"中心軸"が個性豊かなタレントを輝かせる ｜ キーマン・選手一覧・試合日程 ｜ カタール・ワールドカップ欧州予選

チーム情報

ロシア・ワールドカップ（W杯）優勝に導いたディディエ・デシャン監督が継続して指揮を執るフランスは、2019年のEURO予選で8勝1分1敗の好成績を収め、2020年のUEFAネーションズリーグは5勝1分のリーグA グループ3首位でファイナルズ進出を決めた。

基本システムは4－4－2。しばらくダイヤモンド型の中盤を採用していたが、直近2試合はフラットな並びに変更した。デシャン監督の信頼が厚いのは、前線のオリヴィエ・ジルー（チェルシー）、中盤のポール・ポグバ（マンチェスター・ユナイテッド）、最終ラインのラファエル・ヴァラン（レアル・マドリード）のセンターライン。いずれも代えの利かない存在となっている。

ヴァランはCBながらビルドアップの中心。少し運んでからサイドの深い位置に打ち込むロングフィードで起点となっている。中盤でボールを奪い、そこから裏にパスを通すセンスが光るのはポグバ。その真骨頂を発揮し、スピード豊かなアタッカーを生かしている。ターゲット役のジルーはクロスやフィードの効果を高めるだけでなく、前線からの献身的な守備でもチームを牽引する。

キリアン・エンバぺ（パリ・サンジェルマン）やアントワーヌ・グリーズマン（バルセロナ）ら個性豊かなタレントも、この中心軸があることによって機能。デシャンは細かな戦術で縛ろうとせずに、個の能力を重視したチームを作り上げた。

今回のカタールW杯予選に向け、最大のトピックスはウスマン・デンベレ（バルセロナ）の2年ぶりとなる復帰だ。デシャン監督は「負傷を繰り返していたが、現在は本来のレベルに戻っている。違いを生み出せるし、複数の攻撃的ポジションで起用できる」と理由を明かした。その23歳がオプションとして面白い存在になりそうだ。

トマ・ルマル（アトレティコ・マドリード）やタンギ・エンドンベレ（トッテナム）も久々の復帰となったが、今夏のEURO本大会も見据えた人選を進めるデシャンは「核となる選手のグループがある。23人分のリストと、代役のリストを作りたい」と話しており、頭の中にはチーム構成の大枠は出来上がっている印象だ。

中心になるのは昨年のネーションズリーグ・ポルトガル戦のメンバーだろう。

スーパースター：キリアン・エンバペ

デシャン監督は一時期のエンバぺが調子を落としていたことを認めながらも「彼がフランス人で私は幸せだ」と最大限の賛辞を送っている。

スペースを与えれば確実に仕留めきれるエースが、ヴァランやポグバ、ジルーのように真の意味でチームの大黒柱になるべき時が来ている。

期待の若手：マルキュス・テュラム

ご存知リリアン・テュラムの息子。昨年11月に初招集され、ポルトガル戦を含む3試合に左サイドハーフとして出場した。

中へのカットインに加え、192cmの上背を生かし対角線のボールやロングフィードの受け手になれる能力は、新たなオプションとして魅力的だ。

2021年3月W杯予選の招集メンバー

フランスの試合日程