今回の『Jリーグプレビューショー#11』では、鹿島アントラーズの強さをサッカー解説者の坪井慶介氏が紐解いた。
ここまでJ1最多の8勝をマークし、開幕から強さを見せている鹿島。前節・サンフレッチェ広島戦は、相手の縦に鋭い攻撃に3失点で4試合ぶりの敗戦を喫したものの、昨年度王者の2位・川崎フロンターレとは2ポイント差をつけて首位を走っている。鹿島の強さはどこにあるのか。坪井氏は3つのポイントを挙げた。
1つ目に挙げたのは、”センターバック・三竿健斗”の存在だ。今季は本職のボランチではなく、センターバックにコンバートされ、初先発のJ1第3節・柏レイソル戦以降は10試合連続で先発出場。坪井氏は、「三竿選手を中心に前からボールを奪いにいく時と自陣にしっかりとブロックを作る守備の使い分けが非常にうまくできている」とその活躍ぶりを高く評価している。さらにCB起用の影響は、守備だけに留まらず、「ボランチの時の良さが最終ラインでも出ている」と攻撃の方でも好影響をもたらしている。特にビルドアップでは、「ボールを持ち運んだ時の配給も落ち着いている。ボランチの時よりも恐らく時間もスペースもある。より良い判断ができている」と強調。ボールを奪い切ったところからカウンターの起点になっている三竿の存在が「攻守に渡ってかなり大きな役割を果たしている」と絶賛している。
2つ目には、”フリーマン・鈴木優磨”を挙げている。これまでのプレースタイルとの変化が鹿島の強さに繋がっている。「今の彼のプレースタイルを見ていると神出鬼没。いろんなところに顔を出して攻撃の起点になるシーンが非常に増えている」と変化を語る。そして今季は早くも7得点とゴールを量産しているFW上田綺世の活躍の裏には、「鈴木優磨選手の存在が大きい」と分析している。
最後に挙げたのは、”90分攻め続ける”という伝統のスタイルから生まれ変わった新たな鹿島の姿だ。これまでリードしている状況であれば、勝ち切るためにうまく時間を使いながら強かなゲーム運びを見せるのが鹿島の必勝パターンでもあったが、今季から就任したレネ・ヴァイラー監督のもと「終盤に攻撃的な選手を入れて得点を取る意識もあるように見える」と言及。この3要素が鹿島の強さをより際立たせるものとなっている。
今週末は北海道コンサドーレ札幌との一戦を迎える。スコア予想では、”予想くん”と田中氏が「1-1」のドロー決着を予想したのに対し、坪井氏は、「2-1」で鹿島の勝利と予想を展開。今節も首位の強さを示すことができるか楽しみな一戦だ。
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