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【コラム】補強予算は約75億円!ニューカッスルは冬の移籍市場を席巻するのか | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】補強予算は約75億円!ニューカッスルは冬の移籍市場を席巻するのか | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】プレミアリーグで低迷中のニューカッスルは今冬、約75億円の補強予算を用意。カネの力で移籍市場を席巻するのか、それとも―—。

サポーターが狂喜乱舞する大物獲りは…

“北の名門” が降格圏で苦しんでいる。

1勝8分10敗、19得点・42失点。ニューカッスルは19位でシーズン前半を折り返した。

戦術的なアプローチが古臭いスティーヴ・ブルースを2021年10月20日に解任。19日後の11月8日にエディ・ハウを新監督に迎えたものの、1勝3分4敗だ。効果は出ていない。このままではプレミアリーグからの降格が現実味を帯びてくる。当然、冬の市場では積極的に動くはずだ。

しかし、強化担当ディレクターの人選がまったく進んでいない。チェルシーやモナコなどで実績を残したマイケル・エメナロとの交渉も頓挫した。現時点ではヤシル・アル・ルマヤン会長、スポークスパーソン的に振る舞うアマンダ・ステイブリー(株主のひとり)といった執行部がディレクター職を兼ねるようだが、両名ともフットボールの世界ではズブの素人だ。

凄腕エージェントに足もとを見られ、推定市場価格を大幅に上回る移籍金を支払ったり、プレミアリーグレベルではない選手をつかまされたり、苦戦を強いられる公算が大きい。

また、降格圏のクラブにビッグネームが興味を持つはずもなく、ニューカッスルのサポーターが狂喜乱舞するような選手を獲得することは100%難しい。プレミアリーグに残留するためには、より現実的な人選が望まれる。

環境適応能力には個人差がある。移籍当日からフィットできるタイプもいれば、2~3年かかっても馴染めない者もいる。言語、文化、食事など、生活環境がガラリと変わるケースもあるのだから、即戦力が求められる冬の移籍でも時間の猶予が必要だ。

2021-11-10-Newcastle-Eddie Howe-Amanda Staveley and Mehrdad Ghodoussi

各クラブは戦力の維持を優先

しかもこの冬、英国でも新型コロナウイルスが猛威をふるい、12月29日には過去最多となる約18万3000人もの感染が明らかになった。プレミアリーグも多くの試合が延期され、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッドは練習でミニゲームができないピンチに陥った。

当然、各クラブは戦力の維持を優先する。監督の構想から外れていても、とりあえずは確保というスタンスだ。22年1月に開催されるアフリカ選手権も頭痛の種だ。

さらにユナイテッドのように、監督交代によって闘い方が変わったケースも市場に少なからぬ影響を及ぼすだろう。

ラルフ・ラングニックのスタイルはハードワークが要求されるため、プレミアリーグとチャンピオンズリーグ、そしてFAカップを闘い抜くには、ひとりでも多くの選手が必要だ。現時点で序列の変化こそないとはいえ、ユナイテッドも噂されていた大量整理は夏に繰り越し、22年1月は現状維持が第一目標だ。

なお、エージェントや家族のSNSを通じた移籍希望がラングニックの逆鱗に触れたアントニー・マルシャルのもとに、セビージャからオファーが届いたようだ。ただし、週給の負担額に大きな隔たりがあり、現時点で交渉が成立する見込みはほとんどない。

今冬、ニューカッスルの補強予算は5000万ポンド(約75億円)前後だ。カネの力なら勝てる。ラングニックも、マルシャルを引き止めはしない。

いずれにせよ、ニューカッスルは補強しなくてはならない。冒頭にあげたスタッツが示すように攻守とも問題山積で、かつてボーンマスに小気味よいポゼッションスタイルを定着させたハウであっても、残留は難しいミッションだ。

アリは闘い方にマッチする可能性が

2021-09-30-dele alli-tottenham

絶対数が不足している中盤に少なくとも二枚は加えたい。DFラインの柱も欲しい。ここにコロナ禍の環境適応能力をインプットして人選すると、プレミアリーグの人材に限られる。

トッテナムのデレ・アリは悪くない選択だ。監督がヌーノ・エスピリト・サントからアントニオ・コンテに代わっても、序列がよくなったわけではない。しかし、アリの才能はだれもが認めるところであり、そのキープ力はハウの闘い方にマッチする可能性が高い。環境が変われば、完全復活も考えられる。

もう一枚はチェルシーのロス・バークリーか。トーマス・トゥヘル監督は「だれも手放す予定はない」としているが、バークリーがより多くのチャンスを求めていることは周知の事実だ。

最終ラインはバーンリーのジェイムズ・タルコフスキか。今シーズン限りで契約が切れるため、規定により22年1月から他クラブとの交渉が認められる。彼はリーグ屈指のシュートブロッカーだ。ニューカッスルが積極的にアプローチすべき名DFである。

パンデミックの市場に大きな動きはない。各クラブとも動きづらい状況だが、ニューカッスルは強化を怠ると降格がよだれを垂らしながら迫ってくる。したがって、執行部はこの冬の交渉術が今シーズンの行方を左右し、ひいては来シーズン以降につながることを覚悟しなくてはならない。

プレミアリーグから落ちたクラブは、著名選手にとって興味の対象外だ。21年10月、北の名門を買収した『パブリック・インベストメント・ファンド』の総資産が3200億ポンド(約48兆円)だったとしても……。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

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