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サッカー

【コラム】首位ユヴェントスが急ブレーキ…スクデット争いが山場も事件もドラマもないまま終わるわけがない | セリエA

細江克弥
【コラム】首位ユヴェントスが急ブレーキ…スクデット争いが山場も事件もドラマもないまま終わるわけがない | セリエA(C)Getty images
2019-2020シーズンのセリエA優勝争いが先の読めない展開に。原因は首位ユヴェントスの足踏みにある。インテル、ラツィオ、アタランタの計4チームが絡むタイトルレースが、山場も事件もドラマもないまま終わるわけがない。

ユヴェントスの9連覇は決定的」

おそらくセリエAファンの誰もがそう思っていた。ほんの1週間前の話だ。ところがたったの7日間で状況は変わった。ユヴェントスの9連覇は、今となってはむしろあやしい。

いったい何が起きたのか。こういう状況でこそ底力を発揮するはずの王者ユヴェントスが、なんと2試合連続で勝点3を掴めなかったのである。

第32節、アタランタに2-2。ただし内容はボロボロ。第33節、サッスオーロに3-3。ただし開始12分で2点リードしてからのドローである。つまり目下のユヴェントスは、もう4試合も勝利から見放されているラツィオとともに今季最も状態が悪い。その両者が直接対決する第34節でユヴェントスが負けて、さらにもう1つの大一番でインテルローマに勝とうものなら、首位ユヴェントスと2位インテルの差はたったの「3」。そうなったらもう、「9連覇は決定的」と言える根拠はどこにもない。

マウリツィオ・サッリ監督の下でニュースタイルを築けず、クリスティアーノ・ロナウドパウロ・ディバラの得点力に頼り切りのユヴェントス。安定感を欠くもののチームとしての“形”はあり、ハマれば強いインテル。現在のセリエAで圧倒的な戦術的完成度を誇り、他の追随を許さない得点力で相手をねじ伏せるアタランタ。そして、ケガ人だらけの最悪の状態でフラフラになりながら戦っているシーズン前半の主役ラツィオ。2週間で5試合をこなす4チームのスクデット争いが、山場も事件もドラマもないまま終わるわけがない。

カギを握るのは、ヨーロッパリーグ出場権争いを繰り広げているローマとミラン、サッスオーロの3チーム、それからコッパ・イタリア優勝によってすでにヨーロッパリーグ出場権を手にしているナポリだろう。

現在3連勝中のローマには勢いがあり、ミランとサッスオーロは最近5試合で無敗といずれも絶好調。ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下で守備の軸を作ったナポリは、大崩れしないチームに仕上がってきた。ローマ、ミラン、サッスオーロの3チームが2枠を争うヨーロッパリーグ出場権争いも見ものだが、いずれのチームも好調なだけに、スクデット争いを演じる4チームにとっては「今最も怖い相手」と言える。

カレンダーを見ると、ユヴェントスは最終節でローマと、インテルは第37節でナポリと、アタランタは第36節でミランと、ラツィオは最終節でナポリと対戦。この4試合は、スクデット争いとヨーロッパリーグ出場権争いを同時に左右する大一番となりそうだ。

一方、リーグテーブルの最下層を見ると、セリエBへの自動降格となる3チームのうち、勝点「19」のSPALと同「21」のブレッシャは「ほぼ決定的」言えそうだ。ヒートアップするのは、残り1枠を避けようとするサバイバル。第33節終了現在では勝点「29」のレッチェがその枠を埋めているが、1つ上のジェノアも同「30」と大差ない。ここ5試合で2勝2分1敗の16位ウディネーゼが同「36」と頭一つ抜けたことで、ジェノアとレッチェの一騎打ちが最後まで続くだろう。

“個人”として注目したいのは、一騎打ちの得点王争いを繰り広げているチーロ・インモービレ(ラツィオ)とロナウド(ユヴェントス)ではなく、ミランやサッスオーロと同様に絶好調のサンプドリアで守備陣を牽引している吉田麻也と、最近はセンターバックでの起用が増えてきたボローニャ冨安健洋だ。

チームの好調とともに吉田の評価は急上昇中。1年を通して素晴らしいパフォーマンスを見せてきた冨安は、今シーズンにおける“ベスト右サイドバック”候補の1人である。サンプドリアは第36節でユヴェントスと、ボローニャは第35節でアタランタと対戦する。2人の日本人DFが、波乱の予感が漂うスクデット争いをさらに盛り上げる“大きな仕事”をやってのける可能性は十分にある。

4大リーグでは唯一、リーグタイトルの行方が決着していないセリエAのラスト5試合は大きな注目を集めるだろう。今シーズンのセリエAは面白い。この大詰めで“らしく”ない不安定さを露呈しているユヴェントスの姿にそれが表れていると感じるからこそ、最後まで展開の読めない大波乱に期待したくなる。

インテルのアントニオ・コンテ監督は、第33節SPAL戦に大勝して「ユヴェントスとの6ポイント差はあまりに遠い」と厳しい表情で言ったらしい。しかし、たぶんそれは嘘だ。「残り5試合で6ポイント」という現実を目の当たりにして、興奮で眠れない日々を過ごしているに違いない。

文・細江克弥

1979年生まれ、神奈川県藤沢市出身。『CALCIO2002』『ワールドサッカーキング』『Jリーグサッカーキング』編集部などを経てフリーランスに。サッカーを軸とするスポーツライター・編集者として活動している。DAZNセリエA解説者。ジェフユナイテッド市原・千葉オフィシャルライター。

セリエA日程・順位表

第34節

優勝争いに小さくない影響を及ぼす大一番、ユヴェントス対ラツィオは日本時間21日4:45キックオフ。その前日の同時刻に開催されるローマとインテルの上位対決にも注目だ。

開催日キックオフ
(日本時間)
試合放送・配信
7/18(土)17:15
(翌0:15)
ヴェローナvsアタランタDAZN
7/18(土)19:30
(翌2:30)
カリアリvsサッスオーロ 
7/18(土)21:45
(翌4:45)
ミランvsボローニャ 
7/19(日)17:15
(翌0:15)
パルマvsサンプドリア 
7/19(日)19:30
(翌2:30)
ブレッシャvsSPAL 
7/19(日)19:30
(翌2:30)
フィオレンティーナvsトリノ 
7/19(日)19:30
(翌2:30)
ジェノアvsレッチェ 
7/19(日)19:30
(翌2:30)
ナポリvsウディネーゼDAZN
7/19(日)21:45
(翌4:45)
ローマvsインテルDAZN
7/20(月)21:45
(翌4:45)
ユヴェントスvsラツィオDAZN

第35節

開催日キックオフ
(日本時間)
試合放送・配信
7/21(火)19:30
(翌2:30)
アタランタvsボローニャDAZN
7/21(火)21:45
(翌4:45)
サッスオーロvsミランDAZN
7/22(水)19:30
(翌2:30)
パルマvsナポリDAZN
7/22(水)21:45
(翌4:45)
インテルvsフィオレンティーナDAZN
7/22(水)21:45
(翌4:45)
レッチェvsブレッシャ 
7/22(水)21:45
(翌4:45)
サンプドリアvsジェノア 
7/22(水)21:45
(翌4:45)
SPALvsローマDAZN
7/22(水)21:45
(翌4:45)
トリノvsヴェローナ 
7/23(木)19:30
(翌2:30)
ウディネーゼvsユヴェントス 
7/23(木)21:45
(翌4:45)
ラツィオvsカリアリDAZN

第36節

開催日キックオフ
(日本時間)
試合放送・配信
7/24(金)21:45
(翌4:45)
ミランvsアタランタ 
7/25(土)17:15
(翌0:15)
ブレッシャvsパルマ 
7/25(土)19:30
(翌2:30)
ジェノアvsインテル 
7/25(土)21:45
(翌4:45)
ナポリvsサッスオーロ 
7/26(日)17:15
(翌0:15)
ボローニャvsレッチェ 
7/26(日)19:30
(翌2:30)
カリアリvsウディネーゼ 
7/26(日)19:30
(翌2:30)
ヴェローナvsラツィオ 
7/26(日)19:30
(翌2:30)
ローマvsフィオレンティーナ 
7/26(日)19:30
(翌2:30)
SPALvsトリノ 
7/26(日)21:45
(翌4:45)
ユヴェントスvsサンプドリア 

第37節

開催日キックオフ
(日本時間)
試合放送・配信
7/28(火)19:30
(翌2:30)
パルマvsアタランタ 
7/28(火)21:45
(翌4:45)
インテルvsナポリ 
7/29(水)19:30
(翌2:30)
ヴェローナvsSPAL 
7/29(水)19:30
(翌2:30)
ラツィオvsブレッシャ 
7/29(水)19:30
(翌2:30)
サンプドリアvsミラン 
7/29(水)19:30
(翌2:30)
サッスオーロvsジェノア 
7/29(水)19:30
(翌2:30)
ウディネーゼvsレッチェ 
7/29(水)21:45
(翌4:45)
カリアリvsユヴェントス 
7/29(水)21:45
(翌4:45)
フィオレンティーナvsボローニャ 
7/29(水)21:45
(翌4:45)
トリノvsローマ 

第38節

開催日キックオフ
(日本時間)
試合放送・配信
未定未定アタランタvsインテル 
未定未定ボローニャvsトリノ 
未定未定ブレッシャvsサンプドリア 
未定未定ジェノアvsヴェローナ 
未定未定ユヴェントスvsローマ 
未定未定レッチェvsパルマ 
未定未定ミランvsカリアリ 
未定未定ナポリvsラツィオ 
未定未定サッスオーロvsウディネーゼ 
未定未定SPALvsフィオレンティーナ 

順位表

順位
1 ユヴェントス772454+35
2 インテル712184+38
3 アタランタ702175+50
4 ラツィオ692166+33
5 ローマ5717610+17
6 ナポリ5315810+9
7 ミラン5315810+6
8 サッスオーロ4713812+5
9 ヴェローナ441111110
10 ボローニャ43111012-5
11 カリアリ41101112-1
12 パルマ4011715-2
13 フィオレンティーナ3991212-4
14 サンプドリア3811517-12
15 トリノ3711418-19
16 ウディネーゼ369915-15
17 ジェノア307917-23
18 レッチェ297818-33
19 ブレッシャ215622-40
20 SPAL195424-39

※1~4位がチャンピオンズリーグ出場、5~6位がヨーロッパリーグ出場権を獲得。18~20位は自動降格。

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