昨夏、23シーズンぶりにセリエA復帰を果たしたサレルニターナに加入すると、豊富な経験値を活かしてチームに貢献してきたリベリー。そんなフランス人FWが『ダゾーン・イタリア』の「Linea Diletta」に登場し、南イタリアでの生活について語ってくれた。
「最初はサレルノがどこにあるかも知らなかったが、ここは素敵な街だよ。街の人はカルチョに情熱を注ぎ、カルチョのために生きている。自分自身もそんな性格だから、ここへやって来たんだ。39歳でこれまでのキャリアにおいて、あらゆるタイトルを獲得してきた。だがまだ子どものようにカルチョが大好きで、カルチョのために生きている」
サレルニターナは特別な場所
フランス北部の港町ブーローニュ=シュル=メール生まれで、親戚が港や漁業に関わっていることもあり、同じ海沿いの街サレルノに親近感を覚える一方、かつて過ごしたマルセイユのような南仏の雰囲気も感じている。
「南イタリアは、メンタリティが南仏と似ているね。フランスにおいても北部と南部ではサポーターの特徴は違うが、イタリアでも同様だと思う。ここでは時間がゆったりしているし、太陽は輝き、海がある。みんなが気持ちよく過ごしているのが毎日感じられる。例えば、練習に向かう時、街の中心部を通れば、声を掛けてくるファンはみんな幸せそうにしているので、自分もうれしくなる」
リベリー自身も「ここの魚は美味しい」と認めるように、サレルノはマグロ船も拠点を置き、漁業が盛んな街。サレルニターナのサポーターは、 “ピッシャヨーリ(イタリア語でペスカトーリ、漁師の意味)”と呼ばれている。フランス人FWはそんなサポーターが集うスタディオ・アレキでのプレーを楽しんでいる。
「アレキは特別な場所だ。ファンと選手たちの距離が近く、これまでにプレーしてきたような巨大なスタジアムとは違ったものを与えてくれる。試合開始から終了まで、サレルニターナのファンの声援が聞こえてくる。多くの犠牲を払って応援してくれる彼らのために、全力を尽くしてプレーしているんだ」
「ファンとの関係が良好であれば、自分自身もうれしい。チームが勝てば、安心して自宅に帰れる。街の人々は喜び、翌朝、みんなが試合を話題にしてくれることを知っているからだ。だから負けた時はファンのことを思うとつらくなる」
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情熱があれば続けられる
39歳を迎えてもなお、どん欲な姿勢を貫き続けているリベリー。サレルニターナのベテランFWはその理由を明かした。
「ハングリー精神というのは、持っているか持っていないかのどちらかだと思う。まだ情熱とメンタリティを維持していれば、若い時のように走れなくても、汗水流してプレーすることでユニフォームにリスペクトを示すことはできる。練習のミニゲームでも勝ちたいと思う気持ちが重要であり、そうしたメンタリティを持っているかどうかが違いを作る。だからこの姿勢は変えたくないんだ」
16歳のアラバとの思い出
サレルニターナ加入が発表された際、地元のファンからは“ジオ・フランク(フランクおじさん)”と呼ばれて歓迎されたリベリー。かつて24歳だった2006年に、ジネディーヌ・ジダンやリリアン・テュラムらフランス代表の王者たちと共にプレーし、その振る舞いを学んだように、自らの経験を若手選手へ伝え、成長を後押ししたいと考えている。
「頭が良く、自分を信じ、意欲が高くてハングリー精神のある若手が好きだ。才能に恵まれた多くの若手選手たちを目にしてきたが、みんな闘志がないんだ。若手選手たちと話をする時は、手助けをしたいと考えている。例えば、自分がアドバイスした(バイエルン・ミュンヘン時代の)弟分ダヴィド・アラバとは、彼が16歳の時に出会ったが、のちに王者へと成長した」
「当時の彼は、車や時計のことに興味を示していたが、まずは犠牲を払い、トレーニングやプレーに取り組むべきだとアドバイスした。そのうちに車や時計も持てるようになるとね。彼は賢く、のちに数多くのタイトルを獲得した」
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また元フランス代表FWは、指導者としてのセカンドキャリアの可能性について問われると、自身の考えを明かした。
「いまはまだ考えていない。まだ調子は良く、プレーを続けたい。来年のことは分からないが、まだ実力を示し、ファンに何かをプレゼントしたいし、できると思っている。とはいえ、監督はやってみたい。ここ5、6年、フィオレンティーナやサレルニターナでしてきたように、選手たちのそばにいたい」
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