セリエA17試合を終えて26ポイントを獲得した昇格組のエンポリ。もしシーズン開幕前、指揮官のアウレリオ・アンドレアッツォーリに対し、エンポリが敵地でユヴェントスやナポリに勝利を収め、友人のマウリツィオ・サッリが率いるラツィオよりも多くのポイントを獲得することになると伝えたとしたら、おそらく、スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナで試合終了の笛が響いた時と同じリアクションを見せただろう。
FWパトリック・クトローネが美しく、重要な歴史的勝利をもたらした直後、指揮官はユヴェントススタジアムの時と同じように、ポケットに手を入れてロッカールームへと向かった。だが計り知れない喜びを胸の内に抑え込んでいたはずだ。
クラブの歴史を書き換えたエンポリの躍進
アンドレアッツォーリのエンポリは、ただ試合をプレーするためにナポリへ向かったのではない。チャンスをつかみ取るために向かったのだ。ナポリは連戦で消耗し、欠場者も出ていた。きっと何らかのチャンスがこぼれ落ちるはずだった。
そして運命のいたずらか70分、ゴール前のクトローネの首筋に当たって跳ね返ったボールは、幸運にもクラブの歴史を書き換える重要な決勝点を記録した。13日の時点で暫定7位へと浮上したエンポリにとって新たな視界が開けた瞬間だった。
強固なチームワークで上手く組織化された美しいプレーを見せるエンポリ。直近の4試合で3勝目となる勝利で2連勝を飾り、アンドレアッツォーリはチームの物語を一変させた。だが修正すべき点もある。17試合で29失点はやや多すぎる。とはいえ、今は現在のこの瞬間を歓喜するべき時だろう。
ナポリに何が起きたのか?
一方、ナポリの本拠地スタディオ・マラドーナは失望に包まれた。2連敗を喫し、今シーズンのリーグ戦で3敗目を記録。決して忘れられない夜となるだろう。己の過ちを二度と繰り返さないために、肝に銘じておくべき試合となるはずだ。
2試合の資格停止処分を消化するため、指揮官のルチアーノ・スパレッティ不在のまま、試合に臨んだナポリは、花崗岩のように固く結束し、才能あふれるチームに屈した。欠場者の影響もあったが、順位表で4位へと後退し、もはや笑っていられる状況ではなくなりつつある。
すべての予想が覆され、わずか2週間ほどで首位から4位へと転落したナポリ。チームの危機とは言わないまでも、困難に陥ったことは見て取れる。ナポリとはいったい何者であるのか? それを語ることができるのは、おそらくピッチだけだろう。
文・クリスティアーノ・コルボ
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