「ドリブル小僧」。この言葉が最も似合うスペイン人選手と言えば、ジェラール・デウロフェウかもしれない。
デウロフェウは幼少期から別格の輝きを放っていた。9歳には世界屈指の名門バルセロナの下部組織に加入し、各世代で突出したプレーを披露。2012-13シーズンに17歳でトップチームデビューを果たしたエリート選手だ。同シーズンはバルサBでの出場がメインとなり、セグンダ・ディビシオン(2部)33試合で18ゴールを奪い、見事2部最優秀選手に輝いている。
一躍「神童」として大きな期待を集めるようになったが、その後のキャリアは厳しいものとなる。翌シーズンはプレシーズンの段階で構想外となり、エヴァートンへと期限付き移籍。続く2014-15シーズンはセビージャに再びレンタルされたが、ドリブルに執着するプレーや守備意識の低さから当時のウナイ・エメリ監督に見限られてしまった。
結局、バルセロナが2015年夏に放出を決断。エヴァートンに完全移籍したデウロフェウは2015-16シーズンこそリーグ戦9アシストと活躍したものの、翌シーズンは再び居場所を失い、2017年1月にミランへとレンタルされる。
この新天地でまずまずのパフォーマンスを見せると、同年夏にはバルセロナが買戻しオプションを行使。だが、またも期待を裏切る形となり、半年で古巣を後にすることとなった。
クラブを転々とする生活を続け、一部では「終わった選手」との烙印を押されたかつての「神童」。しかし、2018年1月に加入したワトフォードで輝きを取り戻す。
2018-19シーズンは同胞ハビ・グラシア監督の寵愛を受け、リーグ戦30試合出場で10ゴールの活躍。さらにFAカップでは準決勝ウォルヴァーハンプトン戦で途中出場から衝撃的な2ゴールを挙げ、決勝進出の立役者となった。
2度の指揮官交代があった2019-20シーズンも、レギュラーの座を死守。リーグ戦28試合で4ゴール5アシストを記録した。
サポーターの信頼を集めていたが、2020-21シーズンにワトフォードとオーナーが同一(ジャンパオロ・ポッツォ)のウディネーゼにレンタル移籍。イタリア再上陸を果たした。
プレースタイル
本人の優先順位が最も高いプレーはドリブルだ。足元でボールを受けたがり、とにかく自分で仕掛けて状況の打開を図る。
スピードと切れ味は折り紙付きながら、キャリア当初はバリエーションが少なく、状況判断の悪さも相まって特大のポテンシャルを活かしきれなかった。
それでも経験を積むにつれて最大の長所の使い方を学習。今も相変わらずドリブル突破を好むが、パスや味方をおとりに使う動きを覚え、崩しのパターンが多彩になっている。
元々キック精度は高く、近年はアシスト数が増加傾向に。まだ20代中盤であり、さらなる進化に期待できる。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
ジェラール・デウロフェウ/Gerard Deulofeu
1994年3月13日生まれ 177cm・73kg 利き足:右
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2011-12 | バルセロナ | 1試合・0得点 |
2012-13 | バルセロナ | 1試合・0得点 |
2013-14 | エヴァートン | 25試合・3得点 |
2014-15 | セビージャ | 17試合・1得点 |
2015-16 | エヴァートン | 26試合・2得点 |
2016-17 | エヴァートン | 11試合・0得点 |
2016-17 | ミラン | 17試合・4得点 |
2017-18 | バルセロナ | 10試合・1得点 |
2017-18 | ワトフォード | 7試合・1得点 |
2018-19 | ワトフォード | 30試合・10得点 |
2019-20 | ワトフォード | 28試合・4得点 |
2020-21 | ウディネーゼ | 11試合・0得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月4日現在)
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