セリエA第11節ローマ対ミランの終了後、ハロウィンのゴーストたちの姿は、首位ナポリの目にも映ったことだろう。今節でライバルとのポイント差を広げることを夢見ていたはずだが、ステファノ・ピオリ率いるミランは安定して強く、己の可能性を十分に理解しているチームであるという現実を突きつけられることになった。
試合では、PKや主審に対する抗議、観客席の口笛から老熟の獅子の咆哮まで様々なエピソードが繰り広げられた。だがミランの最大の長所は、“己の自信”に他ならない。
イブラはイブラだった
公式には“たった1ゴール”しか認められなかったが、オフサイドで取り消された2ゴールも含めると、ゴールネットを3回揺らした。ズラタン・イブラヒモヴィッチはスタメンに復帰すると、ミランというチーム全体を背中に背負い込んで見せた。40歳という年齢のうえ、シーズン序盤にはフィジカルトラブルにも見舞われた。それでも単純明快に、”イブラはイブラ”だったのだ。
試合開始直後、「自分の力になるから」という理由でホームのサポーターに対し、自身に口笛を吹くよう注文をつけた。そして試合中、FKからゴールを決めると、まるで挑戦するかのような眼差しで敵陣サポーターをひとり残らず見据えて歓喜した。そして最後はすべてのチームメートと抱擁。ローマのピッチにおける2-1よりも素晴らしいプレーを見せるよう、さらなる進化を求めて鼓舞した。
指揮官のピオリも将来を見据えつつ、現在のような素晴らしいパフォーマンスを続け、気を引き締めていくべきだと考えている。「カルチョにおいて、終わりがいつやって来るのかは決して分からないからだ」。ロッソネーリ(ミランの愛称)の快進撃は長らく続いている。1年の間に、これほど多くのポイントを獲得してきたクラブはなかなか見つからない。
昨年のロックダウン(都市封鎖)明けからは、まるで小さな砦を守る海賊のようだ。ホームにおいても、アウェーにおいても、常に固い守りと攻撃を繰り返し見せてきた。スクデットの夢を抱かずにはいられない。だが今後も、目の前の試合に集中し続けていくべきだ。
文・クリスティアーノ・コルボ
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