セリエA2連覇を目指し、ミランやナポリとともにスクデット争いを繰り広げてきた3位インテルと、マッシミリアーノ・アッレグリ指揮下で後半戦から追い上げを見せ、1ポイント差に迫る4位ユヴェントスの直接対決。あらゆる感情が入り混じる崇高な一戦、イタリアダービーで躍動するのは誰なのか、『DAZN(ダゾーン)イタリア』で解説者を務めるパローロ氏とティリボッキ氏が両チームの戦術分析を行った。
勝負の行方を握るブロゾヴィッチ
チェゼーナ時代の長友佑都の元同僚と元アタランタFWは、シモーネ・インザーギのチームで不可欠な役割を担うMFマルセロ・ブロゾヴィッチに注目している。まずはパローロ氏がインテルMFを解説。「自由自在にシステムを操れる」選手であると指摘する。
ブロゾヴィッチはピッチ全体を駆け回り、インテルのプレーをサポートする。例えば相手の縦パスが入った際、まずはDFとともにプレッシャーをかける。ボールがサイドへと出されると、クロアチア人MFはボックス内へと戻り、絶妙なポジションを取ってボールを奪取。そしてその瞬間も舵取りを忘れない。
ボールを保持する味方をサポートするように、スペースを求めてダイナミックに動き続け、プレーを組み立てる。ブロゾヴィッチ出場時のパス回しの速度は平均時速9.4km。不在時の8.3kmを大きく上回っており、その効果は数字に表れている。またスペースを見つければ、すぐさま前線へとボールを送り込み、チャンスを作り出すことができる。
一方、クロアチア代表MFが不在の時はどうだろうか。ティル(イタリア語でトレーラーの意味)ことティリボッキ氏が解説した。代役となるニコロ・バレッラやハカン・チャルハノールは、広い視野を持つブロゾヴィッチのように、絶妙なリズムとクオリティで攻撃を組み立てることができない。そうなると無理な攻撃から相手にボールを奪われ、ファウルを犯したり、失点につながったりすることになる。
3本のパスでゴールを狙うユーヴェ
元アタランタFWは、まさに相手のビルドアップからのボール奪取を得意とするユーヴェにとって、インテルの弱点は狙いどころになると指摘。その攻撃のカギとしてFWドゥシャン・ヴラホヴィッチを挙げた。
パローロ氏は、ヴラホヴィッチの献身的なポストプレーも評価している。その恩恵を受けるのがアルバロ・モラタだ。つぶれ役をこなすセルビア代表FWの周辺でプレーし、自身が得意とするポジションで勝負することが可能となる。
元チェゼーナMFはパウロ・ディバラとの連携にも注目している。ヴラホヴィッチは、スペイン人FWに”尽くす”一方、ディバラからは“与えられる”存在になる。背番号10番から供給されるクオリティの高い縦パスを受け、ゴールをこじ開けることができる。
2人のイタリア人解説者は、対するインテルのユヴェントス攻略のカギとして、ピッチを幅広く使ったサイド攻撃を挙げている。イヴァン・ペリシッチを中心とした攻撃はマークが難しい。その上、レオナルド・ボヌッチやジョルジョ・キエッリーニなど豊富な人材を誇る中央とは違い、ユーヴェのサイドは手薄となりやすい。ティルは、アッレグリが空中戦を見据えてエリア内の守備を固め、3バックを採用する可能性も指摘している。
過去には劇的な展開も見られた伝統のイタリアダービー。アリアンツスタジアムのピッチで果たして何が起こるのか、目が離せない。
放送・配信予定
- ユヴェントス対インテル
- 配信:DAZN
- キックオフ:2022年4月4日(月)日本時間3:45
- 解説:細江克弥 実況:八塚浩
- 会場:アリアンツスタジアム
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