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【コラム】混沌のスクデット争いの行方は?ミラン、ナポリ、インテルの勝負のカギを握る対戦相手を徹底分析 | セリエA

【コラム】混沌のスクデット争いの行方は?ミラン、ナポリ、インテルの勝負のカギを握る対戦相手を徹底分析 | セリエA(C)Getty images
【欧州・海外サッカーニュース】ミランのステファノ・ピオリ監督、ナポリのルチアーノ・スパレッティ監督、インテルのシモーネ・インザーギ監督がキャリアで初めてのスクデット獲得を目指し、三つ巴の戦いを繰り広げる。

近年において稀なほどに拮抗した今シーズンのセリエA。スクデット争いはまもなく佳境を迎え、長い戦いの行方を決定づけるのは、細かな細部となるかもしれない。わずか4ポイント差でミラン、ナポリ、そして前年覇者のインテルが競い合い、3チームの指揮官は初めてのスクデット獲得を目指してラスト7試合(インテルは消化試合が少ないため8試合)に挑む。

今後、毎週末が“決勝”のような緊張感を必要とされる中、3チームともに失敗は許されない。これから最終節までの戦いの中で、どんな罠が潜んでいるのか分析してみよう。

ミランの日程

試合日(現地時間) 対戦相手 会場
2022年4月10日トリノアウェー
2022年4月15日ジェノアホーム
2022年4月24日ラツィオアウェー
2022年5月1日フィオレンティーナホーム
2022年5月8日ヴェローナアウェー
2022年5月15日アタランタホーム
2022年5月22日サッスオーロアウェー

ナポリの日程

試合日(現地時間) 対戦相手 会場
2022年4月10日フィオレンティーナホーム
2022年4月18日ローマホーム
2022年4月24日エンポリアウェー
2022年5月1日サッスオーロホーム
2022年5月8日トリノアウェー
2022年5月15日ジェノアホーム
2022年5月22日スペツィアアウェー

インテルの日程

試合日(現地時間) 対戦相手 会場
2022年4月9日ヴェローナホーム
2022年4月15日スペツィアアウェー
2022年4月24日ローマホーム
2022年4月27日ボローニャアウェー
2022年5月1日ウディネーゼアウェー
2022年5月8日エンポリホーム
2022年5月15日カリアリアウェー
2022年5月22日サンプドリアホーム

スクデット争いの罠となり得る3チーム

冬が終わりを告げ、春の香りが漂い始めると、各チームはそれぞれの目標に向かってまい進する。だからこそシーズン終盤の戦いは目を離せない。今後の優勝争いの行方は、対戦相手の目標設定やモチベーションなどにも大きく左右される。

そんな中、スクデット争いを繰り広げる上位勢との対戦が予定されている3チームに注目すべきだろう。まずはヴィンチェンツォ・イタリアーノ率いるフィオレンティーナ。敵地でインテルに勝利を収め、これからナポリ(第32節)およびミラン(第35節)との対戦に臨む。

続いてイヴァン・ユリッチ率いるトリノは、ミラン(第32節)に挑んだのち、ナポリ(第36節)との対戦を迎える。そして最後は、ジョゼ・モウリーニョのローマ。かつてインテルでトリプレーテ(3冠)を達成したポルトガル人指揮官は、ナポリ(第33節)および古巣(第34節)との対戦へ敵地へと乗り込む。

Il capitano del Torino Andrea BelottiGetty

パス回しや前線への飛び出しを武器とするフィオレンティーナ

第31節を終えて8位につけるフィオレンティーナは、まだUEFAヨーロッパリーグ(UEL)出場権獲得の可能性を残している。ドゥシャン・ヴラホヴィッチの退団後も、テンポの良いパス回しと前線への飛び出しで素晴らしいプレーを見せるヴィオラは、自らの目標達成のために、強みとする武器を繰り出してくるはずだ。

イタリアーノのチームは、他チームほど激しいプレスをかけることはない。だが、組織的な守備で相手のチャンスメイクをほとんど許さない。また攻撃においては、正確なパスでディフェンスラインから攻撃を組み立て、サイドの選手や中盤の選手の飛び出しなどでシュートまで持ち込む。

例えば、ミランは強みを活かして高い位置でボールを奪うことができれば、決定的なチャンスをつかむことができるかもしれない。フィオレンティーナは、相手にこうしたプレーを許さない傾向にあるが、ひとたびボールを奪われれば、シュートまで持ち込まれ、失点につながることが多い。 Serie A TIM 2021/22, Sofyan Amrabat segna il gol decisivo di Spezia-Fiorentina 1-2Getty

ユリッチ率いるトリノとのデュエル勝負

ユリッチが指揮を執るトリノは、今シーズンのセリエAにおいて最も難しい対戦相手の1つだろう。アウェーでの成績は降格圏レベルのものだが、ベストコンディションのチームがビッグマッチなどで見せてきたプレーの質と量を鑑みれば、もっと上位がふさわしいほどだ。

トーロのプレースタイルは、アタランタやヴェローナを手本としており、ピッチ全面でデュエルを仕掛けてくるだろう。

トリノは極めて激しいプレスをかけてくるが、相手のパス回しに翻弄されれば空回りとなる。ミランとナポリがトリノで3ポイントをつかみ取るためには、この点を突いて違いを作り出すべきだ。

注目すべきデュエルは、トリノの守備の要であるグレイソン・ブレーメルによるミランのオリヴィエ・ジルーおよびナポリのヴィクター・オシムヘンとの対決と言える。 Le proteste di José Mourinho allenatore della RomaGetty

スクデットのカギを握るのモウリーニョ

今シーズンのセリエAで主役の座を演じることはなかったが、忘れてはならない存在がいる。ローマの指揮を執るジョゼ・モウリーニョだ。ポルトガル人指揮官のチームは、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグで戦う最中、敵地においてインテルおよびナポリと対戦しなければならない。エネルギーを大きく消耗する懸念はあるが、4位浮上の希望がかすかに見える上、UEL出場圏内を確保する上でも重要となる。

ただ、ローマは予測が難しいチームであると言える。ローマダービーでラツィオを3-0と下したほか、アタランタとも2度の対戦で勝利を収めたように、偉大な試合を見せることができる一方、思いがけない敗戦を喫することもある。上位3チームによるスクデット争いを左右する不確定な存在となるだろう。

文・マックス・クリスティーナ

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