2022年FIFAワールドカップで予選敗退を喫し、ジョルジョ・キエッリーニのラストマッチとなったフィナリッシマでは南米王者アルゼンチンに0-3と完敗してタイトルを逃したアッズーリ。マンチーニのチームが絶望の淵から立ち上がるためには、大改革が求められていた。
マンチーニは、5日（日本時間）に行われたネーションズリーグの初戦、ドイツ戦からメンバーを大幅に入れ替え、18歳のウィルフリード・ニョント（チューリッヒ）や22歳のダヴィデ・フラッテージ（サッスオーロ）、20歳のマッテオ・カンチェリエリ（ヴェローナ）ら新たな顔ぶれをチームに迎えた。では、イタリア代表の未来を担うだろう新戦力を詳しく見てみよう。
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急成長を遂げた若手ニョント
2003年生まれのウィルフリード・ニョントは、マッジョーレ湖畔のヴェルバニアでキャリアをスタートした。スクオーラ・カルチョ・スーノを経て、2012年にインテルに引き抜かれて下部組織のプルチーニに入団。以降、ミラノのクラブの各年代別カテゴリーを経験してきた。U-15ではイタリア王者に輝いている。
コートジボワール出身の両親を持つニョントだが、年代別イタリア代表でもプレー。ブラジルで行われた2019年FIFA U-17W杯に出場し、ソロモン諸島戦でドッピエッタ（1試合2得点）を挙げたほか、メキシコ戦でも1ゴールをマークした。
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ウィルフリードは、2020年夏にチューリッヒへと移籍。トップチームでプレーする中で成長を遂げ、ロベルト・マンチーニの目に留まった。そしてドイツ戦でデビューを飾り、わずか5分でアシストも記録した。
高校は文科系でラテン語が大好きだったことから“ゴールを挙げるラテン語学者”と呼ばれていたニョント。スイスのトップリーグでの経験を経て、重要なカルチョの舞台で活躍する準備はできている。
確かな力を示すウィンガー、カンチェリエリ
マンチーニがドイツ戦で起用したもう1人の逸材は、マッテオ・カンチェリエリだった。
2002年生まれのウィンガーは、ポリスポルティーヴァ・デ・ロッシでプレーを始め、ローマの下部組織で頭角を現した。カンチェリエリは2020年にヴェローナのプリマヴェーラ（U-19）へと移籍。今シーズン、イゴール・トゥドール指揮下でチャンスを得ると、トップチームでデビューを果たした。
セリエAでは、1-1に終わったエンポリ戦で初ゴールをマークしたカンチェリエリ。だがライバルの壁に阻まれ、出場はわずか12試合にとどまっている。地元紙『L’Arena』は、クラブ史上1987年以来となるイタリア代表のピッチに立つ快挙を果たした“プリンチペ・アッズーロ（青の王子）”の将来を案じ、出場機会が確保できない場合、来シーズンのレンタル移籍の可能性もあると予想している。
サッスオーロで躍動するフラッテージ
ローマの下部組織出身のサッスオーロMFは今シーズン、アレッシオ・ディオニージの信頼を受け、レギュラーに定着した。
フラッテージは現在、イタリア代表指揮官ロベルト・マンチーニの信頼も勝ち取り、ドイツ戦で初先発を果たした。
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ネロヴェルデ（黒緑の意味でサッスオーロの愛称）のMFは、ダニエレ・デ・ロッシに憧れる生粋のローマっ子。ラツィオやローマの下部組織を経験し、同じくローマ出身の同僚FWジャンルカ・スカマッカと成長路線を共にしてきた。
アスコリやモンツァにおいてセリエBの武者修行に勤しんだのち、サッスオーロでのチャンスをつかんだフラッテージ。もはや彼は、ディオニージのチームにおけるレギュラーMFであり、中盤の要となった。
セリエBから代表へ飛び級のガッティとゼルビン
マンチーニ改革でアッズーリに仲間入りしたメンバーには、今シーズンをセリエBで過ごした23歳のフェデリコ・ガッティ（フロジノーネ、所有権はユヴェントス）やアレッシオ・ゼルビン（フロジノーネ、所有権はナポリ）らもいる。
ガッティはフィジカルに恵まれたDFで攻撃参加も得意とする。セリエBフロジノーネでの活躍を受け、今年1月にユヴェントスが選手の権利を獲得した。アッズーリでの経験は、フロジノーネのセンターバックが大舞台へと飛躍する準備ができているかどうかを見極める重要な試練となる。
一方、23歳のゼルビンは昨夏にナポリからフロジノーネへレンタルで加入。公式戦32試合で9ゴール3アシストをマークしたウィンガーは評価がうなぎ上りしており、今夏には所有元のナポリ復帰が予想されている。ハンガリー戦では、ジャコモ・ラスパドーリに代わって途中出場を果たし、代表デビューを飾った。
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