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マンチェスター・ユナイテッド

【コラム】「勝負所の強さは世界一」C・ロナウド “最後の晩餐” は二度のハットトリックを含む15ゴール | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】「勝負所の強さは世界一」C・ロナウド “最後の晩餐” は二度のハットトリックを含む15ゴール | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】依然として勝負強く、筆者はラスト9試合で15ゴールを見積もっている。そのクリスティアーノ・ロナウドが、マンチェスター・ユナイテッドにCL出場権をもたらすか要注目だ。

ベストとは程遠い状態で最終盤へ

ロマンティックな再会は、はかない結末を迎えそうだ──。

2021年夏、サー・アレックス・ファーガソンの粋な演出により、クリスティアーノ・ロナウドは12年ぶりにマンチェスター・ユナイテッドのユニフォームを身にまとった。再デビューとなった9月11日のニューカッスル戦で2ゴール。 “持っている男” らしい活躍に、世界中のユナイテッド・サポーターがキュンとなっていた。

その後もチャンピオンズリーグ(CL)の決勝ラウンド進出に貢献したり、22年3月12日のトッテナム戦でハットトリックを決めたり、さすがのパフォーマンスで周囲を唸らせはしてきた。

ただ、さしものC・ロナウドでも救世主にはなりえなかった。

➀ファーガソン退任後、監督の人選が一貫していない

②莫大な補強費を使った割には戦力が充実していない

➂オーナーのグレイザー・ファミリーは金儲け最優先

ユナイテッドには構成上の問題が山積している。

飽きもせず致命的なミスを次々に犯してきたのだから、もはやC・ロナウドでも手の施しようがなかった。リオネル・メッシやカリム・ベンゼマ、ロベルト・レヴァンドフスキといった歴戦の勇士でも、キリアン・エンバペやアーリング・ハーランドのような新世代を代表するアタッカーでも、V字回復には導けなかったに違いない。

現有戦力でマンチェスター・シティ、あるいはリヴァプールのトップチームに定着し、なおかつレギュラーポジションを手中にできるのは、おそらくブルーノ・フェルナンデスただひとりだ。

C・ロナウドも衰えを隠せなかった。

緩急の変化でかわせたはずの相手DFをはがせない。イーヴンのボールを競り合いながらショルダーチャージを挑んでも、あっさりバランスを崩す。普段から摂生に努め、食事やトレーニングなどで疲労回復を図っているにもかかわらず、プレミアリーグ特有のプレー強度が37歳の肉体を蝕んでいく。

週に2試合ペースの連戦は難しく、相手DFのビルドアップをけん制する動きすらできなくなっている。足首、ハムストリング、臀部などに不安を抱え、C・ロナウドはベストとは程遠い状態で最終盤を迎えた。

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プレミア一本に絞れるのは好都合

本稿執筆時点で6位のユナイテッドは勝点50。試合消化数がひとつ少ない4位のアーセナルに、4ポイントのリードを許している。CL出場権確保が怪しくなってきた。

各選手の個性が最も発揮される基本陣形が、いまだ見つかっていない。プレーも判断も絶望的なまでに鈍いハリー・マグァイアが全体のリズムを損ね、ボトム10のクラブにも少なからぬポイントを献上してきたのだから、現状を甘受すべきだ。

いつまで経っても上向かないユナイテッドを見飽きた一部のメディアは、エリック・テン・ハーグ、マウリシオ・ポチェッティーノ、トーマス・トゥヘルなど、来シーズンの新監督に関する情報にウェイトを置き始めている。

「ふざけてもらっては困る」

C・ロナウドにも意地がある。今シーズンの最終結果が出ていないにもかかわらず、新監督の話題に時間(誌面)が割かれてはプライドが許さない。

チェルシー戦とリヴァプール戦がまだ残っている。いや、世界水準の強豪だろうが、降格圏で苦しみもがいていようが、対戦相手を云々している場合ではない。ユナイテッドはしゃにむに闘い、できるだけ多くのポイントを加えなければならない。

そのためには、C・ロナウドが奮起するしかないのである。CLもFAカップもベスト8にすら進めなかった不振が幸いし、今シーズンのターゲットをプレミアリーグの4位以内に絞れる。体力的に不安のあるC・ロナウドには好都合だ。

「ストイックなまでの自己管理には脱帽するしかない。大事な大事な最終盤に向け、彼のコンディションは上向いてくるはずだ」

OBのデニス・アーウェンが期待している。

「年齢を踏まえると中2、3日のスケジュールは厳しいかもしれないが、試合間隔が1週間ほどあれば、彼はコンディションを必ず整える。心強い限りだ」

ラルフ・ラングニック暫定監督の信頼も揺るがない。

残念ながら、2021-22シーズンのC・ロナウドは無冠(チームタイトルなし)に終わる。ユナイテッドからレアル・マドリードに移籍した09-10シーズン以来の屈辱……。味気なく、はかない一年だった。しかし、伊達や酔狂で歴代最多の807ゴールを積み重ねてきたわけではない。勝負所の強さは、いつだって世界一だ。

C・ロナウドが振る舞う “最後の晩餐” は、残り9試合で二度のハットトリックを含む15ゴール、と大きく見積もっておこう。そしてこの男の躍動が、ユナイテッドにCL出場権をもたらす。

フィナーレは華やかに──。

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文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

粕谷秀樹のNOT忖度

配信情報

プレミアリーグ第31節
マンチェスター・U対レスター

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:4月3日(日)1時30分
  • 解説:水沼貴史 実況:野村明弘
  • 会場:オールド・トラッフォード

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