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明治安田J1リーグ

【コラム】対戦相手の包囲網をかいくぐれるか。横浜F・マリノスが再開初戦で図るチームの現在地

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【国内サッカー・ライターコラム】7月4日、ついにJ1リーグが再開する。昨年の王者である横浜F・マリノスは、再開初戦で浦和レッズと対戦。2019シーズンのJ1リーグを席巻した攻撃力で、今季初勝利を目指していく。
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■ポステコグルー体制3年目。多士済々な攻撃陣が揃う

横浜F・マリノスは攻撃的なチームに生まれ変わった。15年ぶりの優勝を成し遂げた昨季、1試合平均2得点の総得点68という数字を叩き出した事実が、スタイルの変化を端的に物語っている。

かつては堅実な守備をウリにする玄人好みのチームだった。1点を争う接戦をセットプレーで制す展開も多く、派手さよりも、ここぞという場面での勝負強さが長所となっていた。

それがアンジェ・ポステコグルー監督の就任と同時に大きく方向転換。『アタッキングフットボール』を掲げ、改革に着手する。就任1年目の2018シーズンこそ残留争いに巻き込まれる苦しい時期を過ごしたが、戦術が浸透して選手の理解が格段に進んだ2年目はリーグトップのゴール数を記録して栄冠をつかみ取った。

連覇を狙う今季、クラブはさらなる進化を目指して意欲的な補強を行った。新たなエースストライカー候補としては、昨季に大分トリニータでリーグ戦10得点をマークしたFWオナイウ阿道を、右サイドには正確なクロスと運動量が持ち味のMF水沼宏太をセレッソ大阪からそれぞれ獲得。攻撃的なポジションの競争が激化した。

既存戦力のほとんどが残留したことも大きなポイントだ。MVP&得点王のFW仲川輝人やトップ下が主戦場ながら仲川と並んで得点王に輝いたMFマルコス・ジュニオール、さらには万能型FWエジガル・ジュニオ、爆発的なスピードと得点力を誇るFWエリキ、東京五輪世代のサイドアタッカーMF遠藤渓太など、多士済々な顔ぶれが揃う。開幕節はエジガル・ジュニオとエリキが負傷明けでベンチスタートだったが、約4ヶ月の中断期間を経て、現時点で攻撃陣に離脱選手はいない。2チーム分以上のアタッカーを揃えた豪華な陣容は、他チームからすれば脅威だろう。

また、基本戦術と攻撃パターンに大きな変化はないが、スタイルを継続することによる戦術浸透度の高さが最大の武器となる。開幕戦でチャンスを決め切れなかった仲川は、再開初戦の浦和レッズ戦に向けて「この中断期間をポジティブに捉えて、オフェンスの質が高まってきたことを実感している。今度は自分自身のファーストゴールを決めて、どんどん得点を重ねていきたい」と意欲を見せている。

さらに、中断期間中にはベルギー2部のロケレンへ期限付き移籍をしていたMF天野純が約10ヵ月ぶりに復帰。トップ下とボランチの両方をこなすレフティーはセットプレーの局面で存在感を発揮することが期待され、走れるプレーメーカーとしても攻撃に新たなアクセントをもたらすこと間違いなしだ。

■キーマンは昨季12試合で8得点を叩き出したエリキ

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ついに出揃った陣容でキーマンを挙げるとすれば、昨夏に加入して12試合8得点と優勝に大きく貢献したエリキだろう。圧倒的なスピードと得点能力が武器で、新たに起用されている左ウイングだけでなく3トップの中央でも計算できる。開幕戦は途中出場にとどまったが、再開後はエンジン全開でオフェンスをけん引していくはずだ。

そして、リーグ最多得点を支える決定機の数の多さこそ、王者たる所以。新加入の水沼も「チャンスが多くあるチームだからこそ、ゴールという結果が求められる」と決意を口にする。1対2で敗れた開幕戦のガンバ大阪戦では、マルコス・ジュニオールの1得点のみに終わった。これでは不完全燃焼と言わざるをえない。

いついかなる時も手を緩めることなく相手ゴールを狙うのがトリコロールの姿勢だ。相手に研究されるのは想像の範疇で、王者にはそれを上回っていくだけの力が求められる。各ポジションに質の高い選手を揃える浦和レッズは、ディフェンディングチャンピオンの現在地を図る格好の相手と言えるだろう。

文・藤井雅彦

1983年、神奈川県生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、2006年からサッカー専門新聞『EL GOLAZO』の横浜F・マリノス担当を務め、現在はwebマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』の責任編集としてチームに密着し続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、書籍の執筆・構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』、『サッカー・J2論』(すべてワニブックス)がある。

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明治安田生命J1リーグ第2節 放送予定

日時対戦カード会場放送予定
7月4日(土) 18:00横浜FC vs 北海道コンサドーレ札幌ニッパツDAZN
7月4日(土) 18:00清水エスパルス vs 名古屋グランパスアイスタDAZN
7月4日(土) 18:00ガンバ大阪 vs セレッソ大阪パナスタDAZN
朝日放送テレビ(録)
7月4日(土) 18:30大分トリニータ vs サガン鳥栖昭和電ドDAZN
7月4日(土) 19:00浦和レッズ vs 横浜F・マリノス埼玉DAZN
7月4日(土) 19:00柏レイソル vs FC東京三協F柏DAZN
7月4日(土) 19:00川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ等々力DAZN
NHK BS1
スポーツナビ
7月4日(土) 19:00湘南ベルマーレ vs ベガルタ仙台BMWスDAZN
NHK仙台(録)
7月4日(土) 19:30ヴィッセル神戸 vs サンフレッチェ広島ノエスタDAZN

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