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伊紙が見たまさかのイタリアの敗退、北マケドニア戦の敗因は?不毛な猛攻とマンチーニのミス | FIFAワールドカップ欧州予選

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伊紙が見たまさかのイタリアの敗退、北マケドニア戦の敗因は?不毛な猛攻とマンチーニのミス | FIFAワールドカップ欧州予選DAZN
【欧州・海外サッカーニュース】25日(日本時間)の2022年FIFAワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフで北マケドニアに敗れて本大会出場を逃したイタリア。カルチョの国では、欧州王者の敗退をどのようにとらえたのだろうか。

ロベルト・マンチーニ率いるイタリアは、2大会ぶりのW杯出場を目指し、欧州予選POパスC準決勝へと臨んだが、格下の北マケドニア相手に30回以上にも上るシュートを浴びせるも、ゴールをこじ開けることはできず、後半アディショナルタイムの元パレルモのFWアレクサンダル・トライコフスキの決勝弾に屈し、4年前に続いてまたしてもPOで涙をのんだ。

イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』は、アッズーリの悲劇の一戦をどのように見たのだろうか。北マケドニアとの前半戦は「不毛な猛攻」だったと指摘している。4年前のPOの対戦相手である「スウェーデンの亡霊が顔を出し、あらゆる攻撃が混乱し、甘く正確性を欠いたものになった」。「EURO2020の時のエレガントなイタリアとはかけ離れたものだった」と振り返る。

精彩を欠いた主力、自らを見失ったイタリア

45分間にわたって攻撃を仕掛け続けたアッズーリ。だがそれは「北マケドニアの能力の限界だったのかもしれなければ、もしかしたら戦略であったのかもしれない」。いずれにせよ「イタリアの熱量は感じられず、プレーは混乱し、常にワンタッチ多く、足元にボールを持ちすぎだった」。

「北マケドニアの壁に阻まれたゴールチャンスの数は心配すべきほどだった」が、イタリア紙は「イタリアが自分たちのプレーを見失っていた」と指摘している。「イタリアはゴールへの道筋が見えず、高いクロスを送り続け、本来の特徴である低いボールや裏のスペースを狙った勝利の一手を見失っていた」と分析する。

主力のロレンツォ・インシーニェやチーロ・インモービレ、ニコロ・バレッラやジョルジーニョなど、「いつもより低調なパフォーマンスだった選手があまりにも多すぎた」。一方、「(アレッサンドロ)フロレンツィ、(アレッサンドロ)バストーニ、(マルコ)ヴェッラッティ、(好機を逃したあのミスを除けばドメニコ)ベラルディだけがアイディアを考え出そうとしていた」として、前半に評価に値するパフォーマンスを見せたとの考えを示した。

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続く後半戦は、「ベラルディだけ」が気を吐いていたとイタリア紙は見ている。「後半は何も変わらず、むしろ猛攻は激しくなり、ベラルディが20分間で4回シュートを放ち、際立ったプレーを見せた」と指摘。「ミスもあったが、このうち3回はゴールになってもおかしくないシュートだった」と振り返った。

一方、64分にサッスオーロの若手ジャコモ・ラスパドーリと交代してピッチを去ったインシーニェのパフォーマンスは期待外れのものだった。「ナポリの選手はもっとやるべきことがあったはずだが、一度もチャンスメイクをすることなく、ちょっとした味方のサポートにとどまった」と指摘している。

「サッスオーロの若手は攻撃にスピードをもたらし、(ロレンツォ)ペッレグリーニや(サンドロ)トナーリも投入されたが、絶望的な猛攻のまま。みんなが夢見ていたのは、こんなイタリアではない」とイタリア紙は主張する。「不本意ではあるが、北マケドニアが何かを奪ったわけではない。イタリアが自ら歩むべき道を見失ったのだ」と北マケドニア戦での敗因を述べた。

欧州王者の幻想、取り残されたイタリア

昨年のEUROで奇跡を起こしたアッズーリ。だが「誰もが待ちわび、信じていた奇跡は再び起こらず、パレルモの夜は終わりのない悲嘆をもたらしたのだった」。イタリアが2大会連続でW杯予選敗退となった背景には、欧州サッカーが進化を続ける中、「イタリアのカルチョは辺境で取り残されてしまった」という状況がある。

ウェンブリースタジアムで優勝トロフィーを掲げ、「強豪国の立場」を取り戻したかに見えたが、あれは「幻想だった。EUROの1カ月は、長い失望の年月の狭間の喜びでしかなかった」とイタリア紙は振り返る。

遡ること8年前の2014年ブラジル大会。イタリアはグループステージ1勝2敗の成績で敗退に終わり、当時はあれが「どん底」だと考えられていた。だがアッズーリは「あれから後退を続けている」のだ。「あまりにも後退し、前回のスウェーデンよりもはるかに戦力が低い北マケドニアに大会から放り出された」とイタリア紙は皮肉を述べた。

マンチーニはミスを犯したが…

このアッズーリの退化の理由に、近年、ヨーロッパの舞台で結果を残せずに低迷するセリエAのレベルの低下や才能ある選手が不在であることが指摘されている。挙句、「いかに再出発し、かつて背後にいたチームにつけられた大きな差を埋めるべきか、アイディアの共有もできていない」と現状を嘆いた。

その上で、イタリアがW杯出場を逃したのは、カルチョ全体のシステムに原因があると指摘。1968年以来となるEURO優勝を果たした指揮官マンチーニを、「裁判にかけることは不当であり、間違いである」との見解を示した。

確かにマンチーニはミスを犯した。だが、それは「セリエAで結果を残した若手を中心とした方が良かったにも関わらず、ピークを過ぎた選手を頼り続けた」ことであり、「それはありきたりのミスだ」と主張する。

最後にイタリア紙は、今後の課題としてカルチョの収益化の向上を挙げている。「2大会連続でW杯行きのチケットを逃したことは、イタリアで前代未聞の出来事であり、カルチョ界にとてつもない経済的損害をもたらす」惨事だ。

だからこそ「カルチョは、収益の継続的な成長がないまま、育成部門に投資をせず、勇気ある技術的な決断も下せなければ、どこにもたどり着けないことを理解すべきだ」と指摘。新たなカルチョの構築へ方向の転換を訴えた。

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