浦和イレブンが猛抗議したのは、J1第3節浦和vs横浜FCの40分。
横浜FCからボールを奪い、攻撃へと転じた浦和。その起点となったFW明本考浩に対して、横浜FCの2選手が激しく衝突する。
ただそのこぼれ球を拾ったMF伊藤敦樹がMF小泉佳穂へと繋いで浦和の攻撃が続いたことで、主審はアドバンテージを宣告すると、その流れから伊藤がネットを揺らしたが、小泉がボールを受けた位置がオフサイドポジションだったことで、VARによるオフサイドディレイによってゴールは取り消された。
ただこの判定に浦和は猛抗議。アドバンテージで流していた横浜FCのファウルが危険だったため、主審に対してカードの提示を主張するが、イエローカードが提示されることなく、波紋を呼んだ。
この一連のプレーにおいて2点に焦点を当てて議論が行われた。
1つ目は、オフサイドディレイによるゴール取り消しの判定について。この点は、Jリーグ副理事長の原博実氏、Jリーグウォッチャーの平畠啓史氏、審判員ゲストの深野悦子氏も「正しかった」と満場一致の意見を述べる。
ただもう1つの焦点となったアドバンテージで流した明本へのファウルに対してイエローカードを提示するべきかいう点について原氏は、「一発レッドかと言われれば、レッドではないと思うが、ラフプレーに近い。僕は(イエロー)カードを出して良いと思う。おそらく選手たちもそういう意見ですよね」と見解を示す。
ジャッジの分かれ目として横浜FCの2選手のタックルがラフプレーに該当したかが肝となる。仮に“ラフプレー”だと判断されれば、イエローカードの提示は可能だが、チャンスを潰した行為の“SPA”に該当する判断を下された場合には、イエローカードが提示できないルールとなっている。
ただリプレイ映像を確認すると、MF安永玲央が明本を倒しており、DF中塩大貴の足裏での危険なタックルは、味方同士で接触をしていることが確認できる。
この一連のプレーについてFIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野氏は、こう解説している。
「主審は、イエローカードを出さなかったので“ラフ”だと判断しなかったんだと思います。私もそのシーンを見た時に、まず後ろの選手(安永選手)が押したことでファウルだと感じてプレーオンにしたと思いました。“ラフ”か、“ラフじゃない”かの判断としては、(中塩選手が)足の裏で体を投げ出す形でいきましたが、”接触したか”で言われると接触はしていない。いわゆるグレーゾーンということも考えるとイエローカードに近いノーカードという考え方もある」
確かに接触したかで判断すれば、中塩の危険なタックルは、イエローカードには該当しないだろう。一方で浦和の選手達は、明らかな危険を感じたことで猛抗議に至った経緯もある。仮にそのタックルが明本に直撃していれば、もっと悲惨な出来事になっていた可能性も否めない。
それだけに現行ルールと照らし合わせて、選手達が感じるラフプレーの基準を今後検討していく必要性は、大いにありそうだ。
Jリーグジャッジリプレイ
- 配信:DAZN
- 配信日:毎週火曜日
- MC:桑原学
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