今回、徹底的な議論が行われたのはJ1第20節湘南対柏の57分の場面だ。
湘南の攻撃シーン。ロングスローからファーサイドまで流れてMF山田直輝がシュート。そのこぼれ球をタリクが押し込んで得点が生まれた。しかし、ここでVARが介入し、オン・フィールド・レビューを行った結果、ディフェンスの跳ね返りがタリクの右手に当たっておりハンドの判定でゴールが取り消された。今回はこの場面について議論した。
最初に意見を求められた平畠氏は「ハンドかなと思いますけど、あれは避けようがないですよね」と語った上で、「なかなか厳しいな、ハンドになってしまうのかという印象です」と回答した。
続けて原氏は「タリクがDF側だったらハンドではないと思う。でも、今の新しいルールの解釈では攻撃側が直後に得点という時には、これをハンドに取るとなってしまっている。今のルールだとハンドなのかなと思う」と同調した。
両者の意見が出た中、新競技規則の改正によるポイントを含め、JFA審判S級インストラクターを務める廣嶋氏が解説した。
「これがハンドであるかどうかで言うと、原さんがおっしゃられたことが的確でハンドになると考えます。腕の位置がどうであれ、腕あるいは手にボールが当たった時、直後にその選手が得点をあげた、あるいは腕や手に当たったボールが直接ゴールに入ったときは得点を認めない。なので、これは得点が取り消しというのが正しい判定です」
今回の改正によって変わったところで言うと、例えばタリクの腕に偶発的に当たったボールを他の選手が決めた際にはゴールになる。これに対して廣嶋氏は「今年の改正で言うと、そこが大きく変わったところですね。得点機会という言葉がなくなってしまったので、当該選手でなければ得点が認められるということです」と語り、現状のルールを説明した。
また、廣嶋氏はこのルール改正の時にレフェリー陣が受けた説明を明かしている。
「フットボールエキスペクテイションというサッカーが期待しているものの中で、腕に当たって得点になるのをサッカーは期待していないと。そういう説明を受けました。そういうところなので致し方ない判定だと思います」
競技規則の改正により変わったハンドの判定。今後のジャッジにも注目したい。
■JFA 2021/2022年の競技規則改正について(抜粋)
競技者が次の状況に至った場合、ハンドの反則になる。相手チームのゴールに
・偶発的であっても、GKを含め、自分の手や腕から直接得点する。
・偶発的であっても、ボールが自分の手や腕に触れた直後に得点する。
Jリーグジャッジリプレイ
- 配信:DAZN
- 配信日:毎週火曜日
- MC:桑原学
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