新型コロナウイルスの影響で、中断期間に入っている明治安田生命J1リーグ。東京五輪世代のパフォーマンスに注目が集まる今シーズンだが、歳を重ねながらもなお奮闘する鉄人の活躍も見逃せないポイントだ。
今回は1980年以前に生まれたJ1クラブ所属の7選手を紹介。日本サッカー界が誇るレジェンドを筆頭に、クラブ一筋の“バンディエラ”もいれば、様々なクラブを渡り歩いてきた選手の名前も。豊富な経験でチームを支えるベテランたちに注目してみよう。
三浦知良(横浜FC)
カズが、J1に帰ってきた。
日本のみならず、世界からも大きなリスペクトを寄せられる中、2月26日に53歳の誕生日を迎えたキングカズ。J2で最年長記録を積み上げ続けてきた日本サッカー界のキングが、13年ぶりにJ1の舞台で戦う。
Jリーグが創設され、ワールドカップアジア最終予選で「ドーハの悲劇」を経験した1993年からは、四半世紀以上が経過した。Jリーグ草創期の当時ともにしのぎを削った盟友たちは、すでにそのほとんどがセカンドキャリアを歩んでおり、指導者として活躍している者も少なくない。その中でも今なお現役として挑戦を続ける生粋のサッカー小僧。それが三浦知良だ。
久々のJ1での戦いで注目されるのは、中山雅史(北海道コンサドーレ札幌)が2012年に45歳2カ月1日で達成したリーグ最年長出場記録、そしてジーコ(鹿島アントラーズ)が1994年に41歳3カ月12日で達成した最年長ゴール記録の更新。また、在籍16年目を迎えた横浜FCのJ1残留も、託された大きなミッションだ。契約更新が各国メディアで報道されるなど、世界からも大きな注目を集めるカズ。Jリーグの歴史が動くその瞬間を、楽しみに待とう。
三浦知良・1967年2月26日生まれ
シーズン | 所属 |
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90-92 | 読売クラブ |
92-94 | ヴェルディ川崎 |
94-95 | ジェノア |
95-98 | ヴェルディ川崎 |
98-99 | クロアチア・ザグレブ |
99-00 | 京都パープルサンガ |
01-05 | ヴィッセル神戸 |
05 | 横浜FC |
05-06 | シドニーFC |
06-20 | 横浜FC |
中村俊輔(横浜FC)
説明不要のスーパーレフティーだ。ジュビロ磐田に所属していた昨夏、キャリアで初めてとなるJ2に戦いの場を求め、移籍先の横浜FCをJ1昇格に導いた。J1通算387試合73得点。6月に42歳となるが、その左足は依然として輝きを放ち続けている。
日本代表では2度のワールドカップ出場をはじめ、国際Aマッチ通算98試合24得点をマーク。またセルティック(スコットランド)在籍時には、UEFAチャンピオンズリーグにおける日本人初得点を、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)からFKで挙げた。代名詞ともいえる直接FKによってJ1で積み重ねた得点は歴代最多の24を数える。自身3年ぶりとなる伝家の宝刀炸裂となるのか。横浜FCのセットプレーは必見だ。
中村俊輔・1978年6月24日生まれ
シーズン | 所属 |
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97-98 | 横浜マリノス |
99-02 | 横浜F・マリノス |
02-05 | レッジーナ |
05-09 | セルティック |
09-10 | エスパニョール |
10-16 | 横浜F・マリノス |
17-19 | ジュビロ磐田 |
19-20 | 横浜FC |
曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)
ユース時代から鹿島アントラーズ一筋を貫き、クラブ最長在籍記録を更新しているGK。2007年から2014年にかけて樹立した連続フルタイム出場試合「244」は現在もJ1史上最長記録だ。ここ2シーズンはクォン・スンテとのポジション争いの末、ベンチに回る試合が多かったものの、準備を怠らない姿は若手の見本となっている。
J1通算出場試合数は歴代5位の532。同6位(525試合)の小笠原満男、本山雅志、中田浩二といった同期入団の面々とともに、2000年代以降の常勝・鹿島を最後尾から支え続けてきた。在籍22年で獲得したタイトルは計17冠。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督のもとチームが大きく様変わりする中でも、スピリットを注入することができる勝利の求道者だ。
曽ヶ端準・1979年8月2日生まれ
シーズン | 所属 |
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98-20 | 鹿島アントラーズ |
南雄太(横浜FC)
柏レイソルに所属していた2009年以来11年ぶりに、“黄金世代”の守護神がJ1へ戻ってきた。日本が史上初の準優勝に輝いた1999年のFIFAワールドユース選手権。小野伸二、高原直泰、稲本潤一ら当時のメンバーは、日本サッカーの“黄金世代”として現在まで語り継がれている。フィリップ・トルシエ監督率いるタレント軍団のゴールマウスを守ったのが、南雄太だった。
ルーキーイヤーから正位置を確保した南は、J1通算246試合、J2通算363試合に出場。その数字は、GKとしての信頼度の大きさを表すのに十分だろう。J1通算142試合出場と実績が豊富な六反勇治が加入したが、ポジション争いは歓迎。柏時代ともにプレーした下平隆宏監督を男にすべく、横浜FCのゴールにカギをかける。
南雄太・1979年9月30日生まれ
シーズン | 所属 |
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98-09 | 柏レイソル |
10-13 | ロアッソ熊本 |
14-20 | 横浜FC |
遠藤保仁(ガンバ大阪)
J1開幕節の横浜F・マリノス戦に出場し、J1通算出場記録を歴代最多の楢﨑正剛に並ぶ「631」とした遠藤保仁。日本代表の歴代最多キャップ数「152」を誇り、昨季は公式戦通算1000試合出場も達成した鉄人だ。自身が持つ歴代最長の連続シーズン得点記録は、横浜フリューゲルス時代のルーキーイヤーから続く22。40歳で迎える今季も記録更新の期待がかかる。
様々な記録に目が移りがちだが、遠藤の真骨頂は豊富な経験に裏打ちされた戦術眼と正確なパス。教科書通りのインサイドキックを駆使して膠着した状況を打破していく作業は、芸術の域に達している。宇佐美貴史やアデミウソン、小野瀬康介といったタレント揃いのG大阪アタッカー陣をどのように動かしていくのか、日本が誇るパス職人のゲームメイクに注目しよう。
遠藤保仁・1980年1月28日生まれ
シーズン | 所属 |
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98 | 横浜フリューゲルス |
99-00 | 京都パープルサンガ |
01-20 | ガンバ大阪 |
中村憲剛(川崎フロンターレ)
中央大学から当時J2だった川崎フロンターレに加入したのは2003年のこと。クラブとともに歩み、シルバーコレクターが続いた惜敗の歴史を誰よりも知る、川崎Fのバンディエラだ。プロデビュー以後、J1通算458試合、J2通算75試合、日本代表で国際Aマッチ通算68試合に出場し、文字通りJリーグを代表する司令塔へと上り詰めた。プロ18年目となる今季は、昨季負った左膝のけがの影響でリハビリからのスタートとなっている。
昨季は負傷に加えて脇坂泰斗の台頭もあり、20試合の出場にとどまった。今季も三笘薫、旗手怜央といった即戦力の大卒ルーキーが加入し、ポジション争いは熾烈を極めることが予想される。しかしながら2年ぶりの王座奪回を目指す川崎Fにとって、中村憲剛の存在感は何物にも代えがたい財産であることに変わりはない。クラブを誰よりも愛する永遠のサッカー少年は、10月31日に40歳の誕生日を迎える。
中村憲剛・1980年10月31日生まれ
シーズン | 所属 |
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03-20 | 川崎フロンターレ |
西部洋平(清水エスパルス)
帝京第三高校から1999年に浦和レッズに加入し、以降は鹿島アントラーズ、清水エスパルス、湘南ベルマーレ、川崎フロンターレでプレー。2016年に6年ぶりとなる清水帰還を果たしたGK西部洋平も、12月で40歳の節目を迎える。ハンス・オフト監督(浦和)、長谷川健太監督(清水)、反町康治監督(湘南)、風間八宏監督(川崎F)といったJリーグを代表する指導者のもとで、多岐にわたるスタイルに順応しながら信頼と定位置をつかみ続けてきた。
西部の経歴は、年代別代表に名を連ねていた曽ヶ端準や南雄太とは少し毛色が異なる。サッカーを始めたのは高校から。入学時に素人同然だった少年は運動能力の高さと素直な吸収力を生かして頭角を現し、プロ契約を勝ち取った。
昨季は4年ぶりにJ1の試合でゴールを守り、通算300試合出場も達成。今季はネト・ヴォルピという強力なライバルが加入したが、いつも通りの準備を重ねて出番に備える。ピーター・クラモフスキー新監督のもと復権を誓う清水にとって、西部の経験値は大きな力となるはずだ。
西部洋平・1980年12月1日生まれ
シーズン | 所属 |
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99-03 | 浦和レッズ |
03 | 鹿島アントラーズ |
04-10 | 清水エスパルス |
11 | 湘南ベルマーレ |
12-15 | 川崎フロンターレ |
16-20 | 清水エスパルス |
不惑を迎えてもなおJ1の舞台で活躍する鉄人たち。数え切れないほどの喜びと苦しみをサポーターと共有してきた選手たちの、円熟味あふれるプレーにもぜひ注目してもらいたい。
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