ドイツ代表の前線はしばらく安泰だろう。2020年夏にライプツィヒからチェルシーにステップアップ移籍したFWティモ・ヴェルナー、ブンデスリーガで4シーズン連続の2桁得点を決めたFWセルジュ・ニャブリに加え、2020-2021シーズンからバイエルンでプレーするFWレロイ・サネと、伸び盛りの優秀なアタッカーがひしめいている。
2014年3月にシャルケのトップチームデビューを果たしたサネが、ヨーロッパ中にその名を轟かせたのは14-15シーズン。チャンピオンズリーグ(CL)デビューを飾った敵地でのラウンド16・レアル・マドリード戦で1ゴールを含む大車輪の活躍を見せ、「世界屈指の若手」と持て囃されるようになった。翌15-16シーズンにはシャルケで不動のレギュラーとなり、ブンデスリーガ33試合で8ゴール&6アシストをマーク。国外のビッグクラブからおおいに注目される存在となった。
そして2016年夏、推定5200万ユーロの移籍金でマンチェスター・シティに移籍。ジョゼップ・グアルディオラ監督が熱望した俊足ウインガーは、しかし負傷もあって即座にエンジン全開とはいかなかったが、加入から半年が経過したあたりから存在感を強め、最終的には公式戦37試合で9ゴール&7アシストという上々の結果を残した。
圧巻だったのはシティ2年目の17-18シーズン。激しいポジション争いの中で左ウイングの定位置を確保し、プレミアリーグ32試合で10ゴール&15アシストを記録。リーグカップとの2冠達成に大きく貢献し、PFA年間最優秀若手選手賞に輝いた。翌シーズンもリーグ戦で2桁得点&2桁アシストをマークし、熾烈な優勝争いを演じたリヴァプールとの頂上対決では値千金の決勝点。イングランド史上初の3冠(プレミア、FAカップ、リーグカップ)を成し遂げたチームでも重要な役割を演じた。
ドイツ代表デビューは2015年11月。ヨアヒム・レーブ監督から高い評価受け、2018年ロシア・ワールドカップのエントリーが確実視された。しかし、まさかの落選。本人は「正直に言えば失望しているけど、強くなって戻ってくる」とSNSで発信したが、ドイツがグループリーグで敗退したこともあり、レーブの決断は物議を醸すこととなった。
しかしW杯後は、世代交代を進めるチームの中で重要な存在となり、EURO2020予選では開幕から3試合連続ゴールを奪うなど、そのポテンシャルを存分に発揮。19年夏に前十字靭帯断裂の重傷を負い、2019-2020シーズンは代表でもクラブでも長欠を余儀なくされたが、“マンシャフト”の現在と未来を担っていく逸材である事実に疑いの余地はない。
プレースタイル
圧倒的なスピードと圧巻のボールスキルでサイドを蹂躙するウインガー。一瞬の加速とキレのあるドリブルで相手を翻弄するだけでなく、トップスピードでもぶれない技術を持ち合わせ、ゴールにアシストと決定的な仕事をこなす。さらには身体の強さや高精度のFKも持ち合わせる。2018年にはプレミアリーグ記録となる「時速35.48km」をマーク。その爆発的な加速を武器に、相手DFを置き去りにすることができる。
シティで名将グアルディオラに師事し、ポジショニングも飛躍的に改善された。SBとの連係に改善の余地を残しているものの、ピッチにいるだけで相手に脅威を与えられるアタッカーだ。
動画:プレー&ゴール集
プロフィール・経歴
レロイ・サネ/Leroy Sané
1996年1月11日生まれ 184cm・75kg 利き足:左
シーズン | 所属クラブ | 出場・得点 |
---|---|---|
2013-14 | シャルケ | 1試合・0得点 |
2014-15 | シャルケ | 13試合・3得点 |
2015-16 | シャルケ | 33試合・8得点 |
2016-17 | マンチェスター・シティ | 26試合・5得点 |
2017-18 | マンチェスター・シティ | 32試合・10得点 |
2018-19 | マンチェスター・シティ | 31試合・10得点 |
2019-20 | マンチェスター・シティ | 1試合・0得点 |
2020-21 | バイエルン・ミュンヘン | 21試合・4得点 |
※成績は国内リーグ(2021年2月28日現在)
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