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サッカー

【コラム】ラ・リーガ私的ベストイレブン「リーグMVPはジェラール・モレーノ」| 2020-21シーズン総括

【コラム】ラ・リーガ私的ベストイレブン「リーグMVPはジェラール・モレーノ」| 2020-21シーズン総括(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】スペインサッカーに精通するジャーナリストの小澤一郎氏が、2020-21シーズンのラ・リーガで輝いたベストイレブンを選出。MVPにはビジャレアルのFWジェラール・モレーノを挙げた。

アトレティコ・マドリードの優勝で幕を閉じた2020-21シーズンのラ・リーガ。今季の『私的ベストイレブン』選出にあたり、設定した条件がシーズンを通したチームへの貢献度とチームを超えた「ラ・リーガのアイコンになりえるか」だ。

システムはラ・リーガらしく4-3-3とした。まずはFWから。結果的にはピチーチ(得点王)ランキングの上位3名を選ぶこととなったが、ルイス・スアレス(アトレティコ)を入れることができなかった点は心苦しい。

バルサ退団を宣言した夏を経てのシーズンで見事30ゴール、5シーズン連続8度目のピチーチに輝いたリオネル・メッシは文句なしの選出。メッシがラ・リーガでプレーしている限り、毎年のベストイレブンの枠は開幕前から1枠埋まることになるのだが、バルセロナとの契約がひとまず6月末で切れることになっている現状からすると、来季も「メッシ」枠を確保した状態で開幕を迎えたい。

残り2名は、23ゴールのベンゼマ(レアル・マドリード)とジェラール・モレーノ(ビジャレアル)を選んだ。ベンゼマはゴール数はもちろん、攻撃の起点を作るポストプレー、フィニッシュワークと全ての要素で輝きを見せ、ある意味でキャリアハイと言っても過言ではないシーズン。EURO本大会に向けたフランス代表入りも納得だ。

ビジャレアルのリーダーとなったG・モレーノは個人的には今季のリーグMVP。スペイン代表はもちろん、メッシ、ベンゼマ、スアレスらに並ぶラ・リーガを代表するストライカーに成長したシーズンとなった。

クンデはラ・リーガの顔に

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MFは結果的に3強から一人ずつの選出となった。

まずはピボーテのカゼミーロ(マドリー)は攻撃面でも進化を見せたシーズンを送り、6ゴールを奪った。フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ)も完全にバルサのリーダーに相応しいプレーを披露。4-3-3のインテリオールはもちろん、3バック採用以降のCBでのプレーや前線にダイナミックに飛び出すセカンドストライカーまで幅広いタスクをこなし、フィールドプレーヤーではチーム最多のプレータイム(37試合出場|3158分)を記録した。

最後はアトレティコの私的MVPたるマルコス・ジョレンテ。右サイドの内側のレーンを駆け抜けるスプリントは国内では無双状態。12ゴール、11アシストの数字に象徴されるように、攻撃での進化が著しいシーズンだった。

4枚のDFラインは、まず左にジョルディ・アルバ(バルセロナ)。コパ・デル・レイを獲ったとはいえ、シーズンの終わり方からして「失意の1年」とも言えるバルサにあって、アルバは長期離脱もなく稼働率の高いシーズンを送り、35試合(3029分)に出場した。メッシとのホットラインは健在で、3バックのウイングバックとしてプレーしてからはより攻撃面での貢献が目立った。

CBはジュール・クンデ(セビージャ)とステファン・サヴィッチ(アトレティコ)の2人。昨季の時点でブレイクしていたクンデは今季セビージャのみならず、ラ・リーガの顔になりえるプレーを国内外で披露した。サヴィッチは完全にアトレティコのDFリーダーに成長。フェリペやホセ・マリア・ヒメネス、マリオ・エルモーソと層が厚いCB陣で最多の33試合、2954分に出場し、ビルドアップの精度も上げた。

右SBにはキーラン・トリッピアー(アトレティコ)を選出。シーズン通しての稼働率という意味ではセビージャのヘスス・ナバスと悩んだが、やはり優勝チームの絶対的主力であること、加えて彼の制裁期間中のチームの躓きを見ると貢献度と相手への脅威ではトリッピアーに勝る右SBは今季いなかった。

序盤戦に"パラドン"連発のクルトワ

GKは順当に選べば全38試合にフル出場し、25失点で5度目のサモーラ(最少失点)賞を受賞したヤン・オブラク(アトレティコ)になるのだろうが、決定機阻止とゲームメイク、カウンターの起点作りなど戦術面を考慮して、個人的にはティボー・クルトワ(マドリー)を選びたい。

全38試合に出場し、オブラクに次ぐ28失点。特に光ったのがマドリーが不安定だった序盤戦に見せた活躍だ。簡単に決定機を作られるなか、クルトワはパラドン(スーパーセーブ)連発でチームを救っていた。

以上が私のラ・リーガ私的ベストイレブンだ。

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最後にベスト監督はディエゴ・シメオネ。セルタのエドゥアルデ・コウデも素晴らしい手腕を見せたが、やはり今季はアトレティコ、そしてシメオネのシーズンだ。守備的、保守的だったイメージを180度変える攻撃的で挑戦的なポジショナルプレーと、それを実践するための柔軟な可変システムは戦術的にも見事だった。

監督がこれだけ進化できるのであれば、監督にサイクルなどない、ラ・リーガでも長期政権は可能ということを示した10年目のシーズンだった。

小澤氏選出のベストイレブン

  • FW:メッシ、ベンゼマ、ジェラール・モレーノ
  • MF:デ・ヨング、カゼミーロ、マルコス・ジョレンテ
  • DF:ジョルディ・アルバ、クンデ、サヴィッチ、トリッピアー
  • GK:クルトワ

文・小澤一郎

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。社会人経験を経て2004年にスペインに移住。バレンシア在住歴5年、スペインでは育成年代の指導者経験もあり。現在は、DAZNでラ・リーガ中継の解説も務める。(株)アレナトーレ所属。

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