エラーコード %{errorCode}

プレミアリーグ

【コラム】躍進ブライトンを徹底解剖「明確なゲームプランに基づいて闘えるチームだ」| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】躍進ブライトンを徹底解剖「明確なゲームプランに基づいて闘えるチームだ」| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】2020-21シーズンは16位だったブライトンが好調だ。プレミアリーグ上位につけるほど躍進を遂げた理由や戦術メカニズムを解き明かす。

特定の個に依存しないゲームプラン

プレミアリーグ第6節を終了して6位。ブライトンリヴァプールマンチェスター・シティチェルシーマンチェスター・ユナイテッドのビッグ4、そしてエヴァートンに次ぐ順位につけている。

「序盤戦すら終わっていない」

「対戦相手に恵まれただけだ」

耳障りな意見が聞こえてくる。

たしかに序盤戦すら終わっていない。しかし、昨シーズンは16位に終わったチームが、大躍進していることだけは事実だ。

対戦相手に恵まれた? バーンリーワトフォードブレントフォード……なるほどこちらもそのとおりって、いやいや、第5節にはレスターを2-1で退けている。ビッグ4の一角を崩す一番手として、各方面から期待されているチームから3ポイントを奪ったのだ。ブライトン、好調。

16位に終わったとはいえ、昨シーズン38試合のゴール期待値は53.82。わかりやすくいえば、決定機は創れるものの得点に至らない。総得点はゴール期待値より13.82も少ない40(リーグ15位)。前線の破壊力を欠いた。

ニール・モペイとレアンドロ・トロサールは巧みなアタッカーだがパワー不足で、三十路を迎えたダニー・ウェルベックは古傷の足首、膝の痛みに苦しんでいる。もはやかつての彼ではない。しかも、今夏の移籍市場でストライカーを獲得できなかったため、決定力不足を解消できずに新シーズンを迎えた。

6節終了時点で8得点。決して多くはない。しかし、ブライトンは特定の個に依存せず、明確なゲームプランを実践できているからこそ、大崩れしないのだ。

「イングランド人で最高の監督だ」

2021-0927-Brighton-Graham-Potter

基本陣形は3-4-1-2。相手ボールの際は両ウイングバックが高い位置で縦を抑えつつ、パスコースを限定。中盤センター、もしくはセンターバックも加わってボールを奪い取る。

また、ポゼッションの際は両ウイングバックが幅を取り、ピッチ中央やハーフペースでポゼッションしながら縦パスを狙う。しかも、あくまでショートパス主体でありながら巧みにロングパスも織り交ぜ、なおかつセンターバックが大外のレーンから襲いかかってくる。

こんなチームには滅多にお目にかかれない。

さらに2トップは中央に張らず、サイドに流れて時間、スペースを創る動きも徹底されている。プレミアリーグ昇格5シーズン目を迎え、ゲームプランがますます浸透するブライトンに、ふたりの名将も称賛を惜しまなかった。

「独創的、かつ柔軟性に富んだアイデアを駆使する素晴らし指導者」(マルセロ・ビエルサ監督|リーズ)

「すべてのパス、動きにベンチの意図が明確に伝わってくる」(ペップ・グアルディオラ監督|シティ)

彼らはグレアム・ポッター監督を非常に高く評価している。グアルディオラにいたっては、「私が知る限り、イングランド人で最高の監督だ」と相好を崩す。ポゼッション、ショートパス主体、可変システムなど、みずからと同種のフットボールを志すポッターに、リスペクトとともに友愛の念も抱いているかのようだった。

だからこそ、多くのクラブがポッターに興味を抱いている。シーズン開幕前、トッテナムがオファーを届けようと上層部が検討していた。ミケル・アルテタ監督が解任された場合、アーセナルの新しいボスはポッターが最有力とも伝えられている。

そうだ、おたんこなす感が増しているオーレ・グンナー・スールシャールに代わり、稀代の戦術家にユナイテッドを委ねてみようじゃないか。嗚呼、近ごろ口が多すぎる。

今週末のアーセナル戦は試金石に

20210928_Tomiyasu

さて、今週末は本拠アメックス・スタジアムにアーセナルを迎える。ブライトンにとって試金石となる一戦だ。冨安健洋(ポジショニングがピカイチ!)加入後、急上昇するノースロンドンの古豪を、ポッターはどのようなゲームプランでねじ伏せるのか。

膝を痛めているイヴ・ビスマの出場は疑わしい。彼はスケールの大きな守備的MFで、マンチェスターの両チームが触手を伸ばし、来年1月にリヴァプール移籍も噂される次代のスター候補だ。

だが、前述したようにブライトンは特定の個に依存せず、明確なゲームプランに基づいて闘えるチームだ。策士ポッターであれば、ビスマ不在の案も入念に練り上げているに違いない。

なお、ブライトン対アーセナル戦は、もちろんDAZNで生配信する。お楽しみに。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

配信情報

プレミアリーグ第7節
ブライトン対アーセナル

  • 配信: DAZN
  • 配信開始:日本時間10月3日(日)1:30
  • 解説・実況:渡邉一平、下田恒幸
  • 会場:アメックス・スタジアム

プレミアリーグ関連記事

粕谷秀樹のNOT忖度

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?