エラーコード %{errorCode}

マンチェスター・ユナイテッド

【コラム】「ふざけるなよ」判定負けを宣告されたルーク・ショーの痛快な復活劇 | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】「ふざけるなよ」判定負けを宣告されたルーク・ショーの痛快な復活劇 | 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【コラム】コンディション調整や怪我に苦しんできたマンチェスター・ユナイテッドの左SB、ルーク・ショーが鮮やかに復活した。からだつきがスリムになり、アレックス・テレスというライバルの出現も良い刺激になっている。
▶▶▶DAZNの詳細をチェックする◀◀◀

素晴らしい、の一語に尽きる──。

今シーズンのルーク・ショーは攻守ともハイパフォーマンスを継続。プレミアリーグ屈指の……いやいや、世界でもトップランクの左サイドバックであることを、改めて証明した。

サウサンプトンからマンチェスター・ユナイテッドに移籍し、早くも7年目を迎えた。これまで、期待に応えたとは言い難い。ハムストリングを痛め、長期の戦線離脱を余儀なくされるケースもしばしばあった。

しかも、すぐに太る。臀部が大きくなり、腰まわりにたっぷりと肉がつく。ハムストリングが悲鳴を上げるのは、至極当然のからだつきだった。

なにしろ、シーズンを通してユナイテッドに貢献できたのは、公式戦40試合に出場し、1ゴール・5アシストを記録した18-19シーズンだけといって差し支えない。昨シーズンは、ハムストリングの負傷で3か月近くも戦列を離れている。17-18シーズンはリーグ戦11試合、チャンピオンズリーグで重傷を負った15-16シーズンは、同5試合の出場に終わっている。

完璧なボディを手に入れた

2021-01-01-shaw-traore-manchester-united

大食漢ではなく、パーティーボーイでもないが、ショーはベストコンディションを維持する期間がつねに短く、ケガに付きまとわれていた。戦線離脱を繰り返す選手は計算しづらい。当然、首脳陣の信頼を完全には得るまでには至らなかった。ところが……

「おっ、随分とスッキリしたな」

今シーズンの第一印象である。シーズン開幕直前の練習風景を動画でチェックしたとき、ショーのスリム化は新鮮な驚きだった。シーズンオフに丸くなり、およそアスリートらしからぬ体型(大相撲の新弟子か!?)を多くのメディアに批判されてきた男が、今シーズンはまったくの別人になっていた。

食生活に人一倍気を遣うようになったのか、オフの間に入念なトレーニングに励んだのか、ショーはコンディションに関して一切発言していない。しかし、体調管理すらままならないコロナ禍にあって、シェイプされた体型を維持しているからこそ、今シーズンのハイパフォーマンスが可能になった、と推察できる。

やや遅きに失したものの、ショーはプレミアリーグで闘う完璧なボディを手に入れた。2月14日時点で公式戦28試合、2121分に出場。首脳陣の信頼を証明するデータである。

また、尻にも火がついたのだろう。ポルトガルのFCポルトからやって来たアレックス・テレスは、前評判がやたらと高かった。

「左足のキックは精度、破壊力とも天下一品」

「ユナイテッドの左サイドバックはテレスだ」

「アシストランキングでも上位に入るだろう」

ショーにすれば屈辱である。たしかにテレスは昨シーズンのポルトで18ゴールに関与し、8本のPKを含むとはいえ11ゴールを奪った。左サイドバックとしては傑出したデータだ。

ロバートソンと遜色ない

2020-12-16-shaw-sabitzer-telles-manchester-united

「ふざけるなよ」

闘わないうちから判定負けを宣告されたような報道に、ショーのプライドが刺激された。アシュリー・ヤング(現インテル)やブランドン・ウィリアムズなど、昨シーズンまで左サイドの定位置を争ったライバルより、テレスが強敵だと分かっていても、おいそれと引き下がるわけにはいかない。

「アレックスとは日々の練習でも切磋琢磨している。ポジション争いは個人を、チームを高めるうえで欠かせない要素だと思う。アレックスが素晴らしいプレーを見せればもちろん嬉しいし、俺も負けないぞって反骨心に火がつく」

テレスがいい刺激になっていることを、ショー本人も認めていた。

最高のコンディションとライバルの出現……。肉体と精神が刺激されたショーは本来の能力をようやく発揮し、左サイドで異彩を放っている。攻撃参加のタイミングは的確で、ハーフレーンに進入する頻度も増してきた。ブルーノ・フェルナンデス、マーカス・ラッシュフォードとの小気味よい連携は、ユナイテッドの新たなストロングポイントだ。

もちろん、守りも安定しており、一対一であっさり抜かれたシーンはほとんどない。高速ウイングにもパワーファイターにも対応し、左サイドに堅陣を築く。

いま、プレミアリーグの左サイドバックは、リヴァプールのアンドリュー・ロバートソンが最も高く評価されている。推定市場価格も6750万ポンド(約94億5000万円)だ。ちなみにショーは1980万ポンド(約27億7200万円)……。

ちょっと待ってくれ。ロバートソンの三分の一以下とは何事だ!? 復活のシーズンとはいえ、今シーズンのショーはロバートソンと遜色ない。

この評価、近いうちに覆してやろうじゃないか。

文・粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

プレミアリーグ 関連記事

粕谷秀樹のNOT忖度

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?