エラーコード %{errorCode}

サッカー

【コラム】やたらと強いシティ。チェルシーやリヴァプールに逆転優勝の芽は?| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ

【コラム】やたらと強いシティ。チェルシーやリヴァプールに逆転優勝の芽は?| 粕谷秀樹のNOT忖度 | プレミアリーグ(C)Getty Images
【欧州・海外サッカー コラム】マンチェスター・シティの独走か、チェルシーやリヴァプールの逆転優勝か。後半戦に突入したプレミアリーグの覇権争いを占う。

余裕で戴冠する可能性も…

独走の気配が漂いつつある。

2021-22シーズンのプレミアリーグは前半戦を終了した。新型コロナウイルスの関係で試合消化数にバラつきはあるものの、首位マンチェスター・シティは2位チェルシーに10ポイント、3位リヴァプールに11ポイントの差をつけ、2シーズン連続8回目の優勝が早くも現実味を帯びてきた。

選手層、戦術理解度、個々の技量、完成度など、ペップ・グアルディオラ監督のチームはやはり優れている。9番タイプの不在はゼロトップで、左サイドバックの専門家がいなくてもジョアン・カンセロ、ナタン・アケ、オレクサンドル・ジンチェンコでカバーできるのだから、さすがというしかない。

また、新型コロナウイルスに感染したケヴィン・デ・ブライネが欠場を余儀なくされた際は、ベルナルド・シウヴァが難なくフォローした。今シーズンの彼は攻守とも磨きがかかり、ワンランク上の選手に成長している。

デ・ブライネが復帰したいま、シティの中盤はB・シウヴァ、イルカイ・ギュンドアン、ロドリといった超一流がローテーションする豪華版だ。アフリカネーションズカップによる長期欠場も、アルジェリア代表のリヤド・マフレズしかいない。

数少ない不安材料は、やはり新型コロナウイルスの感染者数だ。1月6日現在、グアルディオラ監督やアシスタントコーチのファン・マヌエル・リージョなど、21名が隔離生活を強いられている。

こうした危機を最低限のダメージでしのげれば、2位以下との差をさらに大きく広げ、余裕で戴冠する可能性まで出てきた。

リヴァプールは最大の被害者

チェルシーは厳しくなった。

チャンピオンズリーグ(5節ユヴェントス戦)で右膝十字靭帯断裂の重傷を負ったベン・チルウェルは今シーズン中には復帰できず、20節のブライトン戦でハムストリングを痛めたリース・ジェイムズは全治6~8週間。両ウイングバックの主力を失った。

代役を務めるふたりのベテラン、マルコス・アロンソとセサル・アスピリクエタに負担がかかる。カラム・ハドソン=オドイの起用も考えられる右はなんとかなるが、逆サイドはM・アロンソただひとりだ。

さらに、舌禍事件でロメル・ルカクがサポーターを敵にまわし、セネガル代表のエドゥアール・メンディはアフリカネーションズカップの開催地であるカメルーンに旅立った。カイ・ハヴァーツやティモ・ヴェルナーはセンターフォワードとして機能しない。第2GKケパ・アリサバラガは、メンディほどには安定していない。

両ウイングバックに加え、CFとGKもトーマス・トゥヘル監督のファーストチョイスではなくなった。エンゴロ・カンテ、マテオ・コヴァチッチ、ジョルジーニョを軸とする中盤がリーグ屈指の安定感を保っているものの、シティを追いかけるためには絶対数が不足している。

2021-1230-lukaku_salah

アフリカネーションズカップ開催による最大の被害者がリヴァプールだ。エジプト代表のモハメド・サラー、セネガル代表のサディオ・マネ、ギニア代表のナビ・ケイタが、少なくとも1ヶ月は留守にする。

1月2日現在、16ゴール・9アシスト。サラーはふたつの個人レースでトップを走ると同時に、リヴァプールが挙げた総得点の48%に関与していた。マネは8ゴールを決め、ケイタも中盤の活性剤として周囲の期待に応えていた。彼らの離脱は大きすぎるダメージだ。

とくにサラーだ。今シーズンの彼は異次元で、手が付けられないほどの領域に達している。代役などすぐに見つけられるはずがなく、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョタ、南野拓実、ディヴォック・オリギといった既存戦力でやりくりするしかない。

もちろん、彼らも素晴らしいタレントだ。しかし、対戦相手にとってサラーほど怖くはなく、1対1の勝負でも積極的に挑めるようになる。

ここがポイントだ。サラーという名前に負けていたクラブからプレッシャーが軽減され、代わってリヴァプールはサラー不在のディスアドバンテージに直面する。フィルジル・ファン・ダイクを軸とする最終ラインは堅牢だが、決定力の大幅ダウンまでは面倒を見られない。

ユナイテッドは4位以内も難しい

シティに匹敵する戦力を持つチェルシーとリヴァプールが、少なからぬ問題を抱えている。今シーズンの行方が見えてきた。

若手が試合ごとに成長するアーセナルが優勝戦線に絡むのは来シーズン以降であり、ウェストハムはアンジェロ・オグボンナの長期欠場(右膝前十字靭帯損傷)が痛すぎる。トッテナムは頼みのハリー・ケインが精彩を欠き、マンチェスター・ユナイテッドは揃いも揃って甘ちゃんだった。

「練習が厳しすぎる」

ラルフ・ラングニック監督の方針に、早くも音を上げる選手が現れた。4位以内も難しい。

以上のように、上位チームは例外なく苦しんでいた。ますますシティが有利に映る。フェラン・トーレスがバルセロナに移籍したにもかかわらず、グアルディオラ監督は「冬の市場で動く予定はない」と言及した。コロナ禍による経済的ダメージも見逃せないとはいえ、現有勢力に自信あり、を裏付けるコメントだ。

いずれにせよ、優勝争いはシティが絶対的な軸であり、独り舞台になったとしても不思議ではない。今シーズンもやたらと強い。

文・ 粕谷秀樹

1994年、日本スポーツ企画出版社刊の『ワールドサッカーダイジェスト』編集長に就任。その後、同社の編集局次長を務め、01年に独立。以降、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ、情報番組、さらに月平均15本のコラムでも、エッジの利いた発信を続ける。東京・下北沢生まれ。

粕谷秀樹のNOT忖度

DAZNについて

DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。

●  【番組表】直近の注目コンテンツは?
●  【お得】DAZNの料金・割引プランは?